「宮崎駿監督、ありがとうございます。」風立ちぬ zuuminさんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿監督、ありがとうございます。
私の心の中の、今まで意識していなかったところに触れてきて、涙をあふれさせます。
ジブリ作品は大好きでどの作品も何度も観てきました。しかし、嗚咽するほど涙を流して観たのは「風立ちぬ」がはじめてです。
なぜそんなに涙がこぼれてしまうのか。
それは、この物語が他人事ではないからです。
といっても、私はエンジニアでもなく、戦争経験者でもなく、病気でもありません。戦争のない平和な時代に生まれ、小学生のときから自分専用の携帯電話でインターネットをしている世代です。「風立ちぬ」に出てくる人々とは、自分を取り巻く環境が全くと言っていいほど異なっています。
しかし、この物語が描いていることは他人事とは思えないのです。
どの時代にも、夢をもち、何かに没頭して想いをかたちにし、大切な人を時間の許す限り愛し、涙を流し、懸命に生きる人々がいたんだと。そして自分も、そのように生きたい。
健康でも病気でも、どんな性別でも、
どんな仕事をしていても、誰を愛していても、
時間は有限で、みんな日々を懸命に生きねばならない。
そして懸命に生きても、すべて美しくおさまることもない。心血を注いで、光を当てた部分があれば、その影となる部分もある。光とも影ともとれない部分もある。ときには、そういった光りではない部分に苦しむ、しかしそれでも生きなければいけない。
そうやって生きなければならないのは、二郎だけではなく、この世界中の人すべてであり、私もしかり。他人事ではない。
このようなことを私は感じました。
私はふつうに生活しているだけでは
このようなことに気づけませんでした。
このようなことを考えさせてくれた宮崎駿監督に感謝します。
あくまで私見です。
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