「血しぶき飛び散るスペクタクル」300 スリーハンドレッド 帝国の進撃 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
血しぶき飛び散るスペクタクル
紀元前480年、古代ギリシアにおいて重装歩兵を誇り、100万のペルシア帝国の軍勢に、レオニダス王率いる僅か300人の精鋭達だけ戦闘に挑んだスパルタ軍の戦闘を描いた『300スリーハンドレッド』。それと同時期に起きたペルシア軍とギリシア軍との海戦を、アナザー・ストーリーの続編として描いた本作。
こちらの海戦も、多くの大戦艦と軍隊を持つペルシア軍に対して、小さな戦艦と農民や商人等の寄せ集めた僅かな軍隊で立ち向かうギリシア軍の構図は、前作と同じ。劣勢の中、母国への愛国心だけで立ち向かうギリシア軍だが、その軍を率いるのがテミストクレス将軍。小隊だからこその巧みな戦闘方法で、自由と平和を守るために、勇気を奮い起こしてペルシア軍に刃を向ける。
本作のエモさは、まず、手足を切り裂き、肉を抉り、血しぶき飛び散る、前作から続く衝撃的な戦闘シーン。前作以上に迫力とグロさを増していた。また、ギリシア人でありながらも、幼少期から虐げられ、ギリシアへの復讐を誓うペルシア軍を率いる海軍女指揮官アルテミシアの脅威。その美しさの中に秘めた激しさと冷徹さに、思わずテミストクリスまでも魅了されて、2人がまぐわう肉弾シーンも見どころ。
そして、古代ギリシア、ペルシアを舞台にしながらも、背景や衣装については近代的な華やかさや美しさも兼ね備えており、VFXを駆使した映像は、迫力十分で観る者を飽きさせない。特に、荒くれた海上で、戦艦同士がぶつかり合う海戦シーンは圧巻。
本作の主役は、ギリシアの将軍・テミストクレスを演じた、オーストラリア出身のサリバン・ステイブルトン。マッチョな肉体美を惜しげもなく曝し、他の出演者も全てギリシア彫刻の様なシックスパック。正にマッチョ祭りのオンパレード。しかし、本作は、やはりアルテミシンを演じたエバ・グリーンが印象に残る。体当たりの演技と凛とした強さ、そしてその美しさが、主役を喰っていたように感じた。