スタンリーのお弁当箱

劇場公開日:

解説

アクションやミュージカルが詰め込まれた娯楽大作映画が主流のインド映画界で、素人の子どもたちを集めて撮られた小作ながらも、大ヒットを記録したハートフル・コメディドラマ。みんなを笑わせるのが大好きなクラスの人気者スタンリーは、家庭の事情で学校にお弁当を持ってくることができず、昼食の時間はいつも水道水を飲んでお腹を満たせていた。そんなスタンリーを助けようと、級友たちはお弁当を分けてあげるが、食い意地の張った先生に見つかって弁当を取り上げられた上、スタンリーは先生から「学校へ来なくていい」と言われてしまい……。

2011年製作/96分/インド
原題または英題:Stanley Ka Dabba
配給:アンプラグド
劇場公開日:2013年6月29日

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映画レビュー

3.0スタンリーにとっての「家族」

2023年12月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
「言ってくれれば、最初から作ったのに。どうせ残り物だ。」
「僕のじゃないから。」
「お前の叔父さんのだろ。」
「でも、家族じゃない。」

挿入歌の歌詞にもあったとおり「良くも悪くも、これが自分の家」ということなのでしょう。
生徒のお弁当に集(たか)る「トンでも教師」はいうまでもなく、毎日のように教室で顔を合わせ、お弁当を分け合う間柄の級友にさえ、両親の他界を打ち明けることができなかったのは、たぶん、スタンリーにとっては「級友」は飽くまでも「級友」なのであって、「家族」ではないという受け止めだったからではないでしょうか。
そう思うと彼の心情(寂しさ?虚無感?)には、胸を締めつけられるような思いがして、彼の(本当の)家族に対する思慕の深さ、厚さに思いが至ると、胸がいっぱいになるような思いを禁じ得ません。評論子は。

佳作であったと思います、評論子は。

(追記)
他のレビューの皆さんも指摘しているとおり、本作には、インド映画に、いわば「付き物」だったとも言える「歌って踊るシーン」というのは、ありません。
歌や踊りで間をもたせると言ったら言葉が過ぎるのかも知れませんけれども。
インド映画も、こういう素材重視、ストーリー重視の路線に転換してきたということなのであれば、評論子として個人的には、歓迎だと思います。

(追々記)
決してその問題の分野に明るい訳ではないのですけれども、本作はインドにおける児童労働の問題が背景ということなのだと思います。
何にせよ、社会のこれからを担う子供たちに負担のない社会が実現すると幸いと思うのは、独り評論子だけではないと思います。

(追々々記)
不慮の事故だったようですけれども。
さぞかし心残りだったことでしょう。スタンリーの両親としては。彼を独り遺してこの世を去らなければならなかったことは。

一人で二人の子供を育ててきた評論子ですけれども。
いま思い返してみれば、その二人が成人し、それぞれの伴侶を得て家庭を築いた現在まで評論子が大病をすることもなく、存命だったことの僥倖を思わずにはいられませんでした。

(追々々々記)
作品の本筋とはまったく関係のないレビユーで恐縮なのですけれども。
インドのお弁当タイムは、こんなふうなポットラック(持ち寄り)スタイルが普通なのでしょうか。
もし、そうだとしたら、インドのお弁当箱は四段重ねとか、日本ではあまりお目にかからない大きさなのにも合点がいきます。
それだけ、インドでは「人の輪(和?)」が大切なのかなぁ、とも思いました。

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talkie

3.5好みはあると思います

2022年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ほのぼのしていて、気持ちが暖かくなる映画。
ストーリーはとてもシンプルで、貧しくても、想像力豊かな人気者の少年が、小さな成功体験を重ねていく物語。

イヤな先生が出ていますが、意外にあっさり解決してしまいます。
もっと映画らしく、闘ってやっつけて欲しかった。

スタンリーの、私生活の
秘密も、最後に明かされます。
かわいそうだけど、彼は全然悲観していないんですよね。
与えられた環境に、幸せを見出し、日々を楽しく生きる。
インドには、こんな暮らしが本当にあるんだろうなと思いました。

2014.8.10

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うそつきカモメ

3.0あのお弁当箱が欲しくなる

2020年10月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

主人公の境遇がハッキリしないまま物語は進み、後半はインドの社会問題にも踏み込みながらエンディングへと向かっていく。
メッセージ性は強くはなく、子供達の笑顔が素晴らしい映画だった。
ちなみに、あの三段・四段のお弁当箱、日本でも買えるので欲しいかも^_^;

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Iwarenkon

4.0いろいろ面白い

2020年10月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

興奮

インド映画面白すぎる!

いやいや、そんな奴おらんやろ!

と、ヴァルマー先生には同じ大人として恥ずかしいわ!
って感情しか持ってなかったのに、子供たちのお弁当を食べたいばかりに、必死こいて子供達を探し回ってる姿に、もう完全にツボに入ってしまった。
面白すぎる。
いや、実際にこんな教師いたら大問題なんですけど。
映画だからこそこういうキャラクターも作れるし、笑いに代えることができるんだと思う。

子供達の目がキラキラしていて、素人達だとは思えないくらいイキイキした演技だったことも印象的だった。

音楽で状況を説明するあたりも独特で、展開が急に雑になるのもインドらしい。勝手な個人のイメージだが、インドは良くも悪くもテキトーな感じがする。
だから、最後に派手に踊ってハイおしまい!でオールオッケーなのかな?と。笑

本作も踊るシーンがあったので、みんなで踊るのかと思っていたら、それはなく。
ちょっとあのメンバーが踊ってるところ見たかったなと思ってしまった。

お弁当を毎日作る日々を今送っている身としては、美味しいお弁当をお昼にお友達と楽しく食べる時間を思い浮かべるとそれだけで励みになるが、世界にはそれが叶わない子供達もたくさんいるのだろうなと思いを馳せた。

スタンリーのように、周りのお友達が良い子ばかりなのは映画だからこそなのかもしれないけれど、スタンリー自身が強くて明るくいから周りの子も寄ってくるのだろうな。

最後に。これも言わせて欲しい。
ロージー先生の彼氏、男前すぎて驚きまくり。
セリフ一言も無かったけれど、充分存在感ありました。
サプライズー!

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