ハッシュパピー バスタブ島の少女

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ハッシュパピー バスタブ島の少女

解説

新人監督のベン・ザイトリンが弱冠29歳で手がけ、低予算のインディペンデント作品ながらも、サンダンス映画祭やカンヌ映画祭で受賞を果たして脚光を浴び、第85回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされたドラマ。米ルイジアナ州の湿地帯に、世間から隔絶された「バスタブ」と呼ばれる小さなコミュニティーがあった。少女ハッシュパピーは毎日がお祭り騒ぎのようなバスタブで気ままに生きていたが、ある日、大嵐が襲来したことをきっかけにバスタブは崩壊。さらに、父親のウィンクが重い病気にかかっていることを知ったハッシュパピーは、音信不通になって久しい母親を探しに外の世界へ足を踏み出していく。ハッシュパピー役はオーディションで選ばれた撮影時6歳の少女クワベンジャネ・ウォレスが務め、史上最年少でのアカデミー主演女優賞ノミネートを果たした。

2012年製作/93分/G/アメリカ
原題または英題:Beasts of the Southern Wild
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2013年4月20日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第65回 カンヌ国際映画祭(2012年)

受賞

カメラドール
カメラドール ベン・ザイトリン

出品

ある視点部門
出品作品 ベン・ザイトリン
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映画レビュー

3.0楽しめたものの、期待は裏切られた

2023年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

十分に楽しめる内容でした。
映像の雑多な雰囲気やリアル感、音楽のクオリティの高さなど、世界に引き込まれます。
少女の目を通して、語られる世界は、シンプルな言葉で表現されており、とても寓話的です。
そして映し出される映像はどれもグロテスクで、正直、主人公が小さな子供でなかったら、この映画は誰も見ないでしょう。

アカデミー賞最年少ノミネートという話題に引っ張られる形で、劇場まで足を運びましたが、そういう意味での期待(ダコタ・ファニングとか、ハーレイ・ジョエル・オスメントなどの天才子役に泣かされる映画が観たいという)は裏切られますが、彼女の「人生」がこのフィルムには宿っており、悪くない出来栄えになっています。

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うそつきカモメ

1.5ファンタジーではない 面白くはない

2022年5月12日
スマートフォンから投稿

映画サイトでファンタジーとありますが、逆立ちしてもファンタジーではありません。
全般を感覚的にいえば「汚い、貧乏くさい、ガサツ、不潔、暗い、乱雑」です。
そういうのキライな人は観ないほうがいいです。
お話しは単純ですが、一体何言いたいのか?
世間から隔絶した人たちの独特な価値観とジレンマを、そこに暮らす少女の視点で切なく描く、みたいなことを評論家は言うんでしょうな。
いわゆる「先進的な」が好きな人にはウケそうですけど、一般的にはドツボです。
大嫌いな「ムーンライト」の不潔さを思い出した。

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越後屋

2.5意味のわからないまま終わった

2019年1月13日
iPhoneアプリから投稿

アニーを演じてる女優が出てるから見たが、本当に意味わからない。
まあ元々ファンタジーと書いてあったから意味をわかろうとすることも間違ってるかもしれないが。

映画館で高い金払ってこれ見てたらブチ切れてた

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いぬまる

4.0サンダンス映画祭

2018年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

知的

サンダンス映画祭という映画祭を知っていますか?
今年引退を発表したロバート・レッドフォードによって設立され、名前は”明日に向かって撃て”の彼が演じたキャラクター、サンダンス・キッドからきています。

この映画祭は、インディペンデント映画を対象としており、新人監督たちの目指す最高峰の映画祭になります。ここでグランプリを受賞した作品は映画好きにはたまらないような、先進的なものが多く、時代の最先端を行く映画祭といってもいいでしょう。

この映画祭で受賞したのちに、ハリウッドでキャリアを確立し、今では大物となった監督には、コーエン兄弟、スティーブン・ソダーバーグ、ロバート・ロドリゲス、ブライアン・シンガー、デヴィッド・O・ラッセル、デミアン・チャゼルなど、名だたる大物監督ばかり。

今作も、アカデミー賞まで上り詰め、監督から、撮影監督、役者までがキャリアを作り上げています。

サンダンス映画祭で受賞する作品というのは、興行成績で数億円を売り上げるような作品ではなく、もっと実験的で、今までにはなかったようなユニークな作品が選ばれることが多いです。

この作品もそうで、予算は1.5億で、300億を費やしたアベンジャーズに比べると、めちゃくちゃ少ないことがわかります。監督のベン・ザイトリンはこの作品が初長編作品。

ストーリーもかなりトリッキーで、見たことのないような設定。さらには多くのシーンで出てくるメタファーはとてもユニークで、最初は「ん?どういう意味?」ってなるような感じです。

しかし、90分を見終わると、そこに浮かび上がるのは、映画全体がメタファーとなっていて、それなのに物語自体も完結し、決まった型をちゃんと追っているから、視聴者を突き放すこともない。

映画は90分だとか120分だとか180分だとか、決まった長さがあるんですが、やはり印象に残るのはクライマックスの残り30分ぐらい。そこで感情の浮き沈みが最も大きく、クライマックスと呼ぶに値するようなものです。

しかし、映画がその30分だけではなく120分あるのには、物語を伝える以外の美しさがあるのです。
それは、視聴者の印象に残るようなものではなく、その映画の色合いだったり、トーンだったり、キャラクターのセリフの言い回しだったり、その映画のブランディングとなるようなものが120分にはあります。

特に序盤から中盤にかけては、その映画を組み上げて行く上での監督の才能が顕著に現れるところでしょう。成功する映画の多くは、クライマックスがすごかったというよりも、クライマックスに持って行くまでに視聴者を虜にし、映画の中に引っ張り込んでいるから、クライマックスで感動することができた、ということがほとんどです。

この映画もそうですが、序盤から中盤にかけてのバスタブ島の設定、キャラクターのバックグラウンドや性格などを視覚的に描き出すことに長けていたため、その後のメタファーにも思いをはせることができたし、そこのスペースを空けてくれた編集のおかげでもある。

これを、スマホの小さなスクリーンで、電車に乗りながら見ても、映画の世界に身を投じることはできません。そういう人はこの映画を「意味がわからない、ただの天邪鬼な映画」とでもいうでしょう。
ちゃんとリラックスできる状態で大きなスクリーンと大きな音が出せる環境で、ポップコーンとコーラ片手に(自分の場合はコーヒー)映画と勝負するように見れば、映画の世界に足を踏み入れることを許されるのでしょう。

やっぱり映画はそうやってみるのが一番楽しめると思います!
海外ドラマとかは、全然電車の中で見てもいいんじゃないでしょうか?

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