凶悪のレビュー・感想・評価
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教えて下さい。
「凶悪」のタイトル通り、自己的な人間がその世界で助け合いながらまず善人を殺害していく。
しかしその善人にも、「見栄や借りた金を返さない、一般的には評価されないが社会に正式に認められている職業である性風俗」などの「悪」が潜んでいる。
そして死刑囚の復讐、懺悔から告発をしてそれを暴き始めるジャーナリスト。しかしそのジャーナリストは家庭を考えない「悪」でストーリーが進み、
最後に死刑囚はジャーナリストを利用して延命したかったと言い、ジャーナリストは家族を思い行動しつつ死刑囚に人生の実感を味わうなと言い、
先生はジャーナリストに今一番俺を殺したいと思っておるのはお前だと指を差し、ジャーナリストの絵で終わる。
全員それぞれに「凶悪」な心があるということですか?「金を返さない、仲間を裏切る、見栄で膨大な借金を作る」ことと「殺人」と、「介護を嫁に押し付ける」ことと「親を介護施設に入所させる」こと、「人をのせて自分の目標を達成する」ことと「中立が求められるジャーナリズムに感情が入る」ことがみんな「悪」の心ということですか?
自分には、まず家庭の問題は旦那が頼れなかったらもっと早く離婚するという方法も取れると思うし、それが出来ないところもあるというならそこはがんばってお互いが理解を深めるしかないと思う。
老人施設に入所させるのも、それがその親の人生の結果なので入れる方より入れられることをしてきた親のさだめだと思う。
殺人は人の人生を終わらせることであり、ちょっと質が違うと思う。なぜ殺人をしたのかが問題であり、今回の場合は殺人犯に利益がでる決して嘱託ではないので明らかな「凶悪」だと思う。
それ以外の出来事は生きていれば誰しもが一度はもつ感覚ではないのかと思う。
そして最後の殺したい気持ちはお前だと言うところが理解できません。立件出来ない事件や罪を認めていないような人間に被害者と同等の裁きをと思うことは感情ではなく当然の権利ではないのかなと思ってしまう。
殺人犯の「殺したい」とジャーナリストの「殺したい」は全く異なるものだと思ってしまいます。こういう感じ方はちょっと危険ですかね?
自分なら自分が選んだ嫁が求めていることをしたいと思うから嫁任せにしたそこは理解できないけどそれ以外は「一人の死刑と一人の自由」より「二人の拘束下での命」なら後者の方が社会貢献していると思う。
主人公に「凶悪」なんて心はなくて、嫁に対する「思いやり」が無いだけに思えてしまいます。
下手な文章でわかりにくかったら申し訳ありません。
自分の中の闇
人間がこんなに簡単に死んでいく。
電池を抜けば動かなくなるオモチャのよう。
命は、はかない、たやすい、軽い
だけど 重い
いや、寧ろ
命に重さなどあるのだろうか
そうやって、重い物だと考えなければならないと教え込まれているだけで。
なんて、変な考えすらよぎる作品だった
いや、変な考え…胸糞悪い…そう思わなければ頭のおかしいやつだと世間に思われるんだろうな。
…みたいな自分の中の闇が見え隠れする。
見終わった後に今までの培ってきた道徳観が植え付けに過ぎない物だったように思えてしまう。
だけど、やっぱり人道を外れたくないと
自分に再確認できる、正常で良かったと思えた。
リリーフランキー怪演!
リリーフランキーの酒飲ます演技がすごい!
ラストの取調室、鳥肌モノです。
山田孝之の家族の話はいらないかなと思ったけど(中だるみ感があったし)、最後、リンクしてるんだなと思って府に落ちた。
法廷のピエール瀧のセリフも相まって、ムナクソ映画なのかなぁ
2度目の視聴
悪とはなんぞや
大好きな白石和彌監督の作品。
話題となった本作をやっと観ることが出来たが、正直、白石監督作品とはいえ、内容が内容なだけに楽しむことはできなかった。
ただ、作品の中で、主人公の藤井の妻が言った台詞が
なるほどなーーと思わせる。
リリーさん、ピエール瀧さんらが演じた人間はこの世に多くは存在しないと思いたいが、それ以外の被害者役や、被害者の家族役のような人間はゴロゴロいそうだと思った。
先生と呼ばれた木村(リリー)は、大して賢くはないのだろうけど、人の弱みを見つけたり、弱みを持った人間を惹きつけたり、その人達を誘導する能力に長けていたんだと思った。暴力を振るシーンなんて、もはや意味不明。でも、人間がすることなんですよね。。。
正直観てる最中も、終わった後も、気分が良くなる映画ではありません。
リリーとピエールの犯罪手引き
山田孝之さんとピエール瀧さんというなんともタイムリーな2人の"凶"烈な一本。
流石、白石和彌監督、いい仕事してます。
これでもかというほど犯罪のてんこ盛りで、色々なエグいことが繰り広げられます。
主人公は山田孝之演じる週刊誌の記者。
個人的にあまり週刊誌の記者さんは好きではないですが、この主人公はなかなか魅力的でした。
あまり表情を変えず、淡々と喋る演技が上手いと思いました。
そして、ピエール瀧。
サイコパスヤクザ感が凄くて、本当に悪そう(本当に悪いですね)。
今はこんな瀧さんですが、是非復帰して欲しい。
あの狂気は決してアレのおかげだけではないはずです。
忘れてはいけない本作の本当の見どころリリー・フランキー。
冗談じゃなく、彼の笑い方やあの冷静さは鳥肌立つくらい恐ろしい。
いつもいい人役が多いだけに、すごい忘れられない強烈な印象が残りました。
それにしても、精神的に攻めてくるシーンの多いこと。
子どものすぐ近くでヤったり、子供に札束で遊ばせたり、プレゼントのランドセルからも札束が…
人肉を焼却した後のクリスマスのチキンも色々想像させてきます。
お爺さん殺しなど弱いものを痛めつけるのは本当に見苦しい。
一見、人命軽視のように思えますが、命の存在や大切さなんかも改めて実感させられる映画でした。
残虐と冷酷
冷静に考えると、残虐と冷酷は別なはずです。
この映画の描写に沿って説明すると、
・残虐…暴力や遺体への〝処置〟など一般的な人にとっては胸糞の悪くなる行為が平気でできる。
・冷酷…他人の苦痛(精神的、肉体的を問わず)について自分のこととしての想像力を働かせることなく、
見過ごすことができる。割り切ることが簡単にできない普通の人は、見過ごしたことに罪悪感を覚える。
ということになると思います。たぶん。
残虐性は、一種サイコの世界で相当程度は病理的な疾患(戦争中に残虐になるのも一種の精神疾患)なのだと思いますが、一方の冷酷さは、たぶん誰もが平時でも持ち合わせている人間性のひとつの要素です。
(普段自分に協力的でない同僚とか友達が上司や先生に叱られているのを見た時、ザマーミロ!と思って放っておくというような事象も冷酷さの一種の表れといっていいと思います。)
我々の社会は残念ながら、冷酷な犯罪(殺人に比べれば軽く見えてしまうような振込詐欺だって、ただの詐欺に留まらず、高齢被害者のその後の生活への精神的、経済的ダメージを想像できたら、その冷酷さが分かるはず)をゼロにはできません。被害者のことや手口の卑劣さを考えたら、もっと重罪にして欲しい、と思うことはあっても、犯人を殺してしまえ、とまで思う人は少ないと思います。
でも、残虐で猟奇的なバラバラ殺人などの犯人に対しては死刑を求める人が決して少なくないと思います。
冷酷な犯罪に関しては、誰もが状況次第で一歩間違えば自分が加害者になることもありうると理解しているし、ある程度軽重の判断や法的・制度的なことでコントロールできるという前提もある。
しかしながら、残虐性に関しては、社会という群れを維持する我々にとって、社会の平安を保つうえで絶対的に受け入れがたい要素であり、生理的に拒否反応が起きるようにできているのだと思います。
ラストシーンにおぞましさを感じるのは、本能的なレベルの欲求(群れから排除したい相手への殺意)について、お前は正義感的なモノサシで誤魔化してるんじゃないのか?と自分が言われているように感じたからかもしれません。
3人の凶悪
人を殺す事も暴力を振るう事もなんとも思わないヤクザのピエール瀧。
そのヤクザの裏にいるサイコパスのリリーフランキー。
犯罪を許さず犯罪者に罰を与えようとする記者の山田孝之。
映画が進むに連れ、どんどんピエール瀧とリリーフランキーの凶悪さが暴かれていきます。
見る人によっては、とても嫌な映像の場面も多々あると思います。
凄く凶悪な2人ですが、喋り方や内容は普通の人とあまり変わらないところもあり、そこがさらにリアルで怖さや凄みが増していきます。
山田孝之がピエール瀧に生きる希望を見出す事に強く糾弾し、最後にはリリーフランキーが山田孝之へのメッセージには実は凶悪な2人と同じように凶悪な自分がいた事に気づかされてしまう山田孝之。
怖いですね。
良かれと思っている自分も他人を不幸にし殺して地獄に落ちるように願ってるんですから。
凶悪な2人と変わらない自分がいたんですからね。
誰にでもオススメ出来る映画ではないかも知れませんが、周りに目もくれず一心不乱に打ち込んでしまってる時はハッと気付く為にも鑑賞するのも良いかもしれません。
好奇心というより正義感
良いらしいとはかねがね、なんだけどけっこうメンタルに響きそうで敬遠してた作品。
結論から言うと、『全員死刑』みたいな非日常感というか
こんな人も世の中にいるのか、といった割と乾いた感想が残った。
個人的には正直、そんなに後味悪くもないし、鬱展開でもないかなと。
ただ暴力とか死体とか、描写がかなりキツめなので見る人を選ぶとは思う。
内容というか作品としては、幸か不幸かピエール瀧の存在感がやっぱり際立つ。
彼がこの役をやったってこと自体に付加価値がついちゃったというか何というか。
タイトルについてだけど、僕はやっぱり「凶悪=正義の押し付け」だと思っちゃったなぁ。
ジャーナリストの藤井は「家庭を犠牲にしても殺人犯は許せない」だし
ヤクザの須藤はシンプルに「裏切りは絶対に許せない」。
先生の場合は「金儲けこそが絶対」みたいな。
傍観者になれとは言わないけども、野次馬根性というか
好奇心までを「悪」だと言い始めたら色んなものが死んじゃうような気がする。
だからラストシーンのあれはきっと観てる側が檻の中というよりは、
藤井が怒りとか恐怖とか、そういうネガティブなものに囚われてしまったっていう描写だと思ってる。結局ね、自分の正義を他人に押し付け始めたときに「悪」が生まれうるんじゃないかなって。
けっして好きな部類の作品ではないけど、心に残るものは確実にあった。
社会を変えるような大きな仕事ができなくたって、
何も不自由しないくらいの大金が稼げなくたって、
手の届く範囲の人たちを少しずつ幸せにしていければ御の字じゃないかなと。
だから今は見てよかったと思ってる。
白石監督はやはり外れないなー 重くてどよーんとしている空気感ながら...
ピエール瀧の件の前と後
感情の伝染
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