劇場公開日 2013年3月29日

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「アンナ、華麗だな…キーラキーラして」アンナ・カレーニナ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アンナ、華麗だな…キーラキーラして

2013年9月20日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

萌える

「アンナ・カレーニナ」はこれまで何度映像化されてきたか?…正確に答えられたらちょっとした雑学になる。
その何度目か分からない映像化に今回挑んだのは、「プライドと偏見」「つぐない」のジョー・ライト監督とキーラ・ナイトレイのコンビ。
現在考えられる、コスチューム劇のベストのコンビだろう。

「プライドと偏見」も「つぐない」も魅力的な作品だったので、この古臭い話(失礼!)を今さら映画化するにあたって、何かよほどの新味でもあるのだろうと見てみたら、まあそれなりにはあった。
幕がせり上がり、舞台劇のような様式で始まる。舞台の雰囲気・世界観を取り入れ、めくるめく場面転換は、それこそ舞台でバレエを鑑賞している錯覚に陥る。
加えて、映像・美術・衣装は陶酔させられるほど美しい。ジョー・ライト組の手腕が光る。

見せ方は凝っていて良かったのだが、肝心の中味の方は、不倫の恋とその末路。
良く言えばオーソドックス、悪く言えば新味ナシ。
ここら辺にこそ新味を出して欲しかったのだが…。

キーラ・ナイトレイはやはり、コスチューム劇でこそ美しさが映える。口半開き演技には目を瞑り、美しさに見とれた者勝ち。
ジュード・ロウのオッサン化は衝撃的だが、寛大が故の哀しさと愛憎を滲み出していた。
一昔前ならジュード・ロウが演じていたであろう青年将校ヴロンスキーに、アーロン・テイラー=ジョンソン。とても「キック・アス」のへなちょこヒーローとは思えない男の色気。かなりの実力派!

近大