「銀河の守護者達の誕生だぜ!」ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
銀河の守護者達の誕生だぜ!
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の中でも特異な位置付けですよね、これ。アベンジャーズともまた違うし(将来的には繋がって行く?らしいですけど)、もう地球を飛び越えちゃってるでしょ。銀河が舞台ですからね。そういう意味では『マイティ・ソー』と同系統と言えなくもないんですけど、あれも厳密には地球が舞台ですしね、二作とも。マーベル世界として同じ枠組みの中で展開してるってのは間違いないんですけど、そっち(アベンジャーズ勢)からの助け舟というか、ネームバリューには頼れないというか、そういう援護射撃みたいなものは一切望めないワケですよ。ニック・ヒューリーも出て来ないしシールドも出て来ませんから。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』単体だけで評価されなくちゃいけないというか(まあ本来映画ってそういうもんなんですけれど)。MCUだけど物語は独立してるよ、みたいな。これって結構作り手としてはプレッシャーだったんじゃないかなあと。保険はないよ、的な。それと今回メガホンを取ったジェームズ・ガンといえば、あの『スーパー!』の監督でしょ。知る人ぞ知るというか、そこまでメジャーじゃないというか。もう大抜擢じゃないですか。こんな大役を任されちゃって、本当は胃にキテたんじゃないかなあと推量してみたりして。
で、肝心のその仕上がりですが。ですが。
滅っ茶っ苦っ茶、面白いですね!滅茶苦茶面白いです!はい。
底抜けに陽気なスペースオペラの開幕!でしてね。MCUとかジェームズ・ガンは云々とか、色眼鏡は不要だったんですね。本当スイマセンでした。
いやね、物語がね、もう秀逸なんスよ。
協調性がゼロのならず者達が縁もゆかりもないところから突然に予期せぬ形で一致団結せざるを得なくなった、という展開でして。何故か銀河の存亡を懸けた戦いの渦中に叩き込まれてしまうという。何で俺達なんだ?俺達じゃなくてもよくね?からの、俺達がやらなきゃダメなんだ!に変わって行く過程とか、当初はそれぞれの思惑で共闘していただけの関係が、掛け替えのない仲間になっていく瞬間とかね。熱いでしょ。熱過ぎますよ。
それと銀河が舞台ですからね、クリーチャーやら肌の色が赤だったり緑だったりのヒューマノイドやら宇宙船の造型やらザンダー星(銀河の秩序をつかさどる星)の街並みやら、目に飛び込んでくるビジュアルも鮮やかで楽しいし、出てくるキャラクターも総じて魅力的!敵味方関係なく魅力的!主役五人組のスター・ロード(コソドロ)、ガモーラ(殺し屋)、ロケット(アライグマ)、グルート(観葉植物)、ドラックス・ザ・デストロイヤー(暴漢)は勿論言うまでもないんですけど、自分はヨンドゥ(青肌赤モヒカン)ってキャラクターに惚れ込みました。敵かな?味方かな?な立ち位置で、アンチヒーロー的というか、謎の武器を片手に五人組にちょっかい出すんですよ。コイツが素晴らしくてね!まあ観てもらったらその魅力が分かると思うんですけど。て、いや、もうね、というか、ヨンドゥだけじゃなくてね、人それぞれにお気に入りキャラクターを見出せちゃうのもこの映画の魅力的なところなんですよ。
えー、と。そういう魅力を語り上げてったらキリがないんでここらでストップしますね。
まあ、そんな色んな要素を詰め込んだ、コメディ利かせた最高にハッピーなSF映画に仕上がってます。MCUの細々とした繋がりなんかも探しつつ、是非この世界に魅了されてください。
はー、お祭りみたいだった。