アーロと少年のレビュー・感想・評価
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綺麗
恐れや悲しみを乗り越える“優しさ”という強さ
昨年夏に「インサイド・ヘッド」、今年の夏には「ファインディング・ドリー」、その合間にもう一本。
異例のハイペースのピクサー最新作。
全米では他のピクサー作品と比べ興行的に見劣り。
量より質のピクサーが話題作の間の繋ぎ?…と思いきや、これまた好編!
やっぱりピクサーは安心安定品質保証!
6500万年前、もし地球に隕石が衝突してなかったら…?
長い映画の歴史の中でこういう企画は幾度もあっただろうが、それを作り上げるピクサーの意欲的な所。
開幕早々画面に広がる、もはや実写にしか見えない映像の美しさ。
2000年のディズニー作品「ダイナソー」も映像の見事さには目を見張ったが、あちらは実写の映像にCGのキャラを合成したと聞く。こちらは背景も全てCG映像。
空も山も木々も川も、自然の雄大さと高クオリティの映像レベルを見せつける。
中でも、水。
雨に濡れた肌のリアルさと言ったら!
川、雨、洪水など“水”の描写も多く、ただでさえ難しいCGの水の表現へのピクサーの挑戦には驚嘆した。
隕石が衝突しなかった地球で、知能を持った恐竜たち。
農場を営むアパトサウルス一家の末っ子、アーロは、臆病で何をやっても失敗ばかり。
このアーロの成長物語が、オーソドックスだが実に魅力的に描かれ、共感を呼ぶ。
そのきっかけが、人間の男の子。
恐竜が知能を持った世界において、原始的な人間。
恐竜が人間なら、人間はさながら犬。
アーロにとって、この人間の少年は元凶の種。
アーロを襲ったある不幸も、川に落ち見知らぬ土地に流された事も。
だが、この少年との冒険を通してアーロは逞しくなっていく。
言わば少年は、アーロにとって乗り越えなければならない試練。
性格も真逆。臆病なアーロに対し、怖いもの知らずの少年。
実は、似た境遇でもある一頭と一人。
いつしか絆が芽生えていく。
少年を“スポット”と名付ける。
怖いもの知らずでも自分より遥かに小さいスポット。
小さな友を守る為に、大きな力がみなぎる…。
スリルやハラハラドキドキの連続の冒険。
ユーモアも勿論、悪いものに当たって見たシュールな夢の映像にはウケた。
多種多様な恐竜たちが出る訳ではないが、道中出会う恐竜たちはいずれも個性的。
仙人みたいなトリケラトプス、ワルなプテラノドンとラプトル、そして、粋な“西部のカウボーイ”ティラノサウルス一家。
長のブッチみたいな存在は若者に影響を与える。(松重豊の吹替も良かった)
冒険の終わり、一頭と一人の…。
オチは予想は出来るが、心地よい予定調和の着地。
温かい感動を呼ぶ。
恐れや悲しみを乗り越える力。
それは、何にも勝る“優しさ”という強さ。
最後のアーロは見た目的には変わってないかもしれない。
が、中身は間違いなく父のように大きくなっていた。
余談。
もし地球に隕石が衝突してなかったら、知能が発達し二足歩行の“恐竜人間”なるものが現れていた…という仮説を昔に聞いた事ある。
ドン引くような恐竜人間の予想図。
ああ、本作のような世界で良かった(笑)
大自然と小さき獣
恐竜と人間をひっくり返したのは何故か。
ここに出てくる恐竜社会は、現代の人間社会のコピーだ。
家族、労働、報酬、欲望、暴力は完全に記号化され、記号化された恐竜キャラたちの感情も、それぞれに「こうあるべき」というシステムに組み込まれている。
そんな中、大自然と、家畜化されていない獣(少年)は、システムの外部に存在する。彼らは無言のうちに、たくましい正常さを呼び覚ます。
大自然と小さな獣。神聖さを残したこのふたつが、アーロ目線からの遠近法で素晴らしく表現されている。
現代にあっては、支配されつつある大自然と退治されつつある獣。その小さき獣を人類に置き換えることで、システム化された現代の人間に一石を投じているように思えた。
圧巻の技術力
興収的にはイマイチのようだが個人的には最高に楽しめた。
まずは、なんといってもピクサーの技術力の高さ。終始、違和感なく観ることができる。簡単そうに見えるけどこれができるピクサー本当に凄い。特に今回は雄大な自然の背景をかなりフォトリアルに描いている。リアルな背景にデフォルメされたキャラクターがしっかりと合っていて、素直に感動する。ヒックも同じような手法をとっているのでじわじわとブームになっているのかもしれない。個人的にこの表現方法は大好きなので嬉しい。
映像面もさることながら内容も素晴らしい。出会いと別れ、そして成長と実に典型的だが、見せ方が上手く、非常に感動的に見える。1人で越えられなかった柵を最後には悠々と越える姿には思わず涙がこぼれてしまった。また、ネタ要素としても途中にかなりドラッキーなシーンがあり、腹が痛くなるくらい笑ってしまった。その後、急にシリアスなシーンに入るので切り替えができず、ずっと笑ってしまうくらい面白かった。
総評としては子供から大人まで楽しめる貴重な作品で、ピクサーならではの細かな気配りが感じられる良作だった。あの背景だけでも一見の価値あり。
かわいい子には旅をさせよ
もうすぐ上映も最終日。
スクリーンでの感動し納め。
ぜひ保存版にしたい美しさ…BD買おっ。
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2016.4.11 TOHOシネマズ新宿にて2Dで
2回目の鑑賞なれど
まったく感動は色褪せず
あのシーンのスポットには
またもや泣かされてしまいました。
まるで子供の成長を見守る親の心持ち
ハラハラしながらも手は出せず
アーロの一挙手一投足に
一喜一憂するおいらなのでした。
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2016.3.28 TOHOシネマズ日劇にて2Dで鑑賞
臆病者の成長を追ったロードムービー。
途中見える数々のアクシデントを乗り越え
出会う者たちとの交流に刺激を受け
ひと回り大きなヤツになるという
お約束通りの展開ながら
胸に染み入る作品でした。
積みわらの匂い立つような枯れた色合い
アーロから滴り落ちる水のきらめき…
これはもう実写と見紛うほどの
目を見張る大自然。
四つん這いですばしっこく駆け回る
まんまるな目が愛嬌たっぷりの
表情豊かなスポット。
家に帰り着いたアーロの
どっしりと安定感のある首。
とにかく心に残るシーンがいっぱい!
エンドロールを迎えるのが寂しかったです…
感動( ; ; )
ピクサー平常運転
新宿ピカデリーにて鑑賞。ピクサー作品は、「次こそは失敗してくれるだろう」と毎回思うほど、はずれがないと思います。また、個人的なベスト映画に「トイストーリー」シリーズが入るくらい、大好きな制作会社です。
さて、今回はというと…やっぱり失敗はしてくれませんでした。まず冒頭から目を奪われる美しい映像の数々。特に水の表現は、月並みですが全く実写と遜色ありません。そこに重さがあり、冷たさがあり、流れがあります。アメリカの美しい自然が画面全体に表現され、圧倒されます。これだけでも見る価値十分でしょう(逆に、キャラクターはピクサー特有の愛らしい造形なので、浮いてしまっているかも)。
さて、内容はいわゆる「生きて帰りし物語」というやつで、とても類型的です。悪く言えば、ありきたり。しかし、主人公の成長や友達との絆が丁寧に描かれるので、ストーリーにひきこまれます。おすすめは2人が悲しみを共有するシーンと、バッドトリップ(!)するシーン!前者は落涙必至で、後者は爆笑必至です。ディズニーはダンボやプーさんでもバッドトリップシーンを入れている前科がありますが、ピクサーも負けてません。
名作とは言えないまでも、最後までピクサーの真摯さに圧倒される傑作だと思いました。
小さい子には怖いかも?種族を越えた真実の絆。
【賛否両論チェック】
賛:臆病だった主人公の恐竜・アーロが、人間の少年・スポットとの奇妙な旅を通して、大人へと成長していく姿が微笑ましい。2人が育んでいく確かな友情にも、思わず感動させられる。
否:小さい子には怖そうなシーンが多く、家族サービスにはやや不向きかも。
怖がりで弱虫だったアーロが、危険な旅を続けていくうちに、次第に一回りも二回りもたくましくなっていく様子が、なんだか微笑ましいです。松重豊さん演じるティラノサウルスのブッチが、アーロに語る、
「怖さを受け入れるんだ。逃げも隠れもしないで、乗り越えていくんだ、自分自身を信じて。」
というセリフが、とっても胸に染みます。
そして、そんな旅が出来たのも、人間の少年・スポットがいてくれたから。初めは彼が憎たらしくて仕方がなかったアーロが、苦楽を共にしていくうちに、次第に本当の“絆”を育んでいく姿は、時にホロリと感動させてくれます。
鉄砲水や他の恐竜のシーンは、小さい子にはちょっと怖すぎるかも知れませんので、家族サービスにはやや不向きかも知れません。それでも、笑って泣ける感動の冒険物語に仕上がっていますので、是非ご覧になってみて下さい。
当たり障りが無さ過ぎて困る。
2D吹替版で鑑賞、というより字幕版はまたしても日本公開が無いんじゃなかろうか。
最早日本ネズミーのやり方には開いた口がふさがらない。
ピクサー作品としてのクオリティはクリアしているが、それもギリギリな一本。
今まで何百回と無く観て来たストーリーを、「恐竜と人間」に置き換えてそのまんまやってしまっただけの脚本が残念。
映像もさすがのクオリティ、自然物は「実写じゃないのか?」と思うくらいの出来栄えだったが。
アニメキャラクターとの落差が大きく、違和感が出非常に気になった。
実力は十分わかるが、「デフォルメ」の本質が忘れられているね。
リアルが良いとは限らない。
3D効果を狙って作られた映像も、この日本の、地方では公開すらなく空振り。
なんともしょっぱい花火を見ているようだった。
(特に併映の短編はそれが顕著。)
子供向けらしからぬバッド・トリップの場面は楽しかったけれども。
どうにも「ピクサーの技術力の宣伝PV」のような印象が残って仕方が無い。
ネズミー傘下になってから、明らかに質が低下しているピクサー作品の一例。
「物語る」ことを疎かにしてしまう悪い影響だろうな。
いや、親切顔した拝金団体の日本人家畜化計画なのかな笑
スポットがかわいかった事だけが救いの作品。
あまり面白くなかった
ピクサー恒例の短編アニメも今回は?状態。本編も涙無し笑い無しで盛り上がりもなく終わりました。そもそも恐竜が多数勢力で農耕を行い言葉を喋り、人間は少数で言葉を喋らないという設定自体が残念ながら馴染めませんでした。
克服する事は素晴らしい事
”もしも、隕石が地球にあたらなかったら”そんなもしもから生まれた友情ストーリー。これ思いつくのは凄いと思いました。
今作の恐竜が人間みたく生活するのは発想力ありますね!つか、そーゆー発想持てなかった方がバカなのかな…?どーなの…?
アーロのお父さん名言残しましたよ!それがグッときました!つか、お父さん息子さん思いなのが心温かく感じます。
1つ聞きたい事があるのですが、G指定ですよね?薬物使用を連想させる場面があったと思うのですが…自分はあってもなくても良いのですが周りはどう思うかですよね。
アーロが成長した姿は前見たアーロとはイメージが変わりました。目つきが変わっただけじゃなく、気持ちが入り変わった様にも思え、素晴らしかったです。
自分も苦手なものを克服したらなにが見えるのかとついつい思ってしまいます。アーロを見習って恐怖を克服しようと思いますw
余韻が長く続く。。
定番?
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