ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもののレビュー・感想・評価
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前作に引き続き人となりが伝わる良作
ドロシーご本人の舞台挨拶付きの会を鑑賞した.前作に引き続き人となりが伝わる.50州の美術館に分散寄贈された膨大なコレクションがWebサイト vogel5050.org で見られるのもマル.
舞台挨拶でのネタで面白かったのが,日本滞在中のベストフードが「きじ」のお好み焼きと吉牛とのこと.前作からNY在住でもヤッピーぽくない感じだったが,大阪との相性がよほど良かった1?
壮大なプロジェクト。
前作からの続編。
気付いたら伝説的アート・コレクターになっていた夫妻のその後を
さらに寄贈を広げたプロジェクトを中心に描いている。
前作で膨大なコレクションをナショナル・ギャラリーに寄贈したのだが、
そこには収蔵しきれず、今度は全米50州の各美術館に50点ずつ
寄贈するという“50×50”と名付けられた壮大なプロジェクトへと発展。
関わる夫妻の表情や、画家たちそれぞれの想い、授かった美術館の
喜びの声などを交えながら中盤までを描き、後半では夫妻の人生の
最終章を静かに見守っている。
かなり高齢になってもアートへの意欲が衰えない二人に目を見張る。
しかし身体の衰えは顕著で、車椅子に乗る小さなハーブと、
それを押しながら歩くドロシーの曲がった腰が、かなり痛々しい。
しかしパソコンを操りながら、美術館への苦言を呈するドロシーの
勢いは、さすが全米屈指のコレクターである誇りに満ち溢れている。
自分達の愛する作品が、どうかそのまま多くの人の目に触れるよう、
最善の努力を怠らない双方のやりとりが非常に好ましい。
彼らによって発掘されたアーティストも数多いことを思えば、やはり
好きこそがすべてのはじまり。であることを確信させられる。
ハーブ亡き後のドロシーが総ての絵を寄贈し、外した部屋の風景が
長年二人で培ってきた人生の歩みをはっきりと映し出している。
(理解あるよき伴侶を得て、ハーブは本当にいい人生だったと思うよ)
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