劇場公開日 2013年4月20日

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セデック・バレ 第二部 虹の橋のレビュー・感想・評価

全12件を表示

4.0風のように戦え

2024年7月16日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

 第一部は分かりやすかったが、この第二部の終盤は敵と味方の区別が難しくて若干評価が下がってしまいました。山岳地帯のゲリラ戦。地の利があるセデック族の強襲は凄まじかったが、霧社では圧倒的多数の日本軍が巻き返しを図る。それというのもモーナ・ルダオと対立しているタイモ・ワリス率いるタウツァー社が日本軍に力を貸していたからだった。

 同族なのに協力せんのかい!と、思ってはみたもものの、頭目モーナを筆頭に主導者たちは全滅を覚悟していたようだし、女たちは投降するくらいならと自決を選んでいたからだ。これも戦争の一幕だし、女たちの立場はいつの世も弱く悲しい物語が感じられる。しかし、子どもたちは違っていた。険しい山林であっても遊び場のように自由に動き連絡係として活躍し、さらには襲った日本軍武器庫から武器を奪い戦闘に加わるシーンも描かれていた。

 敗れることはわかっていながら、日本の戦国時代のように潔く自決の道を選ぶところ。武士道精神が彼らにも受け継がれていたのか?この点では日本人でも共感できる部分が多いのだろう。戦闘機、大砲、毒ガス攻撃・・・日本の戦力は彼らにもわかっていたのだ・・・

 第一部では反乱を起こす昂揚感がメインであったが、第二部では戦争の激しさと虚しさが描かれていたように思う。そして立場の弱い女たちの悲しさ。さらにはセデック族の遺伝子を後世に残そうとする生存本能。決して英雄視するだけの戦争映画ではなかった。同化教育は結局失敗する。文明を取り入れてやったのに・・・という日本側の傲慢な姿勢は批判されるべきであり、戦時下ではなくとも改めなければならないと痛感しました。

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kossy

4.5アイヌ民族に対しても、日本は弾圧をしている。『コシャマインの戦い』『シャクシャインの戦い』と言う

2022年7月1日
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鑑賞方法:VOD

 アイヌ民族に対しても、日本は弾圧をしている。高校2年生の歴史で習ったと思うが『コシャマインの戦い』『シャクシャインの戦い』と言う。そんな歴史を無視して、日本は単一民族国家だと言う。もっとも、台湾は正確には日本の領土ではないし、中国の領土でもない。台湾の歴史は正確には知らないが。
国民党が、大戦後台湾に逃れて、樹立した漢民族政府だし、日本にとっては明治よりも前は、間に琉球王国があった。これも高2の日本史で習う。
高砂族を、単純に、首狩り族とか野蛮人とか差別しているが、この映画の様な歴史があった事を知らないのは、日本人として恥ずかしい。勿論、日本軍がこんな事をやったか、やらなかったかは別の話。あくまでも、台湾を武力で統治していた事実を知っておくべきだと申しあげている。
この首領のカッコ良さなんて関係ないし、英雄視したくない。また、首を斬ると言う行為もやっていたのだろうから。しかし、日本人だって、切腹を世界から野蛮視されているが、日本人全てがサムライな訳ではない。個人を英雄視するのではなく『そう云う事件があったと知るべき』と申しあげている。

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マサシ

3.5戦いを俯瞰するもう一つの視点

2022年2月6日
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1.2部を続けて鑑賞。

侵略統治を正義と信じて疑わない日本軍と、誇りのためであれば女子供の殺戮も辞さないセデック族の血みどろの抗争。それだけであれば「悲惨な史実から目を逸らすな」みたいな平板なメッセージしか伝わってこないんだけど、そこにセデック族の女たちという視点が加わるためうまい具合に立体感が生まれている。

女たちは基本的には男たちに従順に奉仕する良妻賢母であり、彼女たち自身もそこにある種の誇りを持ってはいる。しかし男たちが何も言わずに一斉蜂起をした際には「どうしてこんなことを!」と涙ながらに反感を露わにした。「日本軍/セデックの戦士たち」という対置構造が誇りとか伝統とかいった観念的なものを軸にしている一方で、「戦う男たち/虐げられる女たち」というきわめて身体的な不安や恐怖を軸とした別の対置構造がここにはある。

誇りをかけた戦いにはもちろん大きな意義があるけれど、そこへ共同体の生命まで賭けてしまうことに対するメタ的な視点がなければ、作品は容易にプロパガンダへと堕してしまう。セデック族の戦士たちが直面した危機に同じ目線で寄り添いながらも、彼らに疑義を投げかけるものとしてのセデック族の女たちの心境も同時に汲み取っているからこそ、本作には単一の二項対立を超越した奥行きが生まれているんじゃないか。

とはいっても日本軍将校の「彼らには我々が失ってしまった武士道の精神があったんだろう…」的なセリフはかなり軽率だと思う。あとは頭目のモーナ・ルダオが仲間たちを置いて一人だけ森に消えていってしまったのもなんだかなあという感じ。戦いの責任を取ることよりも民族共同体としての威厳を存続させることのほうが重要ということなんだろうか。しかしそもそもこの戦いの発端は頭目のモーナ・ルダオなのだから、それはさすがにどうなん…?と思ってしまう。

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因果

3.5日本統治下の台湾で起こった先住民族セデック族による抗日暴動「霧社事...

2019年9月8日
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鑑賞方法:映画館

日本統治下の台湾で起こった先住民族セデック族による抗日暴動「霧社事件」を描いた歴史大作2部作の後編。

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てかる

4.0未来を生きる皆様へ

2016年6月21日
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長い話ですよね。しかも邦人が、切り株にされるので、コケて当然。それでも観てほしい。事実と違うそうですが、初公開して久しい本作が、未だ劇場公開されるのも、事実です。感動する必要は、ありません。批判するのも、良いことです。反対意見が粛清される世界に、未来はありません。人は自分の正しさで、世界を割り切ろうとするもの。ただその尺度が、お隣さんと違う時、どうするべきでしょうか。隣人を無償で愛しなさいとは、言いません。それでも、正義と云う尺度で、隣人を断罪する時代に、終止符が打たれる未来が、望ましく思えてなりません。本作を首狩り族と、帝国主義者の蛮行と見るか、虹の橋の先に、希望を見るかは、未来を生きる皆様に、委ねるとしましょう。

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機動戦士・チャングム

3.5この歴史を忘れるな

2015年5月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

日本統治下の台湾で起きた台湾先住民族セデック族による坑日運動“霧社事件”を描いた2部作からなる歴史大作。
第二部では、日本軍の反撃で次第に劣勢になり、戦いに参加したセデック族の悲しき末路を描く。

第二部はちょっと粗い点が目だった気がした。
第一部はドラマ的にメリハリあったが、第二部は戦いがメインとなり、少し間延び。
史実との相違も。日本軍の近代兵器の反撃でセデック族は瞬く間に劣勢、日本側の死者は兵22名、警官6名と記録されているらしいが、映画ではセデック族はまだまだ強さを誇り、日本側の死者もおびただしい。
安藤政信はセデック族に理解ある軍人なのだが、どうも立ち位置が中途半端。
日本軍に助力する(させられる?)セデック族が参戦、どっちがどっちだか混乱。
終盤、家族もろとも自決するセデック族、散々セデック族を敵視していたのに「大和魂を見た」と心境変化する日本軍司令官など、それらの描写をもっと深く描いて欲しかった。

でも、決してつまらなかった酷評レビューではない。
見応えは言うまでもなく、映画の大部分を占める戦いのシーンはさながら「ランボー」+「プライベート・ライアン」のような迫力。

多くの者が死んだ。
多くの血が流された。
許されない罪があった。
正当化されない残虐な行いがあった。
繰り返してはいけない過去。歴史。
この哀しみの中から、学ぶべき事、語るべき事、忘れてはならない事はある。

総4時間半の長尺。
見る時は是非一気見で!

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近大

4.5実際は凄惨な弾圧戦だったと思われるので多少ファンタジーを入れないと観てられないのだろう

2015年2月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

映画ではそれなりの善戦に描かれてたが鎮圧線での日本側の犠牲者は30名弱(日本側の記録)なので,実際は凄惨な弾圧戦だったのだろう.化学兵器やら対立部族による首刈り容認までしたのだからねぇ.

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ykono

3.0台湾セデック第2部

2014年5月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

超武闘派部族の抗日戦第2部。逃げずに戦うあるいは自決。女、子供も自決。不屈の精神とかではなくては、圧倒的な部族としてのプライドが一切の屈辱を許さないし、先祖が虹の橋の向こうで待ってるという伝承が足を止めさせない、容赦無く前に進み続ける感じ。第1部の設定説明的な部分がなくなって、自決、戦いを繰り返す感じはかなり楽しめる。この楽しめるというのが、ミソで、永遠の0だろうとなんだろうと、大戦ものの日本映画は殆ど見ていられないのは、テーマのかったるさではなくて、単に活劇として成立していないからで、4時間それなりに見せるのはやはりそれなりなのだ。

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ssspkk

3.5知らなかったでは済まされない歴史的事件

2014年3月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

難しい

自分の無知を晒してしまうようだが、この作品の元になっている霧社事件については、この作品を観るまで全く知らなかった。
(台湾の歴史については、日本統治時代が終わって、中国本土から渡って来た人々外省人と元々台湾で暮らしてきた人々内省人の対立をホウ・シャオシェン監督作品で見てきたつもりだったが、それ以前の時代、それも少数民族の歴史となると…。)
自分が生まれ育った国が過去に何をしてきたのか、これを知らなかったでは済まされない。台湾国内でも製作にあたってはプリ・プロダクションの時から多くの困難があっただろうことは想像に難くない。日本人の描き方についても、一方的に悪役として描くのではなくとてもフェアに描かれていて、例えば、『鬼が来た』を観たときのように非常に居心地の悪い思いをせずに済む。
知らなかった歴史的事実を教えられたという意味でも、日本人の描かれ方についても、この作品が作られたこと自体、非常に有難い作品であることは確かである。
しかし、この作品を絶賛することが出来ないのは、戦って死ぬことを良しとするセデック族の精神性に共感出来ないからで、彼等の姿は、どうしても負けると分かっている戦争に突き進んでいったこの国の姿に重なる。
特に、まだまだ大人に守られる存在である少年までが戦う姿には心が痛むし、あってはならないことだと思う。

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arakazu

5.0戦争のリアルって、こういう事でしょ?

2014年2月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

1930年、日本軍統治下の台湾で起きた霧社事件の話(後編)。大半が戦闘シーンと自決シーンという、とてつもない内容!息をする暇がない!
ただこの映画の凄いところは、“死”ではなく、“生き様”がしっかりと描かれている点。
これは歴史的な傑作だと思う。

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サケビオース

3.5こっちは戦闘編

2013年5月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

 二部は、ずーと戦闘シーンです。ゲリラ戦。たくさんの人が死に、段々と仲間が減っていきますが、彼らは悲しみを抑えつつ勇敢に戦う。虹の向こうへ死ねば行ける、と考えているから。虹の向こうは先祖が暮らしている平和な土地、そこでみんな幸せに暮らしている。浄土思想に近いものです。敵の首を狩らないと浄土に行けないのが、ネックポイントでしょう。これがもし敵の首を狩らなくても浄土に行けたのなら、反乱自体なかったのではないでしょうか。
 敵を打ち取れば大人になれる、大人になれば虹の向こうに行ける。だから敵を倒したことがない子供は大人にしなければならない。子供は敵を倒さないといけない。この敵が、かつては敵族だったのですが、日本統治以後は日本人になった。
 史実によれば、戦闘による日本側の戦死者は味方蕃を含めて五十人ほど。脚色されているのか、それとも史実が違うのか、ずいぶんと日本の戦死者が多い描写でした。映画だしエンターテイメント性を計ったのでしょうか?

 物語の中で、やはり注目すべきは蕃族でありながら日本の警官になった、花岡一郎と花岡二郎。反乱成功後、責任感か、罪悪感か、自害してしまいます。

 刃向っても勝てないことをしりつつ刃向うのは、先祖、祖国に報いる為、今この生を散らしてでも一矢報いるべきという武士道に通じます。さっぱりして、すがすがしい。日本人なら好きな考え方。

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いずる

5.0まだまだ上映中、これからの地域ではぜひ!

2013年5月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

難しい

日本人の圧政に抵抗して、反撃した台湾原住民たちがどうなったか…。
本作の2部では、それが描かれている。

主人公をはじめ、ほとんどのキャストが素人を起用したという。
その彼らが実にすばらしい。

この映画、2013年日本で公開されるすべての映画の中のベスト1としていいんじゃないか。

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町谷東光