「グッとくる」人生、ブラボー! いずるさんの映画レビュー(感想・評価)
グッとくる
『533人の子供』と聞けば奇想天外なコメディのように思いますが
そうじゃなくて、きちんと描写してある人間ドラマ。
もちろん面白いシーンもたくさんありますけど、やりすぎていなくてクスッと笑える感じ。
ちょうどいいバランスです。
勤務態度が真面目でなかったり、初っ端から借金取りにバスタブに沈められそうになっていたり
一見ただのクズに見えるダビッドですが(いやほぼクズかな・・・・・・)
訴訟にあたり142人分のプロフィールを渡され
恐々一人の子供の写真を見て興味を引かれ、芋づる式に他の子供たちにも会い、関わりを持つうちに、彼らの悩みや問題にも関心を示してなんとかしてやりたいと行動する。
意外に 『誰よりも心が温かい』 人物のように映ります。
周りの 『子供なんていらない、子供なんて邪魔』 という態度と対比されて余計に際立つ。
『自分の選択は正しい事が少ないから、正しいか教えて』 という考えも十分特徴的で素敵だと思うんですけど、そこから
『自分の人生は自分で決めないと自分が正しい方へ進めない』 という考えに変わって
ああ、なんて勇敢で素敵なの!と震えました。(言いすぎかもしれません)
空のシーンが印象的でした。
碧と黄色の夕焼けが空一面を染めて
黒々とした船着き場の影や、遠くの湖畔の淵
立ったり座ったり、酒瓶を片手に穏やかな時間を過ごしている人影が空を切り抜いている。
このシーンだけでも見る価値があります。
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