「トム・クルーズ、死にゲーに挑む。 面白い設定だが、それを活かしきれず…。」オール・ユー・ニード・イズ・キル たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
トム・クルーズ、死にゲーに挑む。 面白い設定だが、それを活かしきれず…。
予期せぬ事態によりとある特殊能力を手に入れた男が、その力を使い「ギタイ」と呼ばれるエイリアンに戦いを挑むというSFアクション。
脚本は『ユージュアル・サスペクツ』『ツーリスト』の、オスカー受賞経験もある名匠クリストファー・マッカリー。
米軍のメディア報道官、ウィリアム・ケイジ少佐を演じるのは『トップガン』『ミッション:インポッシブル』シリーズの、レジェンド俳優トム・クルーズ。
「統合防衛軍」最強の兵士、リタ・ヴラタスキ軍曹を演じるのは『プラダを着た悪魔』『LOOPER/ルーパー』の、名優エミリー・ブラント。
原作は小説家・桜坂洋が2004年に刊行したライトノベル「All You Need Is Kill」。この原作は未読。
日本のライトノベルがハリウッドに上陸!しかも主演はあのトム・クルーズ!原作者もこれにはビックリした事だろう。
ジャンルとしてはいわゆる「タイムループ」もの。
同じ時間を繰り返すという、日本のサブカルでは超定番のあれ。
本作の大変ユニークな点は、それをまるでテレビゲームにおける「死亡→コンティニュー」のように用いているところ。
高難易度で、プレイ中何度も死ぬことを前提に作られたゲームを「死にゲー」と呼ぶ。フロム・ソフトウェアの大人気シリーズ「DARK SOULS」(2011-2016)なんかがその代表例ですよね。自分はプレイしたことないけど。
何度も死ぬことによって戦いの感覚や攻撃のパターンを覚え、徐々に徐々にステージを攻略していく事でゲームクリアーを目指す。「こんなん絶対無理だろっ!」と思えるボス敵やステージを、経験の積み重ねによって乗り越える。それこそが死にゲーの魅力である。
本作におけるトム・クルーズは、まさにそんな死にゲーの主人公を演じている。チュートリアルすら教えて貰えずに戦場に放り出されるトムが、とにかく死んで死んで死にまくって、そうすることでだんだんと攻略法を見出していくというのは、他の映画では決して見られない本作独特の面白さである。戦場に到着する時の着地が、だんだんとスーパーヒーローっぽくなっていくところが熱い!!
また、死にゲーの世界をリアルに置き換えると、過酷すぎてほとんどギャグ漫画みたいになっちゃうよんということをこの映画はまざまざと観客に見せつけてくれる。
トム自身がインタビューで本作のことを「キャラクター・コメディ」であると述べているように、この作品の前半は完全にコメディ映画。あの完全無欠のスーパースター、トム・クルーズがヘタレを演じるというのも衝撃的だったが、そのトムの無惨な死に方の数々は完全にギャグ🤣いざ戦闘だ!というタイミングでトラックに轢かれたり、腕立てからゴロゴロっと逃れたらトラックに轢かれたり…。露悪的なブラックユーモア全開って感じがとっても楽しい。
戦闘用のパワードスーツもコメディ要素の大切な一部。本物にこだわるトムは、このスーツももちろん実物を用意。その重さは実に55kgに達するとか。
こんな重たいもんつけてるから、動きがとにかくえっちらおっちら。この動きが面白いから、凄いシリアスな場面でもなんか笑えちゃう。
えっちらおっちら戦場離脱を図ろうとするトムが捕まるところなんて、なんかもう面白いを通り越して可愛い💕
本当に本作は、その動きにしろ死に方にしろ、コメディアンとしてのトム・クルーズの才能が最大限に発揮されていると思います!
…超余談だけどこのスーツを見ると「スーパーマリオブラザーズ」に出てくるハンマーブロスを思い出してしまう。なんか似てない?
とまあこのように、実写版死にゲーな前半はめちゃくちゃ楽しかったのに、後半になるとこの死にゲー要素がなくなってしまい、何万回も見たことがあるような、平々凡々なSFアクションになってしまう。
そして敵も味方も面白みに欠ける奴らばかりなので、全く盛り上がらない。
そもそも本作、タイムリープの仕組みとか「ギタイ」の説明とかがさっぱりよくわからん。ぶっちゃけなんでルーヴル美術館に大ボスがいることがわかったのかとか、その辺のことが一切理解できない。
そんな状態だったので、ラストバトルとか言われても「あっそう」って感じで全く燃えなかった🌀
もっとわかりやすく、あのノルマンディーを超えた先に大ボスである超強いギタイが待ち構えており、その大ボスを死にゲー的手法でやっつける、とかそういう展開にした方が良かったんじゃないかな?
大ボスの居所を突き止めたのはご都合展開だと思ったが、クライマックスもやっぱりご都合主義的。
なんか無理やりハッピーエンドにしていたけど、どういうことかさっぱりわかんねえっつーの。
見ようによっては永遠にギタイとの戦いが終わらない、という風なバッドエンドとも解釈出来るけど、それは流石に捻くれて受け取りすぎですよね…。
本作の前年、『オブリビオン』(2013)というこれと似たようなSF映画にも出演していたトム。そっちも良い話なんだかそうじゃないだかよくわからないハッピーエンドだった。この頃のトム・クルーズは色々と新機軸を模索していたように思うのだが、少なくともSF映画を作ることに関してはあまり得意じゃないのかも知れない…。
事程左様に、前半はサイコー!!…なんだけど、後半までその勢いを維持する事が出来なかった、というのが率直な意見。トータルで見ればまあまあの映画って感じ。
とは言え、トム・クルーズのヘタレ演技を見ることが出来るというだけで十分に価値のある映画だと思う。
そしてもう一点、この映画のエミリー・ブラントはマジで魅力的😍腕立て伏せ姿の彼女がセクシーすぎて、マジで夢に出てきました♪
エミリー・ブラントのファンは必見の映画だと思います。オススメ笑!
たなかなかなかさん
「 赤い闇 〜 」、かなり刺さる作品でした。機会がありましたら是非。
電話で問い合わせをし、速攻で隣の駅に向かったので、気分はミッション;インポッシブルでした 😎 … (笑)
たなかなかなかさん
レディー・ガガ、なんですね 🤔
「 赤い闇 スターリンの冷たい大地で 」で、素敵な女優さんだなぁ、と。
主演のジェームズ・ノートンの熱演に参りましたが。
パンフレット、私も基本購入しないのですが…「 トップガン マーヴェリック 」はゲットしました 😎
鑑賞した劇場では完売だった為、隣の駅の劇場迄足を運んで買ってしまいました。
長語り、失礼致しました。
たなかなかなかさん
7月21日公開予定の「 ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE 」の予告編を今観てみたのですが、予告編だけでもOH〜‼︎ですよね 👀
トム様と同じ時代に生きていて良かった。
またパンフレットの争奪戦ですね 😎
たなかなかなかさん
あのスーツ、55キロもあったのですね!
トム様自身が 「 キャラクター・コメディ 」と…。スーツに身を包んだトム様の笑顔を思い出し、今更ながら納得。
お詳しいですね!有難うございます。