劇場公開日 2014年7月4日

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「この設定で、たっぷりの人間ドラマとは!」オール・ユー・ニード・イズ・キル とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0この設定で、たっぷりの人間ドラマとは!

2019年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

萌える

ループを繰り返す。自分の死を何度も繰り返す。そしていつの間にか守りたいと思うようになった人の死を体験することを何度も繰り返す。なんて切ない、やりきれない。
ケイジにとっては知っている人も、相手にとっては初めての自分…。なんて切ない。
こんなに命かけて頑張っているのに、周りは知らない。信用もない。なんて切ない、やりきれない。

よく自暴自棄にならないものだ。(途中でやけくそになっていますが)

リセットしてやり直そうと立ち上がることも必要だけど、記憶は、感情は蓄積されていく。
悪夢の世界。
唯一心が折れないでいられるのは、次こそ守れるはずだ、守ると己に誓う心。愛する人の心には別の恋人がいて、自分のことは”兵器”としてしか見ていないけれど、でもそんなことは関係ない。守ると決めたんだから。ああ、切ない。

その悪夢の世界が終わった時…あのラスト。心が満たされる。どんな感情で?それは観てのお楽しみ。

そんな感傷的なストーリーが、小気味良い展開、唸ってしまうアクション、ユーモアに彩られて魅せてくれます。

一つ一つのエピソードも「えっ?!それだけ?」の短いショットで綴られていく。それで話を繋いでいくので、展開早すぎて、もっとじっくり見せてほしいとも思うけれど、へたするとだれる。そのぎりぎりのところで展開していく。そのエピソードが出てきた状況については観る人の空想に任せられる。そんな演出・編集の妙。そしてその短い場面の演技で魅せて下さるトム様はじめとする役者さん達の演技の妙。それらが絶妙に絡み合って、あっという間に終盤に。

女性教官と言えば、『トップガン』を思い出してしまうが、テイストはかなり違う。若かったトム様も良かったけれど、今のトム様の方が魅力倍増!!!役者としての幅も人間的魅力も拡がったと思います。

とみいじょん