「日本のサブカルを本気で実写化したら凄いことになった」オール・ユー・ニード・イズ・キル 2501さんの映画レビュー(感想・評価)
日本のサブカルを本気で実写化したら凄いことになった
本作は日本原作で、内容はループ系のSF戦記です。
ループもの自体は日本のサブカルではよくある話で、それをハリウッドが本気で実写化したのが本作です。
何度も殺され、その度に攻略法を見出し、次のステージへと進む。
高難易度のTVゲームをしているような展開です。
戦場に出たくない一心で広報関係に逃げたトムクルーズとしては異色なヘタレ主人公が、激戦の中で磨き上げられていくさまは痛快でした。
ループの原理や条件等がおざなりにされず、ストーリーの芯にきっちりと絡められていたのも評価できます。
ただ、パワードスーツのデザインがなんだかいまいちでした。
もっと漫画版のような重装甲なデザインにして欲しかったです。
また、これは規制なのかもしれませんが、ダメージ描写が緩くて敵の強さがいまいち伝わってきません。
敵は早送りしているような速度と変幻自在の動きをしているのでその点は良かったのですが、人間側のダメージ描写が薄いので「今の人投げ飛ばされたけどあの程度なら生きてるんじゃない?敵の攻撃緩くない?」と思う場面が幾つもありました。
そういった不満点はありますが、ストーリーはきっちりと締まったハッピーエンドでしたし、序盤の激しい上陸シーンや主人公の特訓シーン等見所も多いです。
本作の原作は日本のライトノベルでお世辞にも知名度は高くありませんでしたが、そんな作品を原作を映画化した結果、3億ドルの大ヒットになりました。
日本のサブカルは本当にジャンルが豊富で、探せば同じような金塊があるのではないでしょうか?
アメコミが次々と実写化されて概ね成功を納めていますが、日本のサブカルももっと発掘されるべきだと思いました。
過去を舞台にした次回作も制作されているようですし、期待して待っています。