「死んだらリセットしてやり直せるのはわかるけど、特に説明がなかったし、ゲームではなく映画なので、主人公が死んだ後の世界も、同時に存在しているような気がした。」オール・ユー・ニード・イズ・キル Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
死んだらリセットしてやり直せるのはわかるけど、特に説明がなかったし、ゲームではなく映画なので、主人公が死んだ後の世界も、同時に存在しているような気がした。
原作は読んでないので、どの程度原作どおりなのかまったくわかりませんが、リメイクでなく、アニメでもなく、原作からいきなりハリウッド映画になるものはめずらしい。
こういう場合は、だいたい原作のストーリーのコアな部分や、設定だけぬいて作り、原作など知らないと、とぼけるパターンが多い。
リメイク的な映画でも、このパターンになることがあるのに、正々堂々と、日本原作と表示しているのが、いさぎよくて、気持ちいいです。
微妙なところで、ポスターに書いてあった小ネタ「FULL METAL BITCH」(こういう映画作ってほしい)が面白かった。
「ALL YOU NEED IS KILL」という題名もいい。
思わずビートルズの歌をLOVEをKILLに変えて歌ってしまった。
内容はいつものエイリアン戦争物に、タイムループが加わったもの。
エイリアンに関しては、いつものパターンで、特にないけれど、タイムループがよかった。
ゲームみたいに、死んだらリセットして、また初めからやりなおせる。
リセットすれば展開が予測できるし、武器や装備の使い方にも慣れてくるので、どんどん強くなってステージが進んでいく。
リセットすると必ず最初に戻るのかと思っていたけど、ステージが上がってくると、さすがに途中からになったり、間を飛ばしたりと、いろいろ工夫された演出で、マンネリ感もなく、速度がどんどん上がっていくようなスピード感があった。
死んでもリセットできるとなると、緊張感がなくなりそうだけど、同じところで何度も死にたくないとか、ここまできたのだから死にたくない、少しでも先にいってから死にたいみたいな、ゲーム的緊張感があり、最終ステージは、リセット不可能の一発勝負の状態になって、普通の映画の緊張感みたいなものもあった。
でも、やっぱりゲームではないし、すごい荒業なので、死ぬ時はやっぱり痛かったり、苦しかったりするのだろうか?とか、主人公が死んで、タイムループした世界のその後は、やっぱり滅亡したのだろうか?残された人々はどうなる?とか考えてしまった。
普通に考えると、死んで元に戻るということは、タイムスリップして、ひとつしかない世界の未来そのものを変えてしまうというより、無数にあり同時進行しているパラレルワールドの、別の世界を新しく作っているということのような気がする。
それだと、世界を救ったというより、無数に存在するパラレルワールドの中で、エイリアンに勝って、人類が滅亡しない世界を一つ作っただけ、ということなのでは・・・?