「ストーリー紹介のニュアンスがだいぶ違う」セブン・サイコパス うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリー紹介のニュアンスがだいぶ違う
レビューのストーリー紹介を見てから、鑑賞しました。
ネタに行き詰まった脚本家が、サイコパスを募集し、応募してきたサイコパス共に翻弄されるバイオレンス、コメディ。みたいな映画紹介になっていますが、全然違います!
「殺人者たち」とでも言い換えたほうがふさわしいのではないかと思いますが、とにかく冒頭からスタイリッシュに殺人が繰り広げられ、それがカードのように7つ揃っていくという展開。かと思わせておいて、変り種のベトナム人僧侶の復讐譚などもインサートされ、ラストまで飽きさせずに話は進んでいきます。
といっても、柱になるのは、行き詰まった脚本家コリン・ファレルの友人だが実は殺人鬼のサム・ロックウェル。犬を盗んで飼い主に返すことで小金を稼ぐクリストファー・ウォーケン。愛犬を探すのに手段を選ばない残忍なマフィア、ウディ・ハレルソン。の繰り広げる抗争劇が主体で、むしろ、コリン・ファレルはいなくてもいいんじゃないかと思うくらいに何もしません。
間に、こんな殺人鬼もいるよ的にいくつかの殺戮シーンがインサートされていきます。時に、優雅に、そして感傷的に。それが、応募してきたサイコパスたちの体験談によるもので、公式のストーリー紹介だと、脚本家の周りに異常者が7人集まってきて困り果てる。みたいに受け取れてしまうのです。
もしも本当に脚本家の身の回りでこんなことが現実に起きているのなら、それこそネタに行き詰まることはないでしょうし、あくまでも狂言回し的に困惑する主人公の周りで、悲しい攻防が繰り広げられ、決着を見るという、いっぽん筋の通ったストーリー。
とくに、クリストファー・ウオーケンの名演は必見です。
2015.3.14
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