「人との出会いは、自分の財産だと思う。」ウォールフラワー smallbearさんの映画レビュー(感想・評価)
人との出会いは、自分の財産だと思う。
戻りたくなるような幸せな時間も、消えてなくなりたいような苦しい時間も、そのひと時だけでもう一度繰り返すことはない。学生時代のいざこざも、当時は重く受け止めていたけれど、今思えばあれはなんだったんだろうと思うくらいくだらない。そういう風に思えるくらいになるのは時間がかかるけど、あの日々より苦しくて退屈な日々はないから、今の生活の糧にはなっているとは思う。
誰かに存在を気付かれて、いじめられたりからかわれたりするくらいなら、いっそ存在しないものとして自分を扱ってほしいと思ったことは誰にでもあると思う。でもそれはとても悲しいことで、本当は誰かに自分の存在を気付いてほしいと思っている気持ちの裏返しだとも思う。
タイトルの’ウォールフラワー’の壁の花というのはとても綺麗な言葉だなと思う。ただの壁ではなくて、地味でも花は花で、誰かが来るのをじっと待っているようにも感じるし、踏み出すタイミングを見計らっているようにも感じる。自分の人生を楽しむには自分次第ってことなのかな。
チャーリーはそういうタイプだったからこそ、サム達に出会えた。自分と似たようなタイプの友達といたら、絶対に知り合いになることはなかったと思う。自分の殻を破れるような、破っても良いと思えるような仲間に会えたことは幸運だと思う。
パットリックのような自由奔放なタイプは、実は人一倍繊細で傷付きやすいと思う。いつも周りを見て、みんなが楽しめるように率先してその役を買って出ている気がする。元々陽気な性格かもしれないけど(笑)自分は同性愛者だと堂々としているパトリックと、親や友達に隠しながら生活しているブラッド。二人は仲違いしてしまったけどどちらも幸せになってほしいと思いました。
自分の苦い学生生活を思い出すような、でも友達との良い思い出も蘇ってくるような、素晴らしい映画だと思います。
ハリーポッターシリーズが好きなので、エマワトソンとエズラミラーが共演していて嬉しかったです。(笑)