あれからのレビュー・感想・評価
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彼女にとっての事実、私たちの真実
とても静かな、そして奇妙な映画だ。多くの「震災映画」は、物理的な事実を生々しく描き出そうとした。その一方で本作は、物語のヒロインにとっての事実、心の中で起こった事柄を丁寧にすくい上げ、観る者の記憶に留めようとする。彼女の同僚が、震災後も淡々と日常を続けていることへの違和感を口にする。けれどもスクリーンの前にいる私には、彼女たちさえも日常から遠く見えた。震災の起きた世界、彼女たちのいる世界、私たちがいる世界。それはすべて異次元でパラレルに存在しながらも、ときに重なり合い、すれ違う。
物語の辻褄はきちんと合っている。けれども、現実と虚構の境界はあいまいで、互いに侵食し合う。特に印象的なのは、ヒロインの部屋に貼られた青空のポスターだ。あるものを覆い隠すために貼られているそれは、時に本当の空のように映り、時に書き割りのように薄っぺらく見えた。そして、パーティー中に彼女にだけ散りかかる、桜の花びら。けれん味がありすぎるようにも感じたが、彼女にはそれが必要だったのだ。「あり得ない」あれこれが、不思議に現実みがある。彼女が夢で逢う恋人は、ある意味彼女と本当に出会い、言葉を交わしたのかもしれない。
もしかすると、この物語は、目覚めぬ者の見た幻、願望なのだろうか。恋人は死んでおり、ヒロインも命を落としたか、昏睡しているのかもしれない。そもそも、彼女たちは、誰ひとり実在しないのかもしれない。彼女たちは、どこかフワフワとしている。(私自身、震災をきっかけに、こうして日々を過ごしているのは夢で、本当の自分はどこかに横たわっているのでは、いつか醒める夢なのでは、という思いに時々囚われる。)
現実かそうでないかは、大した意味を持たない。誰かにとっての真実にふれることが大切であり、今の私たちに必要なのだ。不穏さ、引っかかり、違和感。それらを抱え、私たちは生きていく。
やっぱり訳わからん
東日本大震災の時、東京で暮らす祥子は、被災地に行ってる恋人・正志と連絡が取れなかった。正志は入院しているはずなのに祥子の前に姿を現わしておかしな行動する。これは夢なのか・・・という話。
東日本大震災3部作の最初の作品らしいが、これも意味がわからなかった。
この監督、もっと観賞者がわかる様に作って欲しい。自己満足のようでさっぱり理解出来ない作品ばかりでおかしい。
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