「人助けという名の正義」トールマン arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
人助けという名の正義
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かつては鉱山で栄えた街も、その鉱山が閉鎖されて6年、失業、人口流出、貧困と寂れ続ける一方だった。そして、子どもがひとりまたひとりと忽然と姿を消すという更なる悲劇が街を襲う。人々は謎の誘拐犯を“トールマン”と呼び恐れていた。医師の夫亡き後、ひとりで診療所を切り盛りするジュリアもそんな街の状況を憂れるひとりだったが、ある晩、彼女の息子デビッドが姿を消す。
“トールマン”は本当に存在するのか?
子供たちはトールマンが誘拐したのか?
というミステリーなのだが、
“トールマン”の正体については二転三転。
真相は意外なものだったが、
ジュリア(やその“組織”)がやったことについては、手放しで賛成出来ない違和感が残る。
それは、子どもを救うにはまず大人たちの状況を変えるという視点が欠けているためだ。
子どもを誘拐するという極端な方法を取るまでには、それなりの逡巡があっただろうと想像は出来るが、それでもこれが本当に許されるのか?正義なのか?
子どもたちが置かれている厳しい状況についてもっと描写あれば、という指摘も出来るだろうが、そこを敢えてやらなかったというのは作り手の意図ではなかったか?
何が正しいのか?私達に考えさせる為に。
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