「切ないね。」真夏の方程式 りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
切ないね。
原作は、すでに読んでいる。
でも、程よく覚えていて、程よく忘れていたので、作品の世界を楽しめた。
今や、福山雅治さんの代名詞ともなった「ガリレオ」こと天才物理学者・湯川学。
彼が事件の謎に迫る劇場版第2作目。
とても見応えのある人間ドラマだったと思う。
美しい海の底に眠る資源の開発を巡り、人間たちが揺れる玻璃ヶ浦。
計画の説明会に招かれた湯川。
その湯川が泊まる「緑岩荘」で、夏休みを過ごす少年・恭平。
翌朝、緑岩荘の宿泊客で、元捜査一課の刑事が死んでいるのが、発見された。
事故か、殺人か。
事件に関わる緑岩荘を営む川畑家の秘められた過去が、いつしか明らかになっていく。
いつもは、非論理的だからと言って子供は嫌いで、ジンマシンが出る湯川
だが、今回の恭平との関わりは、意外なほど、父性を感じさせる。
理科嫌いの恭平に、化学の手ほどきをしたり、恭平の将来を慮って、行動する湯川が新鮮だ。
でも、言葉使いは、相変わらずぶっきらぼうなんだけどね。
殺人事件としては、そこに至る過程に少々コジツけぽさを感じ、弱いように思う。
男女の関係より濃いもの、それは親子愛。
法律や規則、化学や物理などで、解決できないものもあるんだ。
最後、駅での湯川と恭平のやり取りは、見ごたえあり。
切ないね。
「そして父になる」の公開も秋となり、こちらにも期待が膨らむ。
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