劇場公開日 2013年9月28日

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「映画バカでなぜ悪い」地獄でなぜ悪い 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映画バカでなぜ悪い

2014年3月12日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

興奮

園子温の前作「希望の国」は、過剰なメッセージが鼻につき、園子温好きとしても被災地の人間としても、あまり好きになれなかった。
それ以前の「ヒミズ」「恋の罪」「冷たい熱帯魚」は大好きだが、シリアス作品が続き、僕が園子温にハマるきっかけとなった「愛のむきだし」のようなハイテンション映画をまた見たいと思っていたら…、本作!
園子温、久々の快作!

バイオレンス!エロ!グロ!コメディ!
ああ、これこれ!こういうのが見たかった!
さらにそこに、映画愛をLOVE注入!(笑)
恥ずかしながら、昔、映画監督になりたいと真剣に夢見ていた自分にとって、若き平田の台詞は、グッとくるものがあった。(映画はエネルギーとテクノロジーで出来ている、という淀川長治氏の言葉が身に染み、夢は見果てたけど…)

妻の為に娘主演の映画を撮ろうとするヤクザの組長、その父に反発する元人気子役の娘、彼女に恋する敵対ヤクザの組長、最高の映画を撮りたいと夢見る映画バカ、訳も分からず巻き込まれた青年…。
これらをごちゃ混ぜし、一見ハチャメチャで荒唐無稽だけど、実はしっかり伏線も効いている。ここら辺も「愛のむきだし」的。

クライマックス、遂に始まった撮影は、文字通り血や首や手足が飛び散る!
不謹慎な言い方かもしれないが、飛び散れば飛び散るほど、興奮しまくり!(笑)
全編異常なハイテンションで、一気に見せきってしまう。

園子温作品異例の豪華キャスト。全員が快演を披露。
國村準主演の映画なんて初めて見たかも!?(笑)
長谷川博巳のウザいくらいの映画バカにニヤニヤ。
星野源のへたれっぷりは最高!(笑)
友近も出番は少ないながら、大ファンを公言している五社英雄監督作に出てきそうな姐さんの雰囲気を出している。
堤真一は昔気質のヤクザを、顔芸で笑わせてくれる。(本作の好演があったから、「土竜の唄」でのヤクザ役もハマった?)
そして、二階堂ふみ!
まだ20歳だというのに、このエロさは尋常じゃない!逆算すると撮影時は10代だから、びっくり驚き!
加えて、撮影シーンの格好良さときたら!
ハリウッドにはジェニファー・ローレンスが居るが、日本には二階堂ふみが居る!

ノリのいい音楽も最高!
メインタイトルに流れた「仁義なき戦い」のBGMにニヤリ。
それから勿論、ミツコの歌もね。

映画は面白くなきゃ意味がない!
映画バカでなぜ悪い!?…そんな園子温の熱い言葉が聞こえる。

近大