「全力歯ぎしりレッツゴー♪という子タレのCM映像から始まるこの映画。冒頭から園ワールドじゃなく、三池ワールドかと思ってしまった・・」地獄でなぜ悪い kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
全力歯ぎしりレッツゴー♪という子タレのCM映像から始まるこの映画。冒頭から園ワールドじゃなく、三池ワールドかと思ってしまった・・
作品には二つの流れがあり、一方はメインとなるヤクザの部分。武藤組と北村組との抗争の構図があり、やがて若頭であった池上(堤)が独立した池上組との抗争に発展する。子役の武藤ミツコは自宅に北村組が押しかけてきた際、その現場を目撃しており、生き残った池上がその清純さに心奪われたくらいだ。北村組の鉄砲玉を惨殺した武藤の妻(友近)がムショに入り、10年後の出所の時期を迎えたのだ・・・。一応女優となっていたが、男と逃げてしまったミツコ。しかし、あっさり男とは別れ、捜索の武藤組の若い衆から逃れるために巻き添えを食った橋本公次(星野源)が一日だけの恋人として行動を共にするのだが・・・
一方、井筒ワールドにも似せた、映画バカともいうべきふぁっくぼんばーず物語・・・実は8ミリしか手にしたことは無いのだが映画愛に溢れている平田(長谷川)のストーリー。ちょっとしたことで、武藤組の殴り込みシーンを撮ることになってしまったのだ(笑)
もしかして三池愛なのか、よくわからないほどふざけてる。黄色のトラックスーツを着せられたブルース・リー愛ともとれる佐々木とかもいいキャラだが、クライマックスのシークエンスからしても『キル・ビル』だとしか思えない。その『キル・ビル』の國村と同じように、何気ないところで彼の首も飛んでいっちゃってるし(笑)。誰かが生き残るのかと思って期待してると、結局はほとんど死んでしまい、残ったヤクザやミツコも踏み込んだ警察によって銃殺に・・・。生き残りそうだった星野源にしても頭を刀で真っ二つ!しかも、コカインを吸ってしまい、妄想で幸せな気分だったろう。唯一残ったのも平田(長谷川)だけだったが、試写会の様子を考えても、彼も生きていないのかもしれない。『キル・ビル』以上に虚しく終わるのではあるが、映画愛を感じさせる前半からすると、単に収拾つかなくなっただけなのかもしれない(笑)
【2015年ケーブルテレビにて】