「つまるところ「監督って大変!」」地獄でなぜ悪い Isamu Rhimeさんの映画レビュー(感想・評価)
つまるところ「監督って大変!」
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学生時代から数々の自主映画を撮っていた園子温。商業映画に関わって思うところがあったのではないでしょうか?
お金くれる側からの、「この要素入れて!」「この女優使って!」「お金はこのくらいね!」「期限はいつまでだから!」と要求ばかり、その過酷な要求をしてくる様子はさながら“ヤクザ”のように見えたことでしょう。
「俺は映画を撮りたいだけなのに!」と躍起になりつつもしなくていけないことはしょうがない。そして閃いた!
これ、映画にすればいいんじゃね?
自分の望むものを作れない奴、ある女の為だけに奮闘する奴、カメラを回すしか能の無い奴、もう夢は語れないと悟った奴、もっと自分にはふさわしい場所があると信じる奴、園子温はコイツら全部俺だ!!!とフィルムにぶつけて見せた!彼らは自分を押さえ付けてくるものさえも利用して自分を打ち出して行く!まさしくこれで“死んでしまっても構わない!”この熱量に圧倒されっぱなしでした。
見せ方もとっても秀逸で、まず冒頭に「これ意味あるの?」ってな感じのCMが流れるわけですが、コレが全編を通しての軸になって、無理のあるように見える設定を繋いで行く重要なパーツなんです。ヤンキーの乱闘シーンもコイツもう映画狂いなんだってそれだけで分かって尚且つ今後の展開も予期しているっていうことですよね。
全体がぶっ飛んだように見えて、その実しっかりと練り込まれている本当に面白い映画だと思います!
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