ホビット 決戦のゆくえのレビュー・感想・評価
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アゾグを見習え
本作で、戦いの激しさは一気に沸騰し、雰囲気もずっと戦場ゆえ、悲壮感はまだ薄いものの、1,2作のユルさほどではない。
戦局、戦法度外視の一騎打ちで締めるのは、まあ、全然好物なので問題ないけど、いまいち戦闘能力がどいつもこいつも1作から本作までブレブレで、これまでじっとため込んだ(というか、俺は我慢した)5時間近くつきあった分のうっぷんを晴らすことなく、その場その場で派手なアクションで終わってしまった感が強い。
旅するドワーフは、どっちみち最後まで出番がない面構えなのでまあ、どうでもいいんだけど。
でも、やっぱりレゴラスはあそこは、あんな奴、女エルフの代わりに、仇討にして、瞬殺!!じゃないと駄目でしょう。ずるずる足場崩れのアクションなんか、2作目の樽とおんなじじゃん。
肝心の時に弓切れ、というのは笑ったが。
ずいぶん説教臭い最終章だなあ。と思ったけど、劇中どいつもこいつも金に目がくらむのがいい。一番まともなのは、オークたち、っていう。なんてピュアなこと。
主人公も本作の一番アガるところでは欠場、という「らしい」展開はいいし、こいつがとことん大事な局面で、ひょうひょうとした態度をとるのも、また取れるのも、指輪の力もあった上でのことで、その調子の良さが「人間」臭くてよい。
その辺は晩年までの指輪への執着に、旅の思い出以上のものを感じさせる。
追記
昔からロールプレイングゲームに興味があまりなく、またドラゴンとか、騎士とか、そういう世界に疎いので、この世界観に浸れることは結局なかったが、中盤の大御所トリオ勢ぞろいとか、あの辺が一番眠かったわ。
追記2
この手の映画には、ドワーフみたいな観客が必ずいるのだが、3D眼鏡をかけたら、今度は「パシフィック・リム」のイエーガーみたいで、ごはんを食べるかのようにポップコーンをむさぼる絵は、相当気持ち悪い光景で映画よりそっちで笑かしてもらった。
ホビットの冒険 part 3‼️
やはりこの作品の特筆すべき点は、原作「ホビットの冒険」では描かれない「五軍の戦い」が描かれている事でしょう‼️カッコいいスウウグが街を襲うシーン‼️そんなスマウグを退治するバルド‼️スマウグ以外では、この三部作で一番魅力的なバルド役のルーク・エヴァンス‼️そして王国を奪還したトーリンが、財宝に目がくらみ闇堕ち‼️やはり指輪の魔力にも屈しなかったアラゴルンが格上ですね‼️そんな時、サウロンが蘇り、オークの大群が押し寄せ、正気に戻ったトーリン率いるドワーフ軍とエルフ、人間の連合軍による「五軍の戦い」‼️緊迫感バツグンで、息つく暇もなくエモーショナルな素晴らしい合戦シーン‼️「王の帰還」ほどではないにしろスゴい迫力でした‼️J.R.R.トールキンによる「指輪物語」の「追補編」を巧みに取り込んで、三部作構成としたピーター・ジャクソン監督の手腕は素晴らしいと思います‼️そのダークな作風も「ロード・オブ・ザ・リング」との統一感がありますね‼️ただ原作通りの "陽気で楽しい「ホビットの冒険」" の映画化を観たかった気もします‼️果たしてどちらが良かったのか⁉️こうなったら残るトールキン原作の「シルマリルの物語」もぜひピーター・ジャクソン監督の手で映像化してほしい‼️
冒険の終わりに・・・
「ホビット」シリーズの最終作です。 全作品、映画館でも見ています。一作目は3Dで見ました。その風景の素晴らしさに、唯々、大感動でしたね。でも、内容自体はちょっと、引き込まれなくて、後の二作は通常盤で鑑賞しました。
今回、改めて三作(エクステンデッド・エディション版)見直したんですが、やっぱり良いですね。見れば見るほど面白くなるような気がします。
ただ、本作の最初の龍との戦いの部分はどうなんでしょう? 龍を倒して、二作目が終わりってほうが、作品的に区切りが良かったんじゃないだろうかってくらいにあっさりやられちゃった気がします。
その分、トーリンがおかしくなっちゃうところは、なんかまどろっこしくてイライラしちゃったかな。
最後の決戦もう~ん・・・
いや、確かに迫力はあるし、面白いことは、面白い。大好きな場面でもあるのですが、なんか長く感じちゃいました。くどいくらいにまだ続くの?って感じ。
まぁ、メインの部分でもあるのでしかたないんですが。
【ネタバレ】
そして、この長い戦いの後の大団円、これまた長かった。余韻に浸るってところで大事ではあるのですが、なんか間延びした感じかな。
村へ戻ってきたホビットの家財道具が、配布されてたのは笑っちゃいました、覚えてなかったです。
みんなの平和のために尽くしてきたのに、一年以上家を空けていたせいで、死んだと思われたなんて・・・
随分な話だけど、そこがホビットっぽいって、締めになったのかな。
全体的に、間延びした感が今回は多かったんですが、それでも楽しませてもらったことは事実です。このシリーズも大好きな作品です。
極上エンタメ冒険譚完結!
久しぶりにゆっくり観ました。楽しかったです♪しかし、目的だった龍退治が突然現れる英雄バードによって果たされるところは、なんとも著者の世界観が面白い。
小説でも、それをビルボ見ていないはずだが、詳細に語られる点は、散文叙事詩の特徴も感じたりもする。
この辺りは、映像の方がより楽しめるのかもしれない。そして、タウリエルとキーリの関係も原作には無い点、ここもエンタメとしては、ロマンスがある方が華やかさと哀愁が出て、良い効果をあげていました。とても切ない仕上げ。
反英雄的なビルボが旅に出て、大切なものを見つけて帰路につく姿は人生そのものだと思いました。
流されて、冒険に出るのも悪く無い!
あー楽しい時間が終わってしまう。
冒険が終わったと思ったら、不穏な空気が…大迫力の戦いが待ってましたー
こんな終わりだなんて、幸せな結末を待ってたのに、悲しい…けどちょっと平和が訪れています。ここから、ロードオブザリングにつながるのね…
まじで壮大や。
ほぼ備忘録
湖の町は火竜スマウグによって火の海と化し、バルドが息子の肩を使い矢を放ち、なんとか撃退するものの、復興は困難極まるほど破壊された。統領も金銀財宝を持って逃げるも死んでしまい、副統領だったアルフリド(ライアン・ゲイジ)が町の実権を握ろうとする。しかし、バルドが英雄として讃えられ、残された町民たちは彼についてゆく。避難所を求める民たちに囲まれ、ドワーフのキーリはタウリエルに愛の告白を・・・
はなれ山のふもとで復興を開始するも、スマウグが残していった財宝の分配を拒否するトーリン。金の呪いにかかったの如く、独占欲と猜疑心にあふれる王となってしまったのだ。エルフたちも財宝を要求し、戦争をも辞さない構えだが、人間たちはあくまでも平和的に話し合いで解決することを望む。ビルボは隠していたアーケン石をエルフ、人間たちに渡し、交渉のアイテムとして差し出したのだ。そうした中、トーリンのいとこである、くろがね山のダイン(ビリー・コノリー)が援軍にかけつけ、エルフたちとの戦闘になる。
オーク軍が背後から襲い掛かり、ドワーフ軍、エルフ軍、人間たちとの戦いに。トーリンは呪いから解け、オークのボスであるアゾクが北の山高くにいるのを見つけ奇襲をかける。しかし、それもオークの罠だった。トーリン、キーリたちは激しい戦闘の末、キーリは殺され、トーリンもアゾクとの相討ち。ようやく戦争にも終止符が打たれたのだった・・・
山の上での戦いがメインとなったため、エルフ対ドワーフの戦闘が中途半端になってる。まぁ、トーリンの死後は平和的に解決したのだろうけど、後日談もなんだか締まらない。年老いたビルボのもとにガンダルフが訪れるシーンは『ロード・オブ・ザ・リング』の始まりを感じて、またワクワクさせるものの・・・
トーリンとビルボの友情に涙します
総合 :96
ストーリー :18
キャスト :20
テンポ :20
演出 :20
見返したい度:18
ビルボとトーリンの友情。
前作が良すぎたので正直不安でしたが今作も良かった。戦いのシーンは迫力がすごくありトーリンとビルボの友情も描いていて涙する場面もたくさんありました。
キーリは生きてて欲しかったですね。
アクションシーンはレゴラス様々ですね、もうすごすぎます。
ストーリーの減点理由はあれだけの大群を鷲だけで倒せたのかという事とハーケン石はどうなったのかなっていうモヤモヤが少し残った為です。
他は大満足です。
ロード・オブ・ザ・リングシリーズ全て観ましたが最高ですね。観てない人はぜひ観て欲しいです。
本当の宝物は?
そもそもこの冒険の最大の成果はドラゴンを退治出来たことでしょうか。それと悪の動きを認知できたこと?
戦闘シーンはすごく良かったです。グロい描写がなくて安心して観ていられます。
愛着が湧くと去るのが寂しい世界です。
欲にまみれては大切なものが見えなくなりますね。冒険の思い出と出会った人達との友情が、最高のお土産に。
"If more people valued home above gold, this world would be a merrier place."
ホビット 決戦の行方
✴︎あらすじ。
紅蓮の炎に包まれ、燃え上がる港町エスガロス。黒い矢を放ち、見事邪竜スマウグを討ち取ったバルドは、家を失い傷ついた人々を励まし、エレボールへ避難する。 しかし、「竜の病」に蝕まれつつあったドワーフの王子トーリンは、黄金に目が眩み、宮殿を固く閉ざし、何びとの侵入も許さない。 ホビットのビルボはトーリンのあまりの変わりように、手に入れたドワーフの秘宝「アーケン石」を彼に渡せずにいた。 一方、ドル・グルドゥアで闇の手に落ちたガンダルフは危機一髪の所で、ガラドリエル、サルマン、エルロンドに助け出され、オークの軍勢がエレボールへ向かっていることを 知らせに馬を走らせる。 危機の迫る中、エレボールでは救援を求めるバルドら人間と、エルフの秘宝を取り戻そうとする闇の森の王スランドゥイルらは、彼らの和平案を拒絶したトーリン達から宮殿を奪い返そうと戦の準備を整えつつあった。ガンダルフは必死に彼らを説き伏せようとするが、トーリンの従兄弟くろがね山のダインが軍勢を率いて駆けつけ、エルフと人間軍とドワーフ軍の間で一触即発の事態となる。 が、突如、アゾク率いる闇の大軍勢が大ミミズの作った大穴から現れ、事態は急変する。 三軍は共に闇の軍団に立ち向かうが、圧倒的な数の力で徐々に追い詰められていく。 城外での悲愴な戦いを目の当たりにしても、まだ引きこもり、欲望に目を曇らせるトーリンに、バーリンやドワーリンらは失望していく。 やがて己の愚かさに気づき、王子としての自覚を取り戻したトーリンは仲間たちに告げる「信じてくれとは言わぬ……もう一度だけついて来てくれぬか?」 城壁に追い詰められ絶体絶命のドワーフ軍に最後のとどめを刺そうとするアゾク。 突如、城門に積み上げられた岩が砕かれ、トーリン率いる戦士達が闇の軍勢に突撃する。決戦のゆくえは、どちらに転ぶのか?
✴︎感想。
バーリー可愛い可愛い可愛い‼︎‼︎優しさと勇気があって、妹たちの前では頼りになるカッコイイお兄ちゃん。そしてお父さんの手助けに向かうけど、お父さんと合流したら今まで表に出なかった怖いって感情が素直に出てるのがいい!そしてお父さんカッコイイ!黒の矢を撃つところは名場面だね。
ロードオブザリングの時はサリマン大っ嫌いだったのにちょっと好きになっちゃった。でもこの頃からサウロンと接触してるのかな。悪に染まらないでほしい...
ビルボ、いい人だなあ。思いがけない冒険からかなり成長してたくましくなった。最後の場面でビルボとトーリンが仲直り出来て本当に良かったけど、トーリンに死んでほしくなかった。最後の氷のシーンはある程度予測はしてたけどハラハラして心臓が痛かったー。
こうして物語はロードオブザリングへ続いていくのね。ここでビルボが本当に指輪を無くしていたら...良かったのにな。
The battle of the five armes. ピーター・ジャクソンの中つ国の物語、見事に完結
「ロード・オブ・ザ・リング(以下LOTR)」の企画から数えるとピーター・ジャクソンがこの中つ国サーガに費やした期間は17年にものぼるらしいです。それだけ人生をかけた作品の完結編、実にお見事でした。
副題の「5軍の戦い」が示す通り、この最終章は戦いに次ぐ戦いで、物語の大半が大迫力のバトルシーン!三部作であり、前作までで既にキャラクターは描いてしまっているからこそできる力業。こんな映画はなかなか他には見当たりません。
ビルボのマーティン・フリーマンの口をモゴモゴさせる動きは何となく真似したくなりますね。ガンダルフのイアン・マッケラン、歳を感じさせず良く働いて頑張ってます。レゴラスのオーランド・ブルーム、アクション担当として相変わらずあり得ない動きをしています。バルドのルーク・エヴァンス、冒頭から美味しい所を持っていきます。ガラドリエルのケイト・ブランシェット、問答無用に強かったっす。そしてサルマンのクリストファー・リーの最期の勇姿。
色んなキャラクターに見せ場が有るのですが、なんと言っても今回は1度闇落ちしても自分を取り戻すトーリンがカッコ良いのです。「皆が金ではなく家族を大事にすれば世の中はもっと楽しくなる」トーリンが最期に語る言葉がグッときます。リチャード・アーミティッジが心が蝕まれていくトーリンを見事に演じきっていました。
他のドワーフもキャラクターが立っていて、闇落ちしたトーリンに涙ながらに苦言するドワーリン、夜中に抜け出すビルボをあえて見送るボフール、やっと頭の斧が抜けたビフール、悲哀のキーリとフィーリ。こんな濃いオッサンばかりの映画も類を見ないですね。
ちなみに白髪のお爺さんドワーフ、バーリンや若手ドワーフのオーリはこの物語の後にモリア坑道でオークを相手に討ち死にをします。「LOTR」の一作目「旅の仲間」ではギムリがそのお墓を見付けて慟哭する場面があります。
また今回トーリンがビルボへ友情の証として渡したミスリルの鎖かたぴらは「LOTR」で名剣スティングと共にフロドに引き継がれます。色々と「LOTR」に繋がる場面が出てきてファンには嬉しい限りでした。
劇場公開版だと最後にどうなったかわからなかったアーケン石ですが、エクステンディット・エディションではトーリンと一緒に埋葬されるシーンが追加されています。ってかここは劇場公開版にも必要だったのでは?
とにもかくにも、これにてピーター・ジャクソンの中つ国の旅は終わりを告げます。映画のラストでビルボがマーティン・フリーマンからイアン・ホルムに変わった時には繋がった感がハンパ無かったです。原作者のJRR・トールキンの「神話」を見事に受け継いだ作品でした。
グッジョブ、ピーター・ジャクソン!!
再鑑賞履歴
2022/1/3
お正月休み中つ国再訪第3弾
ようやくトーリンが正気に戻るところ、クライマックスでトーリン達が山...
ようやくトーリンが正気に戻るところ、クライマックスでトーリン達が山羊?で登っていくあたりワクワクした。
ラストは一文字も目が離せない
ホビットを一からやると聞いたときは正直、もう余計なことする必要ないだろう、と思っていた。でも見てみたら止まらず、最後には本当に感動してしまった。
ホビットとドワーフ、エルフと人間、さらには魔法使いやサウロン。これらの関係をより深く明らかにしている作品なので見た方が良い。
ロードオブザリングシリーズを見た人ならお!と思うセリフも多く、この三部作を見てからロードオブザリングをまた見たらより面白くなる気がする。
順番としては
ロードオブザリング1-2-3を見てから
ホビット1-2-3をみて、またロードオブザリングをみたら違った見方ができて面白いと思う。
最後には、アラゴルンの名前も出てきて、ファンからしたらたまらない瞬間!!!
とにかくよかった。
でも悪い点を挙げるならトーリンか、キーリ、どちらかは生きてて欲しかったと思う。二人とも死ぬことはなかったんじゃないかと思う。
あと悪いところは、結局アーケン石はどうなったの?っていうところ。あれだけアーケン石と言っていたのに、最後にはどこに行ったか、誰が持ってるかもわからないまま勝手に死んで終わっていた。その辺もはっきり描くとより面白くなったと思う、
終わりか
スマウグが始まって10分くらいで死んだのには笑ってしまった。名前忘れたけど、お金にしか目がなくて戦いもしない不潔そうな男けっこう出とったな。すぐに死にそうなキャラだけど、面白かった。どうしても指輪物語のほうが衝撃的だったから、なんか物足りなさを感じてしまう。レゴラスの戦闘シーンは相変わらずすごかった。やっぱりゴラムが出ないと面白くないよ。
旅路の終焉
主人公、ホビット、ギルボ・パギンスにとって
様々な思惑を孕んで始まった旅路もこの作品で
いよいよフィナーレを迎える。
この作品はすごく複雑な物語だ。
前回からの展開でスマウグとの戦いが
起承転結の承にあたれば、後半の5軍
入り乱れての戦いが転、結で旅は
終焉を迎える。
原作はあるし、時間の尺の中で脚本家は
とっても、苦労した事だろうなあ。
よくまとめたと思います。見事。
各登場人物が抱える背景(想い)や運命は
全て結末を迎え、旅の終わりは始まりへ
と続きます。
戦いの最中、トーリンの変貌と仲間たち
の葛藤、そしてギルボの決断。
結果的には山の下の王は正しき心を
取り戻し、主人公は友の死を見届け、
戦いは決する。
愛する者との別れが涙をさそう。
病的な執着から仲間を信じる王としての
誇り、この流れは大変良かった。
ある意味王の帰還である。
アクションシーンは言うまでも無いので
省きますが、ニュージーランドを撮影地
として選んだスタッフに脱帽ですね。
ブルーレイにはこの地での撮影について
登場人物を演じた俳優達がコメントしている
シーンが良かったね。
個人的には一番見たかった、しりたかった
ロード・・に続くシーンが嬉しい。
特にレゴラスがストライダーに会いに行った
理由が父親からの助言だったとはナイス。
大作の最終回にはいつも感じる制作者への
感謝と感慨深い想いが入り混じる。
ああ映画って、だから辞められない。
LOTRシリーズは終わり、新SWシリーズが
始まります。
これもまた、至極の楽しみなり。
いい意味で、リチャード・アーミテージの映画だった。
面白いか、どうかと聞かれれば、面白いと言える。
映像やCGはすでに評価とか言うレベルを通り越している。
ここは役者の評価で書いてみたい。もちろんガンダルフ(イアン・マッケラン)、フロド(イライジャ・ウッド)、レゴラス(オーランド・ブルーム)と芸達者な俳優たちがいい演技をしている。
が、やはりドワーフ一族の王トーリン・オーケンシールド役の(リチャード・アーミテージ)が一番だったろう。
この役者さんの演技がこの映画の見所だった。
無理やり国内映画で例えると、剣岳-点の記での、香川照之に相当するのではないか。
一部二部からのまさかの
とっても良かった…!
1部2部はなんやかんやとのほほんと和やかな流れできていたので、そのままのノリでいくのかなと思っていたら、まさか泣かされそうになるとは思っていませんでした。
ロード・オブ・ザ・リングよりコミカルでライトだなと安心して観ていた分、ずどおんと不意打ちで撃たれた感覚です。
これにて3部作完結ということですが、彼らの旅をもっと観ていたかったです。
鑑賞後はロード・オブ・ザ・リングもホビットも無性に再鑑賞したくなりました。
ある意味興奮!
冒頭で竜瞬殺ってあんだ前二作で
話引っ張ったのにそれはなくね?ってなる
まぁ中盤からの戦シーンには興奮したけど
せっかくエルフ、人間、ドワーフといるなら
共闘シーンがあってもよかった気がする
なんか個々の軍勢が近くで戦ってるだけ的な
最初だけ一緒なのに途中から人間は町守りにいなくなるし
エルフもあれだけいたのに気が付けはドワーフ残して町にいるし
ドワーフ孤軍奮闘してるし
みなさん目的はエレボールなのでは?と
なんか違う気がした
でも映像としては最高
かなり楽しめたし
迫力ある映像には釘付けになりました
山の下の王よ永遠に
公開されてから1ヶ月半経ってから言うのもアレですけど、
いやあ……終わっちゃいましたね、『ホビット』三部作。
高校の頃に夢中になった『ロード・オブ・ザ・リング』
から数えると実に14年。物寂しい思いでいっぱいですよ。
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悶絶するほどのクリフハンガー状態で終了した前作
だったが、開巻早々から9ヶ月待たされたストレスを
ブッ飛ばす超クライマックス級の見せ場!
黄金竜スマウグの放つ業火の凄まじさたるや!
そしてスマウグとバルドの、先代から続く因縁の対決。
炎ひと吹きで街の1/10を焼き尽くす巨大な怪物に、
たった1本の矢で立ち向かうバルドとその息子。
英雄である以前に優しい父親であるバルドの姿に、
まだ映画始まったばっかなのにもう目がウルウル。
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そこから先も見せ場見せ場の連続!
金の魅力に負けて堕落したトーリンの再起、
サウロン+ナズグルvs中つ国最強メンバー、
オーク軍と4種族連合軍による『五軍の戦い』、
タウリエルとキーリとのロマンスの行方、
トーリンとアゾグとの宿命の対決、
そして旅の仲間との永遠の別れ――
特にサウロンとナズグル達との直接対決には燃えた!
白のサルマン様もエルロンド卿も実はムチャクチャ
お強かったのですね。ガラドリエルの奥方なんて
なんかもう……サウロンよりお怖いですよ、特に顔が。
クライマックスで繰り広げられる
トーリンvsアゾグ × レゴラスvsボルグ のタッグマッチも、
上は氷上、下は橋上で目まぐるしく展開。
アイデア満載のものすごく面白いラストバトルだった。
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だがしかし……
前作・前々作より低いスコア4.0判定を今回付けたのは、
これまでに比べて語り口に余裕が無さすぎると感じたから。
まずエルフとドワーフが協力してオーク軍と戦う流れ。
どうもエルフとドワーフが成り行きで一緒に戦う羽目に
なっただけのように思えて、2つの種族が
協力して戦う理由に説得力が足りないと感じた。
急ごしらえの連合軍があんなチームワークを
発揮できるとはあまり思えないんです。
なので『中つ国の民vs闇の勢力』という大きな
スケールを僕はイマイチ実感しきれず終いだった。
エルフ王スランドゥイルの心情も
もう少し掘り下げてほしかったな。
慟哭するタウリエルとスランドゥイルのやりとり。
「どうしてこんなに辛いの?」
「それが本当の愛だからだ」
スランドゥイルは今回の悲惨な戦場を目の当りにして
妻=レゴラスの母の死を思い出したに違いない。
最後にタウリエルの悲しみを理解する優しさを
見せたのは、きっとその為だと推察する。
レゴラスとの確執が氷解するラストの為にも、レゴラス
の母への想いを伺い知れる描写がもっと欲しかった。
最大の不満点はトーリンの葛藤についてだ。
あれだけ金に執着し、誰の話に対しても聞く耳を
持たなくなっていた彼が、あんなにアッサリと
高潔な心を取り戻せた点に違和感を感じた。
仲間の心が離れていくことへの戸惑いや、そこから自分の
妄執に疑念を抱く流れがごっそり抜けてしまっているようなのだ。
なので、トーリンの復活に歓喜し、ドワーフ達が再び
奮い起つ重要なシーンに僕は今一つ熱くなりきれなかった。
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他にもスマウグの退場がややあっさりしているように
感じたり、『ロード・オブ・ザ・リング』までの間
ビルボが指輪の魔力に取り憑かれなかった理由に
触れて欲しかったり、サルマンが悪の道に堕ちた
経緯をもう少し詳しく知りたかったりと、
細かな不満がいくつもある。
今回は物語の最終章として、観たい場面はすべて観せては
くれるのだが、全体的にどうもあっさりし過ぎている印象。
後で気付いたが、実は今回の上映時間は144分。
『ロード』~『ホビット』で最短の上映時間だった前作
『竜に奪われた王国』よりも本作は更に17分も短いのだ。
(ちなみに最長は『王の帰還』の203分。1時間差(笑)。)
色々事情がありそうだが、このシリーズとしてはなんだか
物足りない。もっと長くても良いから全体をじっくり
描いて欲しかった。この壮大でエモーショナルな世界
に浸っていられるなら、僕はあと30分くらい長くたって
これっぽちも構わない。
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けれど一番大事だと思う部分、トーリンら
ドワーフ達とビルボの友情には号泣。
金に憑かれ、疑心暗鬼となったトーリンが唯一
柔和になるのはビルボと話している時だけだった。
別れのシーン、遠ざかるビルボをにこやかに見守る
ドワーフの仲間達の姿を見て、旅が終わってしまう、
この仲間達の顔を観るのも最後かと、寂しさに涙が出た。
いつも冗談めかして周囲を明るくしてくれるビルボは、
暗い雰囲気やしんみりしたムードが苦手なんだろう。
仲間の目の前でトーリンを「僕の友達だ」と
言い切れない。そこがすごく良い。
ビルボが地図に記した言葉。
『山の下の王ここにありき』。
何十年の時を経ても、ビルボにとってトーリンは誇るべき友人だったのだ。
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今までの出来が出来だけに点も辛くなってしまったが……
これほどダイナミックなスケールと細やかな人間味が
同時に描かれる大作映画は、やっぱり滅多にない。
大きな大きなスケールの物語の最期を、
小さな友情の言葉で締める。
この優しさが堪らなく素敵だと思う。
しかし残念ながら、壮大な物語はこれでひとまず終了。
この3年間、毎年とても楽しませてもらいました。
この作品に心血を注いだスタッフの方々に心から感謝!
<2014.12.13鑑賞>
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余談:
自分の解釈ではないので余談として書くが、
ビルボが“ひとつの指輪”の魔力に長年耐えられた理由について。
雑誌『映画秘宝』で朱鷺田祐介氏が書かれていた
解釈を読んで僕はなるほどと膝を叩いた。
『(アーケン石と黄金の魔力に対する)トーリンの
妄執を見たビルボは、自分が“ひとつの指輪”に感じた
こだわりが暴走した際の危険を知る』に至ったという解釈。
6部作におけるトーリンの立ち位置が
より重要なものに感じられる。
いやあ、人の欲望って恐ろし。 トーリンとビルボに
あらためて学ばせていただきました。
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