「何の捻りも無いエクソシスト系ホラー」ポゼッション Fate number.9さんの映画レビュー(感想・評価)
何の捻りも無いエクソシスト系ホラー
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今どき、よくここまで何の捻りも無いストレートなエクソシスト系ホラーを作れるなと感心します。少女の口から指や蛾が出て来たりと、現実的にはあり得ない現象が頻出する地点で、「あ、やっぱりこれ系か…」と嘆息。展開や演出が「エクソシスト」や「オーメン」の頃から何ひとつ変わってない。
宗教観の違いもあるんでしょうが、人に取り憑く悪魔も「とてつもなく恐ろしい悪魔の封印が解かれた!」みたいに語られるくせに、やる事の大半が白目むいて「シャーッ!!」と威嚇したり、蛾を大量に飛ばしたりとコケ脅しみたいな事ばかりなので、「…で結局、何がやりたいんだよ?」としか思えない(笑)。
やってる事がせいぜい下っ端の使い魔や悪霊レベルで、ちょっとした儀式であっさり祓われるから「人間ではどうしようもない超常の存在」という凄みや恐怖感がほとんど感じられないんですよ。この辺はやはり日本の漫画に出て来る悪魔や超常の存在(「ベルセルク」のゴッドハンドや「チェンソーマン」の根源的恐怖の悪魔、「ブラッククローバー」の上位悪魔など)の描写の方がはるかに絶望感や恐ろしさを感じさせます。
ラストもよくある予想通りのパターンだったし、何から何まで工夫の無い凡作でした。これなら昔、お笑い芸人のインパルスがやってたエクソシストのコントの方がオチに工夫があってよっぽど面白かった(笑)。
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