共喰いのレビュー・感想・評価
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原作とはまた違う良さ。
菅田将暉主演で気になっていたところ、原作を読む機会があり、原作が面白かったので鑑賞。
台詞や設定が原作に忠実なまま進行、仁子さんの凶行以降が映画オリジナルストーリーになります。
原作より明るいラスト、確かにそうすれば殴ったり首絞めたりせんでいいよね…!!と妙に納得。
あの父親の血を引いて、あんなゴミ溜めみたいな川辺に住んで。
希望なんて絶対持ち得ない状況やけど、
母親が父親を殺してくれて千種が魚屋を継いでくれて昭和から平成に移って、
遠馬の未来がうっすら見えかけて終わる。
テーマは暗いけれど、意外にも鑑賞後爽やかな気持ちになれる映画でした。
菅田将暉が現在のイケメン俳優キラキラオーラを完全に封印して、
文字通り裸一貫で田舎の地味な高校生を演じていたのが、とっても良かった。
あの年頃には難しい役やったやろうけど、演じきっていて流石というところ。
停滞している空気感
女を殴って、自分の思うまま生きてきた父親
それを嫌悪する息子
自分にそんな父親の血が入っているから自分もそうなると信じ苦悩する
複雑な家庭環境でもあるが、みんなどこかずれている気がする
横暴な父親
元夫への憎しみを息子へ言う母親
暴力を受けつつも笑っている再婚相手
(再婚相手に関しては、逃げたあと妊娠中に主人公と関係をもとうとしてるところに一番狂気を感じたが)
主人公しか見えていない彼女
主人公が父親の血のことで自身を追い詰めていることも、父親が独裁的なことも、彼女が魚屋を継いでることも、
閉鎖的な地域なのか、時代なのか、目に見えない混沌とした何かが停滞して、そこ周辺だけでぐるぐるまわっているように思った
思ったよりダークではない
脚本が何を描きたいのか不明すぎる。少年が自分の中の父親の血と決別する物語なのかと思ったが、全然そういう構成になっていない。では父親という悪者が退治される物語かというと、父親が中途半端な悪者なので最後に殺されてもスカっとはしない。それと最後にいきなり、あの人を批判するセリフが出てきて??になる。
女って‥
出てくる女性陣が、みんな凄い。強い。自分だったらどうなんだろう‥と、凄く考えさせられた。多感な時期にも関わらず、恥ずかしげもなく下ネタを堂々と自然に話す様子が新鮮で、リアルだった。散々セックスしても痛くて、レイプされてから快楽を知る‥。いやあ、凄い!!男が酷い、というより、女としての生き方を考えさせられた。
愛憎ではなく欲と憎
不快、というか意味不明
不快感だけが残る作品だった。
「千年の愉楽」「キャタピラー」に通ずる閉塞感。もはや恐怖。
絶望的な経験をしたり、そもそも生まれた環境が絶望的だった場合、なぜそこから逃げ出そうとしないのか?
その状態を維持することになんの価値があるというのか?
スポーツでも文芸でも、ほとんどの場合、厳しい下積み時代の後にしか成功は存在し得ない。
夫婦関係において、放棄せずじっと耐え忍んだ後にしか見えない景色があると信じる人もいる。
続けていくことそのものに意味がある場合もある。
でもさぁ。
自分を性的暴行した人間の息子と一緒にいるなんて。
その人間の元妻と同じポジションにつくなんて。
「仕方ないじゃん」っていうあのブラックホール的な受容スタンスが不気味すぎて戦慄。
琴子さんのように村を出るという選択肢もあるはずなのに、それをしないのはなぜなのか。
被害届を出すとか、わざわざ事件の第三者(元妻)が出てきて殺すよりもっと冷静な対応の仕方があった筈なのに。
そうすれば元妻も逮捕もされなかった。
「逮捕されてもいから環境を変えたい」と思っていたのか?
そうでもしないと変えられないレベルの閉塞感だったってことか?
怖。
村、怖。
不快というよりむしろ意味不明に近い。
私の許容範囲が狭すぎるのか、フィクションの作品に感情移入しすぎでキモいのか。
でも本当に有り得そうな内容だから評価されているのだと思うし。
理解不能。。。
日本映画の色
父と息子。
期待してたけど、
匂いのモト
昭和臭が漂う映画。
—
原作は、ドロドロとした人間関係を描きつつも、どこか冷めていてクドくない。案外、古臭くない小説だと思った。
映画も中盤まで、ほぼ原作通りに進む。
主人公の菅田将暉がイイ。真剣だがそこはかとなくボンクラだ。
女優さん達もイイ。三人とも違うタイプだが堂々としている。
あと、小道具さんの仕事ぶりも楽しい。蚊帳の中のモジャモジャしすぎた張形や、釣竿にぶら下がるふたなりの鈴など、チョイ下品で笑う。
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映画後半、原作から離れ脚本がプチ暴走する。クドくない話がクドくなり始める。脚本家・荒井晴彦センセイの「いっちょヤッたるで」的な鼻息が荒くなる。この「いっちょヤッたるで」な感じが、昭和(団塊)っぽい。本作の「恩赦うんぬん」のセリフは、荒井氏の30年前の作品『もどり川』にも出てきて、懐かしさすら漂う。
この辺りが、本作に漂う昭和臭のモトなのかもなあと思う。
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