遺体 明日への十日間のレビュー・感想・評価
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あの時、起こっていた事実の一つ
2011年3月11日、14時46分に発生した東日本大震災。およそ2万人の人が犠牲になった。
本作は、その東日本大震災で被災した岩手県釜石市の遺体安置所の数日間を、ジャーナリストが取材したままにドラマとして再現した作品である。
釜石市だけで死者・行方不明者は1000人以上になる。そうした遺体が運ばれてくる遺体安置所。カメラはそこからほとんど離れず数日間を描く。
東日本大震災で100人以上が犠牲になった市町村は、岩手県・宮城県・福島県の3県で22市町村ある。あの時、あの数カ月間、22市町村それ以上の各地で、本作に描かれていたような遺体安置所の姿があったはずだ。
遺体安置所だけではない。沿岸部の被災現場、遺体捜索の現場、原発、避難所、病院、福祉施設、市役所、ありとあらゆるところで、非常に厳しい状況があった。もっといえば、被災した一つひとつの家庭にもあった。
僕らがこの映画から、あるいは大きな震災から何を感じるべきか。少なくとも、あの時に起きた事を忘れないでいる事だと思っている。それは、東日本大震災に関わらず、日々の出来事をちゃんと意識していく事の大切さに繋がるはずだ。
なお、本作が震災から2年という段階で作られた事に対する批評は様々だ。釜石の地元の人に限らず、多くの被災地で本作を見た人から「今見たくなかった」という声を直接に聞いた。しかし、一方で、震災からたった2年で、被災地以外では震災のことが忘れられそうになっているなか、当時の現実を映像化した事への評価もあった。
個人的にはもう少し時間を置いても良かったかもしれないと思いつつ、東京で震災への関心が低くなっている事を実感するたび、やはりこういう作品を送り続けていく事の大切さも感じるのである。
ニュースでは伝わらない部分・・
真実とは何か。。
ノンフィクションの力
亡くなられた方々への尊厳と敬意を込めて
自分は福島の人間なので、あの日の事は生涯忘れないだろう。
被害状況が分かるにつれ、亡くなられた方の人数もみるみる増えていった。
我々はそれをTVのニュースを通して、ただの“死者数”としか認識していない。
死者が発見されたという事は、収容されたり身元が確認されたという事である。
そこにはどんな思いがあったか。
そんな知られざる現状を描いたのが、本作。
津波で深刻な被害を受けた岩手県釜石市の遺体安置所を取材したルポルタージュ本を基に映画化。
人によっては見るのが辛い映画でもある。
かなり生々しいシーンもある。
次々と死者が運ばれ、安置所は大混乱。怒号すら飛び交う。
現場に漂うのは、絶望、悲しみ、戸惑い、怒り…。
地獄絵図のような中で、尽力する人々がいた。
亡くなられた方は死者ではなく、ご遺体。生きている時と同じく、優しく語りかけ、接する。
彼らもまた同じ被災者。運び込まれてくる中には、友人やお世話になった顔もある。これは酷な事だ。
しかし、悲しみに暮れる暇はない。誰かがやらなければならないのだから。彼らの尽力が、遺族との再会と、遺族の心のケアにも繋がっていく。
震災関係の映画は決して少なくはない。
でも、そのほとんどが、“訴え”の映画である。園子温の「希望の国」は、過剰過ぎて嫌いだった。(真っ正面から挑んだ意欲は買うが)
震災そのものも原発事故もだが、もっと忘れてならないのは、不条理に命を奪われた方々の事。
悲しみを思い出させる映画を何故作った?…という非難の声もあるだろう。
辛い部分もあるが、ただ悲しいだけの映画ではない。
亡くなられた方々への尊厳と敬意を込めた真摯な人間ドラマである。
個々に心に刺さる場面はあるものの…
西田敏行を否定するつもりはないのですが、役「相場さん」というよりは「西田敏行さん」で。
どうも全体的に西田氏の演技ばかりが前面に出て来る感じで、今ひとつ感情移入出来ずに終わりました。
個々のエピソードは胸に来る物があり、読経のシーンなどかなりジーンと来ました。
一方で、被害者家族には感情移入出来るのですが、当時現地に行くことが出来なかった自身には、全体的によく解らない部分もあり。
当時は「ガソリンがない!」と言っていたと記憶しているのですが、連日自家用車を乗り回しているのはどうなのか…とか。多少の解説は欲しかったと思います。
大事件のあった割に、現場ではパニックという程の混乱も起きていない感じが、リアルなのかリアルではないのか、当時何も出来ずに遠方からただ祈っていた人間としては判断できません。
よくこれを映画化したなぁ…と思う半面、多少の疑問も感じた作品でした。
フジテレビをホメたい
残念な映画
西田敏行さん以外に相場さんの役をこなせる役者はいないでしょう。その意味で、文句は全くないのですが・・こんな腑抜けの根性無し、使命感の無い市職員っていますか?これは、釜石市役所職員に申し訳が無い。遺体安置所に配属されて翌日もスカートを穿いて来るバカ職員が本当にいます??
西田さん扮する初老の民生委員、相場さんはかなりリアルと思いたいのですが、脇を固めるべきキャストがお粗末過ぎました。佐藤浩市さん扮する検視医も全くダメです。名優佐藤浩市を殺してしまう演出に愕然・・。
興業収益を被災地寄付、キャストも異例の低ギャラ出演と、復興への一助にと言う志の高さで評価2.5としますが、作品としては1.5が精々の凡作です。
この映画を観て復興への手助け、と思われるなら直接、義捐金を送られる方がよろしいかと・・そんな気持ちで映画館を後にしました。
全く残念でした。
震災の新たな一面を見られた。
被災地において遺体安置所が開設されることは
知っていた。しかし、多くが報道されないことなどから
その実態はほぼ知らなかった。
この映画を観て、少なからず遺体安置所の実態を
知ることができ、震災(災害)による死をより深く
考えさせられるきっかけになった。
岩手県釜石市の一つの遺体安置所を舞台としていたが
この映画のような状況が被災地各地で起きていたと
思うと非常につらい思いを感じる。
一人ひとりの命にそれぞれの人生があり
数百人、数千人という数では語れないことを強く印象づけた。
いっぽう
映画の構成として、若干淡々とした感じがあり
物語性はほとんどありません。
働く人の心の変化は少しありますが、
内容の薄いドキュメンタリーのような感じです。
あと、個人的な体感ですが。
カメラワークで特殊な感じがあり
座席の位置も悪かったのですが
若干気持ちが悪くなりました。
(前列はおすすめしません。いつもより後ろをおすすめします。)
他の映画とはちがう映画
君塚監督、フジテレビ制作とくれば、いつもなら、しつこいほどのテレビCMと特番の嵐。
でも、この映画は違う。いつのまにか、封切を迎えた。
興業的には、非常に不利なスタートではないか。
おそらく、テレビで放映されることもないだろう。(出来ないだろう)
体育館に横たわる数十の遺体は、御茶の間にはあまりにショッキングで、扱うテーマとしても、軽々しく「見てね!」といえるものではない。
そんな映画を、あえて、作ることができたのは、大ヒットを連発してきた、君塚監督やフジテレビだからこそなのかもしれない。
収益は、被災者に寄付すると宣言していることからも、この映画が、稼ぐためのものではないことは明らかだ。
その目的は、報道が一切取り上げられなかった、壮絶な事実を、ありのまま残すということだけ。
死者行方不明2万人弱という数字と、テレビで流される報道映像の間に、何か大きな隙間があるような気持ちがしていたが、この映画を見て、それが何かがわかった気がした。
無邪気に「がんばれ!」という言葉を被災者に掛ける前に、この事実を知った上で、少しでも、被災者の心に近づくべきだと思った。
勇気をもって、この映画にたずさわった全ての人に、拍手を送りたい。
悲しみは終わらないのか
試写会にて
震災の時は、避難所の事は、ニュースでも解っていましたが、
遺体安置所に関しては、この作品を観るまで、
正直忘れていた、というか意識がありませんでした。
西田さんに関しては、当初「笑わす」存在かと思ってましたが、
どんどん西田さんの役柄に惹かれていきました。
身元を特定する為に、検視する医師(佐藤・柳葉)たちの、
次々と、知り合いや自身の患者を診る事の辛さ、
ご遺体と向き合う家族、そして捜索をする人々。
志田未来が小さな子供の遺体が運ばれた時の叫びや
子供を助けられなかった母親、死んだ母に化粧をする娘
そして、和尚(国村さん)のお経を唱えるシーンと、
嗚咽が止まりませんでした。
なんだか、少しづつ忘れていきそうで、
この作品を観て、改めて忘れてはいけない現実だった事、
確実に戦っている人がいるという事を、認識しました。
本当に本当に、出演されたみなさん、本当によかったです。
「早く前を見て歩き出して」
という事は簡単で無責任かもしれませんが、
未だに復興も進んでいない状況や、
終わらない苦しみに苛まされている方々の事を、
少しでも理解出来れば、と思います。
ぜひ、ご鑑賞下さい。
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