劇場公開日 2013年2月23日

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「死体ではなくご遺体」遺体 明日への十日間 あきさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 死体ではなくご遺体

2025年9月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

遺体安置所の10日間を切り取ったノンフィクション。お棺が無い、火葬が間に合わない、いちいちそうだよなーと自分の考えの至らなさを痛感する内容だった。でも、これでもだいぶキレイに演出されてるんだと思う。
豪華なメンバーだけど西田敏行以外はリアルだった。市役所職員も医師も歯科医も警察もみんな被災者でこんな大災害は初めてなはず。だとしたら佐藤浩市や柳葉敏郎のように自分の感情は二の次で職務を全うする人もいれば、筒井道隆や志田未来、勝地涼みたいな戸惑い、狼狽える人がいたっておかしくない。悲惨な現場を見て気持ちが折れてしまった市役所職員の方も。そりゃそうだ。
西田敏行はやはり西田敏行。この映画では一市民という感じはしないけど主役として置くならやはり西田敏行のキャラは必要不可欠だった。
それから國村隼の読経シーン。当然色んな宗教・宗派の人がいたと思うけどそんなことたぶん関係ないんだろうな。ぶっちゃけ、宗教家が遺体安置所でできることなんてない。ただ死者を悼み、祈りを捧げるだけ。それなのに救われるのが宗教の力だし、その祈りの力が宗派を超えることもあるんだとあのシーンで思った。
地震や津波の直接的な映像はない(余震はある)。運ばれてくるご遺体も比較的綺麗でそこはちょっとリアリティない。まあ誰にでも観やすくするなら仕方がないかな。

あき
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