「本じゃなくてスマホ」図書館戦争 アンジェロさんの映画レビュー(感想・評価)
本じゃなくてスマホ
続編を観てから今作を観ましたが、続編では検閲の描写が殆ど無かったので導入部のVTRが分かり易くて良かったです。しかし今や大学生の半数はスマホに時間を割き全く本を読まないという記事(17/2/24朝日)が先日あったので、年号「正化」というパラレルワールドを描く話であったとしても、本が無くなっても別に困らないとあまり共感を得られない題材であるとは思います。20年前ならこの内容で良かったと思います。「世にも奇妙な物語」に合うストーリーだと思いますが、長編でやるにはちょっときついと思います。今だったらスマホを次々に取り上げられてバラバラにされるが団結して抵抗するという事になるのでしょうが、大手キャリアの力が強すぎてそのような映画は作られないでしょう。設定の描写がちょこちょこあり、続編よりは良かったと思います。いわゆるテロ対策は共謀罪やジェイドヘルムに代表されるように、実際は市民を支配するために行いますが、本作の「人殺しを増やさないために殺し続ける」というのは典型的な支配者のロジックでとても現実的でした。相変わらず邦画にして銃撃シーンが無駄に凝っているので、このストーリーは無しで岡田小隊が戦地で橋頭堡を確保する為に奮闘するような戦争ものの方が良かったです。
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