「マチェーテ、進歩しない。」マチェーテ・キルズ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
マチェーテ、進歩しない。
“顔を見せただけで子どもが泣き出しそうな俳優
ランキング” があったらダントツNo.1であろう俳優
ダニー・トレホが(←謝れ)まさかの主演を果たした
悪ノリアクション『マチェーテ』の続編が登場。
監督はもちろんロバート・ロドリゲスが続投。
いきなりのフェイク予告編、サイケなオープニング
タイトル、安すぎる展開、クサすぎるセリフ
(「奴が神を気取るなら空を堕とすまでだ」)、
そして超(腸)絶血みどろアクションなど、
前作同様バカやってます、このコンビ。
前作の悪ノリっぷり、狙いすましたB級感を
求める方の期待には応える出来じゃないかしら。
* * *
前作ではデ・ニーロやセガールやリンゼイ・
ローハンが色々とやらかしていたわけだが、
今回も出演陣が妙に豪華。
ここのところ良い話題の無いメル・ギブソン様が
捨て身の大活躍で、70~80年代の007チックな
誇大妄想狂の敵を怪演しつつ、マッドマックスぽい
車に乗ったり顔のない天使になったりディカプリオに
なったりと色々とハッスルしておられる。
それと、やっぱりスキャンダル続きのチャーリー・
シーンがなぜか本名のカルロス・エステベスで出演。
親父さん(マーティン・シーン)はドラマで米大統領
を演じてたが、この人が大統領になったら世も末(笑)。
ジョニデの新奥様アンバー・ハードも
やさぐれたボンドガールみたいな役で活躍。
どんな役柄でどんなシーンを演じているかは、
たぶん皆さんのご想像通りである。
* * *
とまあ、豪華というか色々とワイドショー的に
ネタ豊富な人々が大挙出演している訳だけど、
前作の悪ノリっぷりを考えればかえって
意外性が無い気もするこのメンツ……。
それに、前作のようにデ・ニーロみたいな
マジメそうな大物がバカをやってたら笑えるが、
メルギブさんはすでに私生活に色々イチャモンが
付いてしまっているので「あの名優がブッ壊れてる!」
みたいな笑いにはイマイチ繋がらない訳で。
仏頂面で繰り出されるマチェーテのギャグも、
首や腕がポンポン飛ぶマンガチックな
アクションシーンも笑えるんだけど、
どうにもデジャヴを覚えてしまう出来だった。
* * *
いやね、前作と同じくらいにバカバカしくて
楽しい出来だとは思うんすよ。
けど、もろに続編ありきの展開のせいで
消化不良感は否めないし、全体的に
前作からの進歩があまりに少ない気がする。
時間を空けて同じギャグを見せられてるような
感覚とでも言えば良いのかしら。
エンタメ映画に意味なんて求めちゃいない僕だけど、
それでも見終わってから「……何観てんだろ、自分」と
自問自答してしまった(苦笑)。
という訳で、“まあまあ”の3.0判定。
ひまつぶしくらいの感じでドーゾ。
<2014.03.22鑑賞>