リアル 完全なる首長竜の日のレビュー・感想・評価
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モリオの怨念
すべて夢の中の様な事…。
夢オチとか言うのが大キライで(アリスとか)、夢やったらなんでもアリやん、見た時間返せー!と思ってしまうのですが、この映画は、夢オチとかではなく、うーん、、、とても表現しにくいのですが、モリオの怨念とそれに対する主人公の後悔の念の中にいると言う感じです。
誰か書かれていましたが、酔っ払って川に転落して昏睡状態に陥るなんてかっこ悪っ!って。
でも無くしたペンダントと似た物を見つけてそれを取ろうとしてって言うのは、モリオの怨念では無いのかと思うのです。
だからそれに対する主人公の後悔からなかなか目をさます事が出来ない。
ずっとモヤモヤした感じだと、主役のお二人も言っておられましたが、本当に始まったところからすでにモヤモヤしている映像だったのは実はセンシングしている方がされていた、という逆転劇だったからだとわかった時に始めてスッキリしました。
途中からそれに気づく方もおられるかもしれませんが単純な私はすっかり騙されていました。
こういう色々考える映画も面白いと思います。
人それぞれ考え方や感じ方が違うので色んな意見が出ると思いますが、深く掘り下げてみると色々気づく事があり、例えそれが監督さんの考えていた事と違っていてもそれはそれでいいと思います。
考えるのがイヤな人は、単純に「わけのわからない映画!」でも。
私は深読みして面白かったです。
ただタツノオトシゴが首長竜にちょっと見えなかった事と、ペンダントを渡したらあっさり帰って行った首長竜(モリオ?)に対して-0.5です。
映画のタイトルは、「リアル」のみで良くないかな?
この映画「インセプション」と「フラットライナーズ」を足して100倍に薄めたような映画といった感じで観入っておりました。
100倍に薄まったと言う表現になったのは、ハリウッド映画と異なり、制作予算も邦画なので、ケタ違いに少ない分、ボロが丸見えで、チープな感じがしていたと言う意味であります。2人が棲むマンションのセットをおしゃれな印象の持てる物に仕立てても、どうも他は妙に安っぽい感じが目立って、バランスが最悪だった。
決して映画自体が面白くないとは言っていないのですが、しかし、後半になって首長龍が出現して来てからは、更にチープ感が増幅した。まるで東映子供映画まつりか、50年前の東宝のゴジラ映画でも観ているような展開に陥ってしまって、正直、この作品の観客のターゲットをどの年代層に設定しているのか、不明になった為に、この作品はとても万人向けの作品と言えない点が、酷く残念な気がした。
しかし、私は個人的には、とても興味の持てる題材だったので、奨励賞を出したい気もしたのだ。我が国の映画産業と言う枠で考えるなら、充分に出来るところまで、奮闘したのではないかな?邦画界ではこれが現実的には、ギリギリの限界の様な気がした。
ところで私は、前半はころっと騙されていました。あの高級そうなマンションで、彼女と暮らしていたと言う藤田は結構だが、彼女が昏睡から目覚めないからと言って、フリーターであったにも関わらず、仕事も止めてしまい、目覚めない幼なじみの女のヒモを延々とやっている奴って、どうよ?と変な所が引っ掛かっていて、どうも2人の関係性が腑に落ちない話だったのが、後半になり、事実は逆転していたと言う事を知り、それで、妙に納得が出来ました。
そうでなければ、彼らが仲良く暮らしていられるとは到底思えなかったので、これで2人の関係が成立出来るようになったので、ストーリーの設定自体の不自然さが無くなり、安心出来たのだった。
となると、何故藤田自身が昏睡状態でいるのに、センシングを自分が受けていると思い違いをしていたかの明確な説明など不明であっても、そんな事はどうでも良くなった。
部分的な矛盾点など、大した問題では無くなったのだ。
藤田の様に、人は心に思い残すところが無くなると死ぬ事を選ぶ様になるのだろうか?
たとえ事故であろうが、心の中に問題を抱えたままでは、安心して自己の死を受け入れる事が出来ずに、昏睡状態を続けるのだろうか?そこに私は個人的に興味が沸いたのだ。
何故なら、人間誰でも人生で、一つや二つは、自己の犯した過ちを自分なりに清算する事が出来ずに、その後の日々を過ごしてしまう事もあるからだ。
すると誰でも死ぬ時には、苦しむのだろうか?と言う疑問を問いかけながら映画を観ていたので、結構苦しいであろう、藤田の思いが理解出来るのだ。
そして、何時の日か過去の未清算の出来事にも、センシングと言う方法を使って問題の解決を図る事が出来る日が来たら、人生楽になる気がして希望が持てる映画だった。
竜頭蛇尾
『CURE』『回路』『叫』『トウキョウソナタ』などの
傑作を手掛けた黒沢清監督。
本作の予告編を最初に観たときは「なんだ
『インセプション』のアイデアを拝借したアイドル映画か」
くらいにしか考えていなかったが、黒沢清監督作品と
聞いてからは一変。本日まで「うおおお、早く観たい!」
と身悶えしていた訳で。
なので、あまりこういう事は言いたくないのだが……
どうしたんですか監督?
期待値を普段より上げて観たせいもあるかもだし、
彼の監督作品をすべて鑑賞している訳でもないが、
今まで観たこの監督の作品中でも特別出来が悪い気がする。
不気味な雰囲気と数々の謎が漂う序盤~中盤は
ものすごく面白いのに……。
画面の余白や映らない部分に何かが潜んでいるような
恐怖は流石だし、アンリアルなものが何の前触れもなく
日常に介入してくる時の戦慄も見事なもの。
視界の隅に突然現れる惨殺死体。
日常生活を再現する為だけの人間のまがいもの。
そうそう、2回登場する銃のシーンなんてゾクゾクした。
あなたの認識している現実なんて、
あなたの記憶だけで勝手に組み上げた曖昧なもの。
自分達が棄ててきたもの(モリオと故郷の島)を
記憶の隅に押しやり、都合の良い記憶を作り上げてきた
主人公たちに“過去”が復讐するという、
『叫』にも少し似たテーマも頭に浮かぶ。
けどねえ、“センシング”されているのが
佐藤健の方だと判明してからが問題。
昏睡状態に陥った理由には正直『しょーもな』と思った。
スランプで酔っ払ってって……。
それに、いきなりペンダントがどうとか言われても。
そんな大事なものだと物語の序盤で匂わせてくれてれば
まだ納得いったかもだけど。
なぜ佐藤健と綾瀬はるかの立場が逆転していたのか
という理由も取って付けたような感じで、
どんでん返し“ありき”みたいなイヤな人工臭を感じる。
(主演2人の演技も後半粗くなった気がする……)
最後に明かされるモリオの謎についても正直拍子抜け。
首長竜となって襲い掛かる展開にはもっと拍子抜け。
最後だけモンスターパニックみたいになった違和感は
強過ぎるし、幼少期から根強く主人公を苛み続けた
トラウマにしてはやけにアッサリ退散しちゃうし。
そもそもなぜに首長竜。
ペンダントの話の繰り返しみたいになるが、
タツノオトシゴからの連想だと
最後の最後に言われても納得しきれないし、
二人にとって大事な存在だろうそれを
記憶の封印に利用したというのも納得いかない。
物語展開に納得できないのは、幼少から一緒だったという
恋人2人の絆を描くシーンが薄すぎるのが
一番の原因じゃないかな。
伏線の数々は幼少期の記憶に基づくものばかりだもの。
それに、2人が互いを想う気持ちが全然心に迫って来ない。
うーん、原作は『このミステリーがすごい!』大賞受賞作
ってくらいだから、小説で読んだら納得できる内容
なのかねえ……。問題のどんでん返しや首長竜は
原作から変わってない要素に思えるのだけれど。
少なくとも本作を見る限りでは、
物語の鍵を握る箇所すべてが御都合主義的で
チープな展開にしか感じられない。
非常に残念でした。
〈2013.6.1鑑賞〉
首長竜って?
久しぶり試写会に行ってきました。
邦画の試写会なので、どなたか舞台挨拶に来てくださるかと思ったのですけれど、
誰も来てくれませんでした。
残念。
内容の方は、何となく単調なストーリーで、
展開がありがちな展開で、途中でわかってしまいます。
綾瀬はるかさんや佐藤健さんファンなら、ぜひ。
原作を読んでいないので、わかりませんが。
首長竜は必要??
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