劇場公開日 2013年3月15日

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「世界映画まつり!」クラウド アトラス cmaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0世界映画まつり!

2013年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

あのウォシャスキー兄妹と俊英トム•テイクヴァがタッグを組んだ新作!と聞き、前々から楽しみにしていました。ところが、某大手新聞には冷ややかな評論が並び…。ひやひやしながら(地元シネコンではスルーされていたので)隣町まで遠征して観に行きました。…が!
「なんだ、おもしろいじゃないか!」
というのが率直な感想です。小さくガッツポーズ! 人とひとの出会いが繰り返され、折り重なり、うねりとなっていく…という普遍的なテーマを、多様な切り口でみせる三時間。傑作、名作という類ではないかもしれませんが、めくるめく楽しさが味わえました。(とはいえ、エピソード6つは少々盛り過ぎ。4つくらいでも成立するような気はしました。)
なんと言っても、一人4〜6役という俳優たちの化けっぷりが見どころです。トム•ハンクスやヒュー•グラントなどオヤジたちは悪ノリが過ぎて「やっぱりトム、やっぱりヒューさま…」という感がありましたが、若手の繊細な演じ分けは光ります。特に、ペ•ドゥナとベン•ウィショーが印象的でした。
かつて「マトリックス」を観たとき、帰り道で大興奮しながらネオのまねをして飛び跳ねている男の子たちを見かけ、幸せな気分になりました。この作品も、「なんだ、コレ!?」「こんなのが世の中にあるのか!」「映画ってスゴイ!」と若者を驚かせ、引きつけ、いつしか新たな作家、作品に繋がっていくのでは…と思います。それこそ、この作品の真骨頂ではないでしょうか。
今後に、期待!
(余談ですが…俳優たちが性別を越えて演じるのは、ラナ•ウォシャウスキー監督自身の投影?なんてちらりと思いました。「オルランド」でのティルダ•スウィントンという前例もありますが、少し毛色が違うかな…と。)

cma