劇場公開日 2013年3月15日

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「映画のジャンルを意識しない人はたぶん苦手」クラウド アトラス ゼリグさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画のジャンルを意識しない人はたぶん苦手

2013年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

要するにアクション映画だからアクションだけに期待するとか、スプラッター映画だから色んな殺され方見たいとか、SF映画だからVFX重視とか、そういうのに拘らずにあくまでも一本の「物語」として映画を観てる人は受け付けないでしょう。

各エピソードは一つのテーマを伝えるためのつなぎ的な役割で、脇役が集まったその「グループ」が主役もとい一本の作品になっている様なものなので、そこを薄いと感じてしまうとあまり楽しめないと思います。

逆に自分のように、好きな映画の「今日はあのジャンルのあのシーンだけ見れればいいや」みたいな、見所だけたまに観たくなる、つまみ食いが好きな人にはたまらないと思います。そんな人いないですか。

それと外伝(前日譚)、番外編が好きな人。メイン作品との小さなリンク、小ネタでニヤッと薄ら笑いを浮かべる事が趣味の人は絶対に楽しめます。

そんな自分は3時間程で、SF、サスペンススリラー、コメディ、ドラマ、ロマンス、アドベンチャー、アクション等が一本の作品で一挙に楽しめるため、もうお腹いっぱいでした。そして「ここでこう繋げるかー!!」と暗闇でずっとニヤニヤしてました。

ただ演出などを気にしない人は雑に見えてしょうがないでしょう。
ただの薄いストーリーのぶつ切り映像にしか見えないと思いますし。
コメディとして観ないと女装したヒューゴ・ウィービングに戸惑いしか感じないでしょうし。

こういう実は繋がっていたみたいな話は結構ありますが、ここまで壮大な、何世代にも渡るような話は漫画の神様のアレぐらいしか知らないので、こんな構成の違うストーリーも観てみたいですね。スピルバーグとか上手いんじゃないんでしょうか。

久々にDVD出るのが楽しみな映画に出会えました。

ゼリグ