闇を生きる男のレビュー・感想・評価
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牛の気持ち
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マティアス・スーナールツ主演。
何が凄いって、その肉体が凄い。筋肉量が凄い。マティアスは毎日ツナ缶食べて筋肉30kg増量したらしい。人間を通り越して、牛みたくなってる。
全裸のシーンもあるが、映画の内容からして、その肉体がセクシーだとかそういう意味合いは一切持たない、持てない。話が進むにつれ、その屈強さの理由が、あまりにも悲惨なことが判ってくるからだ。
鎧のような身体に覆われた、男の痛哭、脆弱さ、無垢さ。それが沸々と滲むマティアス・スーナールツが素晴らしい映画だった。
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ベルギー畜産業界で実際に起こった違法薬物問題(薬で短期間で牛を太らせる)とそれに纏わる殺人事件を扱った映画だが。
それに重ねて、地域的な断絶・因習(フラマン語圏とフランス語圏の境で起こる事件だ)と、主人公の他者との断絶が、生々しく悲しく浮かび上がるノワールだったなあと思う。
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