闇を生きる男
劇場公開日:2012年7月28日
解説
1995年にベルギーで起きた殺人事件をもとに描き、第84回アカデミー外国語映画賞にノミネートされたサスペンスドラマ。ベルギーのフランドル地方で畜産業を営むジャッキーは、ある日、精肉業者から怪しい仕事の依頼を受ける。商談に出かけると、そこにはジャッキーの幼なじみで、過去のある出来事をきっかけに関係が絶たれたままだった男、ヂエーデリクがいた。同じ頃、家畜ホルモンの不正使用を調査中だった捜査官が殺される事件が発生し、そのことをきっかけにジャッキーの暗い過去の秘密が暴かれていく。
2011年製作/124分/ベルギー
原題:Rundskop
配給:アース・スターエンターテイメント
スタッフ・キャスト
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2018年2月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
T・ハーディ主演の「The Drop」が個人的には傑作だったので監督のM・ロスカムに興味を。
井上雄彦の「バガボンド」辻風黄平を思い出す本作の主人公の潰されるシーンは観てるコッチがゾワゾワっと男にしか解らないショッキングさ!?
登場人物が多く話も複雑な感じで進むかと思いきや若干の説明過多な演出に描写が目立って邪魔になっている気もする。
哀しきモンスター!?的なキャラの主人公に同じ男として共感よりもイライラてしまうラストまで。
ベルギーが二ヶ国語で分かれている国だとは知らずに勉強になった。
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マティアス・スーナールツ主演。
何が凄いって、その肉体が凄い。筋肉量が凄い。マティアスは毎日ツナ缶食べて筋肉30kg増量したらしい。人間を通り越して、牛みたくなってる。
全裸のシーンもあるが、映画の内容からして、その肉体がセクシーだとかそういう意味合いは一切持たない、持てない。話が進むにつれ、その屈強さの理由が、あまりにも悲惨なことが判ってくるからだ。
鎧のような身体に覆われた、男の痛哭、脆弱さ、無垢さ。それが沸々と滲むマティアス・スーナールツが素晴らしい映画だった。
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ベルギー畜産業界で実際に起こった違法薬物問題(薬で短期間で牛を太らせる)とそれに纏わる殺人事件を扱った映画だが。
それに重ねて、地域的な断絶・因習(フラマン語圏とフランス語圏の境で起こる事件だ)と、主人公の他者との断絶が、生々しく悲しく浮かび上がるノワールだったなあと思う。