コンフィデンスマン ある詐欺師の男のレビュー・感想・評価
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爽快感のない詐欺映画
詐欺の相棒を殺した罪で服役出所した主人公が、相棒の息子に絡まれて詐欺を行う物語。
サミュエル・エル・ジャクソン主演のクライムサスペンス。
「詐欺」の映画といえば、「スティング」に代表されるように、爽快感に似たカタルシスが持ち味の映画が多いですよね。
しかし、この映画は真逆の映画。
相棒を殺した自責、悔恨。相棒の息子・・・そしてある女性との出会い。
犯罪に明け暮れて未来を失い、犯罪に戻らざるを得ない主人公に切なさを感じてしまう・・・そんな映画です。
その意味では、良く出来た映画だとも思います。
ただ、25年も服役していたにしては、ネットバンク等の機能を屈指した詐欺に取り組むのは、流石に無理があるように感じます。
詐欺を持ちかけられてから半年位かけて作戦を練る設定の方が、主人公のキャラにも合いますし映画の完成度も上がったのではないでしょうか?
なんだかなー。
どうしても設定の粗さが気になった。
もとは凄腕の詐欺師なのに、若造に振り回されっぱなしだし
クライマックスでは娘が衝撃の事実をすんなり受け入れちゃってるし。
個人的には最後の大仕事に臨む準備のくだりがいちばん盛り上がったけど、
そこに至るまでがまぁ長いし、それ以降が尻すぼみ。
なんていうか失礼だけど、「その他大勢」にもちょっと及ばないくらいの駄作かな、と。
善きサマリア人
イーサン(カービー)は詐欺師であった父親の血を引いてるためか、詐欺師となって大儲けしたいとう思う悪い奴。その父親を撃ち殺してしまったという罪悪感もあり、彼に脅迫されながらも詐欺の相棒を断り続けていたフォーリーだった。工事現場で働くものの、イーサンの嫌がらせによってクビになる始末・・・
そんなときイーサンの紹介で若いヤク中の女アイリスと出会う。その時は単に変人扱いさせられたフォーリーだったが、馴染みのバーで男に乱暴されそうになったアイリスを助けてから、フォーリーとアイリスは愛し合うようになる。ヤク中で自殺未遂の過去もある堕ちた女だったが、年齢が離れているにもかかわらず気が合ったのだ。しかし、そのアイリスは実はフォーリーの娘であることをイーサンに告げられ、それをネタに詐欺師の相棒として手を組まされる・・・
オトリ役の女も用意して準備万端となっていたが、実行前に女が自殺!イーサンに借金もあった女だが恨みを抱いていて、彼をしくじらせようと図ったのだ。そして、イーサンはアイリスと寝ていたというショッキングな事実。フォーリーは彼女を娘としか見れなくなっていたので困惑ぶりも複雑なものがある。そして、オトリ役としてアイリスが名乗り出て、練習もままならぬまま実行へと移す。相手は大物ゼイビア(トム・ウィルキンソン)。上手く騙そうとしたのだが、アイリスは突如フォーリーを指さして「こいつは詐欺師よ!」と急展開。そこからは銃撃戦。イーサンもゼイビアも死んでしまったが、アイリスもイーサンに撃たれて重傷。闇医者に診せるものの、大量の輸血が必要となり、死を覚悟してフォーリーは娘に血を与えるのだった・・・
途中までは実の娘と寝させるという荒業が空恐ろしい展開で夢中になるが、終盤はやっつけ仕事の感が否めない。人間ドラマとして楽しむためにはちょいと浅い描写なのだ。それでもストーリー的に満足。“善きサマリア人”というのがタイトルにも使われているが、人は変わろうとしなければ何も変わらないというのがちょっと弱い。
凡庸
まあ、普通です。思いっきりダメなわけでもなし、めちゃくちゃ感激するでもなし。
鑑賞して、少々雑な印象を受けました。
色々なエピソードを詰め込みすぎている感じもします。特に後半になるにつれてごちゃつきましたね。もう少し削るか、93分しかないのだから少し伸ばして丁寧にした方が良かったと思いました。
ただ、鑑賞して退屈な映画ではないです。
演技も良かったし、シナリオもピリッと大人向けで楽しめました。
前半非常に期待値があがる
この映画に込めた気合は十分に伝わった。気合というと誤解がありそうだが、志のたかさがうかがえるということ。
ただ少し短絡的になりすぎているのか、つなぎ目が性急すぎる。物語を展開するために都合よく各役が各場面に現われる。これをテンポ重視の潔さと採る事もできるのかもしれないが、すばらしいテーマを持ち合わせているだけに、丁寧さに欠ける惜しい印象を残す。
ほんともっと感動できる要素はたっぷりあったのに、いま一歩及ばない。実は父と娘、っていいところ突いてるのに、事実を提示するタイミングが悪いのか、流れてしまっている。
ラストも上手くいけば名作なのだが、どっかで見た感じもする。
所詮いいパーツが揃っても包括する力がないとこうなるってこと。
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