清須会議のレビュー・感想・評価
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心理劇ではやや映像が楽しめない
封切りの翌日に観た。私は原作が面白く読めて、では映画ではどうかなと期待して観た。評価すべきは心理戦の描き方が原作同様緻密であること。衣装や方言も悪くない。また善人の柴田勝家像と策略家の秀吉が俳優の役所広司と大泉洋という芸達者で味わいがある。身近な人物像というコメディでもあるので共鳴しやすい。佐藤浩市の池田恒興や小日向文世の丹羽長政も相当味がある。他にも癖ある存在感出す役者がいて楽しめた。しかし半面映像をドラマ展開に合わせやや狭い空間にとどめ過ぎであること。戦国時代の群像劇で三谷ドラマの特質のせいか映像空間が狭い気がする。映画独特の広がりが欲しい。天守閣からのCGなど使用らしい画像では物足りない。リアルなパノラマビューが欲しいが…。次に音楽は印象に残らなかったし、女優の眉落としとお歯黒は馴染めなかった。結果、評価を高くしたいが少し難しいかな…。
演技がメインの作品です。
平凡です。
あまりにも平凡すぎて、何か見落としたのかと心配になる程です。
三谷幸喜監督の作品は好きなので、ついハードルを上げて見てしまいます。
既存の作品とは異なり、史実になぞった物語なのですが、これは鑑賞者を選んでしまうのではないでしょうか。
歴史人物に思い入れが無いと、感情移入が難しいと思います。
私は歴史に疎いので、見終わった後も「ふぅん」と思っただけでした。
映画の完成度は高いです。
話はテンポ良く進みますし、主役二人の思惑が、一本の軸の上で駆け引きして演じる姿は見応えがあります。
ただ、何故なのか「まとまってしまった」感がありました。
今までの三谷作品とは、一線を画するというのならば成功しています。
しかし、これまでのようなコメディを期待すると、肩透かしを食らうと思います。
歴史物語が好きな方にオススメです。
個人的には三谷映画で一番見やすい。
戦国の感慨深く
上映時間が長いため、前作「ステキな金縛り」と同じ轍を踏んでしまったか、と恐れましたが、今回はラスト20分に素晴らしいシーンがありました。
特に、会議の結論が出てからの柴田勝家と丹羽長秀のやり取りには、長い付き合いからくる断ち切れない親しみ、生き抜くために生じた立場の違いへの理解、お互いもう以前の付き合いには戻れないことをわかっていながら、湿っぽい関係にはならない互いの気遣いなど、様々な感情が混じり合い、胸に迫るシーンでした。
お市の方、松姫など女性たちも戦国を生き抜くしたたかさ、譲れない意地などを見せてくれ、眠気で重くなった眼が開かれ、スクリーンに集中し直せました。
正直、コメディとしては前作の方が出来が良かったと思います。笑う、というより“ニヤリ”止まりでした。眠たくなったのも事実です。
でも、大泉洋はじめ役者陣は良かったですし、映画全体としてラストの締めが素晴らしかったので、トータルではこれまでの三谷作品の中で最も良い出来だったのではないでしょうか。
あとはやっぱり尺の使い方ですね。会議後日談が始まって少しした頃、私の前に座っていた方が「もういいだろう」と言ってお連れの方と途中退出してました。どんな良いシーンが控えていても、観客をそこまで引っ張れなければ駄作で終わります。無駄と余韻は紙一重かもしれませんが、三谷さんはまだ「無駄」が多いと思いますよ。
歴史マニア三谷幸喜らしい映画
三谷幸喜の監督第6作です。信長亡きあとの織田家の当主を決めるために開かれた「清須会議」を題材にしたコメディです。実際にあった歴史的事実をベースにしているので、コメディとしては物足りないかもしれません。清須会議やこの時期の歴史を知らないと、登場人物が多く、動きが少なく、ストーリーも単調でわかりにくくいという評価になると思います。ただ、歴史的背景や事実を理解していると、これだけ多くの登場人物がその時点での歴史的な立場を踏まえて描かれており、面白かったです。お市が秀吉を嫌っている理由、このあとの秀吉の天下統一と柴田勝家やお市の運命、秀吉とお市の三人娘との関わり等を知っていると、さらに楽しめると思います。さすがは歴史マニアの三谷幸喜という感じです。
俳優の演技を観た感じ
ちゃんと時代劇してる
良かったです!
三谷幸喜のクレジットが原作だけならここまでガッカリしないかも
剛力が出てなければ…
面白かったです。歴史はあまり詳しくなくて、清須会議の存在自体、この作品で初めて知った有様ですが、それでも十分楽しめました。
教科書や「真面目な日本史」ではどう解説されているのかなど、歴史に興味を持つきっかけにさえなりました。
ただ、剛力彩芽がとにかく浮いていた。事務所が無理矢理ねじ込んだんでしょう。
他に適役はいくらでもいると思うんですが、それでも大人の事情に負けて剛力を使ってしまった点がマイナス。それがなければ★五つでした。
会議は戦以上に戦なんですね
歴史物として見たらちょっとふざけ過ぎ、でも三谷幸喜作品として見たら笑いが少々物足りずと、まあ悪く言ってしまえばどっちつかずな作品ではありましたが、何かと制約がある中でもこれだけ楽しい映画を作ってしまうのですから、やはりそこはさすが三谷幸喜だなと改めて思わされた次第です。
歴史好きの人が見てどうなのかは分かりませんが、歴史が苦手な私の様な者が見ても飽きずに最後まで楽しめる映画を作ったことは、素直に評価してあげたいかなと。
合戦も無くただ会議をするだけの内容でここまで面白い映画を作れる人なんて、そうそういないと思いますよ。
会議と言う名の言葉の合戦、私は存分に楽しませてもらいました!
役所広司(柴田勝家)・・・武力は抜群ながら知略には少々欠ける感じが、予想以上に上手く表現出来ていた印象です。
さすがに体臭や口臭がキツそうには見えなかったですが(笑)
その後の運命を考えると、彼の一挙手一投足が何だか妙に切ないですね・・・。
大泉洋(羽柴秀吉)・・・見た目は別にして、何気に今までに見た(数少ないですが)秀吉の中では一番しっくり来ましたし、ダントツで面白かったです!
ふざけているようで全て計算づく・・・私もこの時代の庶民だったなら、間違いなく秀吉を支持していた、いや、まんまと支持させられていた気がしましたね。
小日向文世(丹羽長秀)・・・苦悩する知将・小日向長秀が、何か妙に新鮮でした。
義を取るか、天下人になるであろう人を選ぶか、実際彼の苦悩は相当計り知れないものがあったのでしょうね・・・。
佐藤浩市(池田恒興)・・・好感は持てませんが、生きてなんぼと考えれば、単純に損得勘定だけで動く辺りの生き抜く術は、ある意味素晴らしいの一言。
まあ、おいしい米(または蟹)と領地なら、それは・・・ねぇ・・・。
妻夫木聡(織田信雄)・・・いくらなんでもさすがにここまでのバカでは無かったのでしょうが、映画的には本当にナイスなキャラでしたね。
特に旗取り合戦は爆笑でした。バカに徹した妻夫木聡、大義でした!
坂東巳之助(織田信孝)・・・織田家の中では、良くも悪くも一番まともな感性を持っていた人物だったのでしょうね。
でもこう言う人って、やっぱりリーダーにはなれないんですよね・・・。
伊勢谷友介(織田三十郎信包)・・・三十郎がどんな人物だったのかは正直よく分かりませんが、伊勢谷友介が演じてしまうと本当に変わり者だったとしか思えなくなりますね。
もっと面白くなりそうだったので、もっと彼の見せ場を作って欲しかったなぁ・・・。
浅野忠信(前田利家)・・・前田利家がどうこうと言うよりも、単純に浅野忠信が格好良かった!
秀吉と対峙したあのシーンは、本当に痺れましたよ。
寺島進(黒田官兵衛)・・・珍しくいつもの寺島進を封印して、ちゃんと軍師っぽい雰囲気を醸し出していましたね。
寺島官兵衛、お見事でした。
鈴木京香(お市様)・・・顔が怖い!いや、雰囲気からして怖かった。
秀吉への恨み節、まさに女の情念恐るべしですね・・・。
剛力彩芽(松姫)・・・顔が怖い、パート2!三谷幸喜だったから出来た剛力ちゃんいじりかな。
そして、女の情念恐るべしパート2でもありましたねぇ・・・。
中谷美紀(寧)・・・いつもと違い底抜けに明るい女性を演じていた中谷美紀が何故かちょっと新鮮でした。
中谷美紀を久しぶりに凄いとか上手いじゃなくて、可愛いと思えましたよ。
西田敏行(更科六兵衛)・・・あの「ステキな金縛り」の六兵衛さんにまた会えるなんて・・・何ともステキな心憎い演出でしたね。
他多数・・・チョイ役陣が思いっきり豪華なところは、さすが三谷幸喜作品ですね。
そんな中でも個人的には篠井英介の織田信長が画的な部分で妙にツボでした。
歴史に疎い私は、見終わってから思わず「清須会議」に出てきた登場人物やその当時の出来事をWikiで調べまくってしまいました(苦笑)
こうして歴史が好きになっていったりするんでしょうね・・・。
ひょっとしたら事実かも、と思わせる
ラヂオの時間は超好きでしたが、悪いけれどその後は駄作続きの感が強い三谷作品です。前作『素敵な金縛り』もひどい出来だったと思いました。
『清州会議』はご自分で書いた小説が数年前に評判となり、満を持しての映画製作だったのでしょう。道産子としては誇らしいばかりですが、大泉洋が知らぬ間に三谷ファミリー入りしていまいしたね。主役抜擢やプロモーションでのはしゃぎ具合が証明していました。洋ちゃんの人たらしぶりは秀吉に通じるかも…。
さて、今回の作品はどうだったかというと、十分「まる!」という感じでした。ギャグも切れてますし、歴史考証に基づいた各人のキャラ造形も面白いです。何より、歴史的な背景を理解していればいるほど、キャラクターの行動や関係性に思わず、「にやり」としてしまうことが多いです。
もちろん、これがそのまま史実のわけはないんだけれども、実際に起こった出来事の一側面を表現しているんではないか、という説得力は十分にあります。特に秀吉という歴史上の偉人は、これまで数多くの名優という名優が演じていますが、この作品の秀吉が、最も彼のスペシャルな部分を描けていたのではないかと思います。数多くの信長家臣団の中で、最も大局観に立ち、人心を掌握し、時代の要請に応えることができるのは、彼だけなのだ、ということがわかります。
あと、この映画のうまいところは、敗れゆくものとしての勝家を、みじめなアホに描くだけではなくて、(あくまで現代的な感覚だとは思うが)この生き方もありだよね、幸せかもね、と描いているところだと思います。そこが、見る者にとてもさわやかな印象を残しているのが、良かったです。
歴史も過去の日常
三谷映画の過ち。
もともと三谷喜劇は好きです。
舞台は必ず観に行きますし、舞台のDVDや戯曲も持っているほどなので、ファンと言っても過言ではないかもしれません。
しかし、氏の映画を観る度に思います。
「映画だと、なんでこうなってしまうんだろう。」
まず、史実をもとにしたとはいえ、あまりにも脚本に構成力がなさすぎる。
「会議」がテーマなので「12人の優しい日本人」くらいのクオリティを望んでいたけれど、それには遠く及ばず。
三谷喜劇特有の会話劇の醍醐味もなく、可笑しみを誘おうとする小ネタの数々は、相変わらずアタケていて、シラケるばかり。
ストーリーの運び方にしても、登場人物が多すぎるせいで、本筋がボケてしまっているし、
無駄なエピソード、無駄なギャグのせいで、切迫感・真剣味が削がれてしまっている。
なにより、「会議という名の戦場」での2人の戦いがあまりにもお粗末。
大泉洋演じる羽柴秀吉が裏で根回ししている間、
役所広司演じる柴田勝家は女にうつつを抜かすだけ。
これでは、観客も勝負の行方を簡単に想像できてしまうし、柴田勝家にも同情できない。
会議によって、世の中が変わるという緊迫感をもっと出すべきだし、もしそこに重点をおいていないのだったら、タイトルを変えるべきだと思う。
いままでのコメディ要素満載のドタバタ映画に比べたら、幾分観れるものになっていますが、
それでも映画としたの完成度は低いと思います。
役所広司が好きだ
割とまじめ
想像以上にまじめなつくりで、前三作の感覚で観に行き肩透かしをくらいました。
しかし戦国時代に疎い私でも楽しめた映画です。歴史の政治的な掛け合いを描くにはちょうどいいテンポとノリではなかったかと。
一方でやっぱり前作のようなドタバタ感ももう少し欲しかったかなーとも思いますし、ちょっと最後あたり長かったというか間延びしたようにも感じました。
キャラクターに関しては丹羽さんがとても好きです。伊勢谷さんの三十郎様も魅力的で、剛力さんの松姫もいい感じ。
この映画を観て自分は群像劇が好きだなーと改めて実感。インタビューによれば歴史上の他の会議も撮りたいとのことで。時代的に色々難しいことも多いでしょうが今から楽しみです。
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