レ・ミゼラブル(2012)のレビュー・感想・評価
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私は誰だ? ジャン・バルジャンだ
映画「レ・ミゼラブル」(トム・フーパー監督)から。
有名作品のミュージカルを、さらに映画化となると、
評価が分かれるのではないだろうか。
戦いで死にそうになっても、リズムある台詞があり、
ラストシーン、死ぬ瞬間まで、メロディで台詞を口にする。
私には、やや違和感を感じてしまったのは残念だ。
しかし、だからこそミュージカルらしいシーンを紹介しておく。
「今、世界の色は、日々塗り替えられている」と呟き、
リズムに合わせて、革命に燃える若者が歌うシーン。
「レッド、怒れる民衆の血。ブラック、弾圧の過去。
レッド、新世界の夜明け。ブラック、長かった夜の終わり」
それに比べ「恋の虜に」なってしまった若者は、こう歌う。
「一瞬の光で、世界は変わると、
正しさが悪にみえて、悪が正しくみえるだろう」
「レッド、僕の燃える魂。ブラック、彼女のいないむなしさ。
レッド、希望の色。ブラック、絶望の色」
同じ色なのに、こんなにもイメージが違うのか、と
鑑賞後、メモを振り返り、思わず苦笑いした。
「私は誰だ? ジャン・バルジャンだ」
「私は誰だ? あなたはジャン・バルジャン」
常に、自問自答している主人公のジャン・バルジャンが、
強く印象に残った作品であった。
ありがとう映画化
このふた月間に帝国劇場で4回(まだあと2回観る)。6月21日の解禁と同時にBD2泊3日のレンタルで本編5回+特典2回観て後ろ髪曳かれつつ返却。
レミゼホリックな私の、
これは個人的な備忘録。
【冒頭】
囚人バルジャンに旗を持って来させてその怪力振りをジャベールが目撃する展開。
舞台にはないこのシーンは、その後に馬車を持ち上げる時の市長バルジャンをジャベが疑う自然な流れを作ってくれて拍手!
【工場】
ファンテーヌと女達のいざこざを放置して、その場を工場長に任せて居なくなる市長バルジャン。
舞台では、ジャベールが訪ねて来ておらず。なので何でファンテーヌを助けずにほったらかしで行っちゃうの?無関心で冷たい市長っていつも思ってた。
だから映画で上から覗くジャベールに気づいて、気もそぞろになり思わず立ち去るバルジャンは、なるほど、これなら納得!この時の後悔がコゼットを守り抜く思いへと繋がるんだと膝を打つ思い。
【夢やぶれて】
髪を刈られ、身を売ってから絶望のどん底で、吐き出すように歌うのが映画。
でも、舞台では工場をクビにされてからすぐ歌う。
落ちるとこまで落ちて絶望を歌う映画。
夢は輝いてたと振り返りつつも過去との決別を歌う舞台。
歌う順が変わり、ファンテーヌの境遇はより惨めさが際立った。
お話の運びは確かにこの方が良いのでしょう。
皆さんも泣くポイントでしょう。
でもね、夢やぶれては、あんなにも吐き出しすように歌って欲しくないの。という、ミュージカルファンとして敢えて舞台に軍配。
舞台の新演出では、ファンテーヌの歌い方がやや強くなった。
でもそれは絶望ではなく、どんな運命でも今、受け止めて生きてやる、という開き直った母の強さだと思う。
【ジャベールの背景】
映画で一番の収穫は、ジャベールが監獄で生まれたとはっきり歌った事。
もちろん、舞台でも同じ歌詞を歌っている。
ただその歌詞はバルジャンの違う歌詞と重なりハッキリとは聞き取れないのだ。
映画ではその大切な部分はジャベールが一人歌う。
これは本当に正しい。
ジャベールがなぜバルジャンに固執するのか。
ひとつ間違えば自分も囚人バルジャンだったのだ。でも自分は負けなかった。
だからこそバルジャンが許せない。我こそ正義。法こそ全て。
ジャベールの背景を知り、自殺する彼に寄り添える。
映画ではガブローシュの亡きがらに勲章を着けてやるジャベール。
偏執的な面が減り、より人間性が増した。
俄然ジャベールが好きになった。映画のおかげで舞台のジャベールの最期にも熱い思いを込めて観るようになった。
【マリウスとコゼットの恋】
アマンダのコゼットは舞台旧演出のフランス人形のようなキャラクターから、全身で喜びを表現してとても魅力的になった。マリウスがこんなにも夢中になるのももっともに思える。
だからエポニーヌとの三角関係がより切ない。
二人の逢瀬を手伝うエポニーヌの、彼に捧げる笑顔と悲しみが入り混じる表情は、さすがに25周年のレミゼラブル記念コンサートに呼ばれた舞台女優。
映画ではアン・ハサウェーが世間の高い評価を受けたけど、私は断然、エポニーヌを演じたサマンサ・バーンズを推す!
いつかイギリスのウエストエンドでレミゼラブルを観る時は必ず彼女で観たい!
だから「恵みの雨」が短くなったのは残念。
映画だと舞台の常識は通用しないのか。
冗長になるからとガブローシュのソロも短くティナルディエの下水道に至ってはバッサリ失くなった。
映画のリアル感には時々辟易。下水道は汚すぎてちょっと。宿屋もね。コミカルで笑えるシーンも汚すぎだと暗くなる。
【バリケードについて】
なんであんなにも小さいのか?舞台のものより小さい。実際、貧民街はあんな狭い通りしかなかったのだろう。
でもそこは映画的嘘をつくべき所でしょうが。舞台のような制約もなく作れるんだから。
映画ではアンジョルラスの輝きが減ったようで寂しいかった。あそこじゃアンジョルラスが死ねない。死に様は大切な見せ場だったのに。
新演出の舞台までもあのシーンが全面変更でもう唖然だった。
文句も言うけど、映画になってより解りやすくなった所あるよ、ありがとう。
そこは本筋じゃないけど大事な場面、でも変えたんだっていう所も。でも仕方ないんだ、たくさんの人に観て貰いたいから。
映画を入り口に舞台も観てほしいから。
よくぞ映画にしてくれました。ありがとう。
トム・フーパー監督はBDのコメンタリーの中で泣く泣く切ったと話していた。いつか切る前のディレクターズカット版の発売を熱烈待望!たとえ4時間超えてもいいね!って言うと約束します!
ミュージカル映画として文句なく素晴らしい
公開前の盛り上がりがすさまじかったので見に行った。
ミュージカル映画として大変素晴らしいと思う。
世界的名作が原作だけあって、ストーリーも登場人物の設定も扱っているテーマも深くてよい。大人の鑑賞にたえうると思う。
音楽もいい。ラストの合唱には人間の根底にある自由への渇望がひしひしと伝わってきて、劇場を出たあともしばらく余韻に浸っていた。
また、出演者それぞれのソロも感情と音楽性が見事に融合し、俳優魂を感じた。方々で絶賛されているアン・ハサウェイの"夢やぶれて”は記憶に残るものだった。
ミュージカル映画が苦手な人には、やはりきついかもしれない。セリフが全て音楽付きという特殊な状況に堪えられれば一見の価値はあると思う。
劇場には年配、中年の人の姿も多く、終わりにはあちこちからすすり泣く声が聞こえた。色んな人生を乗り越えてきた先輩諸氏にこそより強く響く何かがあるのかもしれない。
心に残る
2か月程前に劇場で観ました。
普段、ミュージカルとか観ないので、
上映中は一つの心境を歌で長々と歌いあげる感じや、
直前まで思いっきり熱唱していた人が突然衰弱死(?)する姿に「ちょwwおいおいwww」といった感じで若干冷めた目で観ていました。
しかし、観終わって数か月たった今でも、いくつかの場面が頭の中に蘇ることがあり、
レンタルが開始したらもう一度観てみようとも考えているので、何だかんだで曲や役者さんたちの熱唱が心の中に余韻を残しているみたいです。
ちなみに、一番印象に残っているのは、やはりエポニーヌです。健気すぎます。
報われてほしかった(;_:)
余韻が凄い
映像、音響、迫力が脳裏に焼き付いて記憶を司る部分を結構な割合支配されてました。(約1ヶ月)
もう一度観たい。聴きたい。歌いたい。
ミュージカルも観たい。聴きたい。歌いたい。
開始20分でボロ泣き
ミュージカル調というだけで若干敬遠してしまっていましたが、
すんなり入り込めるテンポの良さがあったと思います。
レ・ミゼラブルは何度もリメイクされているとのことですが、
私はきちんと見たのが初めてでしたので、とても感動しました。
開始20分でしょうか。
ジャンバルジャンが神父の優しさに触れ、己を見つめなおすところからボロ泣きです。
とてもいい映画でした。
出入り自由な映画館でひとりぶっ通し浸りたい♪
高校演劇科に通う娘が、音楽のセンセに「劇科必見」とお達しされたとか「もう2回観に行ったコもいる」とか言っていたので、多忙な合間を縫ってまず1見。
ミュージカルっていうことも知らず、子ども時分に読んだ、西洋道徳的色彩濃い重いストーリーかな、くらいに思い、また「こんなのでミュージカル(劇場版)が何十年も上演され続けてるって、へー」くらいの、まあ、子どもの付添いPTAママ的ノリで行ったのです。
のっけから「下見ろ!」のでかい船引く罪人たちのホンマにエラそうな(これは方言で、しんどそうの意。あれ?これも方言?)歌で、「え~っミュージカルって最初っから歌!?」と、ここでミュージカル嫌いの人はどん引きしてるみたいだけど、私はどんどん吸い寄せられ・・・。
工場でのやりとりに「30年くらい前(海猫Nの学生~就職時代)はこんな感じが残っていたなあ!!!」、娼婦たちの客引きする街角描写なんかには、げげーっと思いながらも、昔近所を歩いていて迷い込んだ飛田に、雰囲気は全く違えども似たようなエネルギーが流れとったと思い出したり、汚い宿屋の床やそこにいる面々に「ちょっと前まで、日本も汚かったな・・・」。
地下水道場面では、アンジェイ・ワイダの「地下水道」をふと想い出し、出口に柵が!?とストレス度180%超え⤴⤴⤴・・・開いててヨカッタヨ~。
宿屋のイカレたモラルなし両親の子(エポニーヌ)が純粋な愛の感情を謳い上げ、他の人に恋しちゃってる彼との一方通行な愛を昇華させる場面では、泥沼の蓮が目に浮かび、若いころの純粋な気持ちを想い出したり、うちの子も両親いい加減でもちゃんとジュンに育ってや~と親心を浮かべたりしながら・・・。
子役のコゼットの、森に一人で行かせないで~の曲と歌声が染み入り、バリケードでの男の子の行動に、あの年頃の子って、この環境だとこう行動する子もいるよね―反抗心と自立心と背伸びと、やんちゃと、わくわくと、すきっ腹なんかで―と納得。その場に飛び込んで助けてやりたいっ悲(T_T)哀
軍隊の隊長さん役の人がほんの少しだけ垣間見せてくれた、人間性と組織の人間としての職務全うとの間の葛藤に、この内戦状態の中で救いを見出したり、戦闘終わって「小さいころから知っている子もいたよ」と流れた血を雑巾で拭う苦渋を押し殺したおかみさんたちに、池田小学校事件でわが子の血だまりに寄り添って横たわり続けたとうわさに聞いたお母さんのことをふと思い出したり、学生運動の孤立には、「歴史は繰り返されているんかな」と。リーダー役の俳優さん、かっこよかったね。
後半、ジャン・バルジャンやジャベール、コゼットたち?が、同じ曲想でそれぞれの感情を歌いながらどんどん筋が近づいて重なっていくところは、「ウエスト・サイドストーリー」の後半、(多分トウナイトを)歌いながらのところを彷彿とさせるものもありましたね。
アマンダ・セイフライドのコゼットよかった。ファンです。彼女出てなかったら、「一人で観てきたら?」と言ってたかも。
キリスト教徒じゃないので、「そんな自分たちのつくった善か悪かの二律背反で悩んで人間やめないでいいのに」など、そもそものテーマや文脈には共感しないところも多かったけれど、自分たちの作った社会的規範に振り回される人間・社会について考えるには、この作品(レミゼ原作)って、きっと好いんだね~と、も一度全編読まないといけない気持ちになりました。本屋に行ったら、しっかり平積みで売ってタヨ!今読んでるものたちを読み切って、読むものが途絶えたら、読んでみよう・・・。
娘もいっぱい泣いたと言ってましたが、世代が違うと、きっと受け止めが違うんだろね。どんなことが涙腺を緩めたのかな・・・。
私はその後、学生時代からの親友と1回、さらにダンナと1回、計3回観に行きました。そのたびにまた感動が増幅・・・。3回目には、天国の大バリケードの人々に、私たちが住むこの豊かな時代を支えてくれている多くの魂を感じ、すでに私の中では過去になってきている自由の魂を、映画人って持ち続けている人たちいるのかなあと、呼び覚まされるおもいがしました。
昔よくあった、入場料300円とか払ったら1日中いてられる映画館で、端っこに座ってとなりにドカンと荷物を置き(痴漢オジサン対策)、ビールでものみながら、時々合間に売られるモナカアイスを食べながら、そして時々居眠りもしながら、一日過ごして鎮魂感に浸りたい・・・そんな気持ちになる映画でした。感謝。
みんなに観てほしい
初めて観たときは正直途中まで退屈でした。ずっと歌ってるしみんなのテンションについていけず面白くないどころか結構しんどかったのを覚えています
しかし最後の大合唱のシーンにきていきなりの号泣(笑)
あんなに愛、希望に溢れていて心の底から元気のもらえるラストシーンはこれから先も出会える自信がありません
今でこそ全てのシーンを好んで観れる様になれましたがあのラストシーンだけ別格です
賛否両論分かれる作品なのは分かるんですがあのラストシーンのためだけでもみんなに見て欲しいです
迫力!
凄まじく良かった!自分のつぼにはまる映画だった
司教の愛にふれて生まれ変わったジャンバルジャン。
ジュベールが来たときいてコゼットと逃げる時真っ先にカバンに入れたのが司教から貰った銀の燭台だったのにはぐっときた。ヒュージャックマンの演技も歌も
本当に良かった!
あんな最後を迎えなくちゃならなかったジャベールも悲しい。
自分は正義だと信じていたのに革命を起こす民衆もまた正義のために戦っている。悪党だと思っていたジャンバルジャンに命を救われ命を救われたと同時に今まで生きてきた“自分”を殺されてしまった。
自分の価値観が根底から覆ってしまう世界が来てしまったんだろうな。
ファンティーヌ役のアンハサウェイはよくもあんなに鶏ガラのようにまで・・・本当すごい
幼少期のコゼットが凄まじく可愛らしかった!大きくなってからもかわいいけどね^ ^アマンダ綺麗なソプラノ!
あとエポニーヌと名前忘れたけど男の子が光ってました。
ミュージカルっていうのが今回は変な説明なしでテンポ良くすすんで良かったかなと思いました。
また見に行こうかなー
ミュージカル映画だ
いや〜見事にずっと歌ってます。もっとセリフがあるかと思ってたのに。私はやっぱり歌いながら話すのはあまり好みでないのを実感。
俳優さん達は歌上手いね〜!聞かせる声だわ。
ラッセルクロウはやっぱりカッコイイ!存在感あるし!声も素敵だった。もう少し痩せてると最高!命を絶ったのは寂しい。
ヒュージャックマンは役作りなんだろうけどオッサンでちょっと悲しい。もっと男前なのに髪型とかヘン!
コゼットの旦那よりリーダーの方がイケメンだった。
死んじゃった宿屋の娘さんの想いが切なかった〜切ないのがまた良い!
出演女優陣も好きな人達だったから尚良かった。
レ・ミゼラブル レビュー~観終わって「IMAX」でやっている映画館を探してしまった程何度も見たい作品~
私が最初にレ・ミゼラブルを見たのはロンドンのミュージカルシアターでした。
実に今から四半世紀前、20歳になりたての頃だったかと思います。
その時の音の洪水や臨場感は今も記憶に鮮明に残っていますが
今回映画を見て、舞台に負けない迫力を感じ、
「あーもっと音の良い映画館を選べば良かった」と後悔したほど
ヒュージャックマン主演の「レ・ミゼラブル」は良い映画でした。
当然、四季のレ・ミゼラブルも何度か観ましたが
日本語版の歌詞より原版の歌詞の方が奥が深く、
また英語が苦手な私には、
今回の様な字幕が流れる方が「歌」と「筋」を切り離して楽しめました。
故に違う歌詞(セリフ)をハモらせて歌うくだりなんか
舞台の臨場感とは別の素晴らさを感じることができました。
もともとこのミュージカルは
例えば時間軸とか、場所とか、革命とか、
小さな舞台におさめきるのが難しい作品だと思っていましたが
この映画では実に見事に描き切っている様に思います。
なかでも特筆すべきは
ヒュー・ジャックマンの振り幅広い役作りと力鬼気迫る圧倒的な眼光、
そして表現深い美声だと思います。
まず役作り・眼光について。
彼はこの映画で短期間の間に-7kgから+8kgまでの体重増減を行ったそう。
舞台では袖であっという間に時を超える必要があるこの作品が
映画の、しかもヒュージャックマンならではの説得力で、
ジャン・バルジャンが背負った「人生の重み」を見事に描き切っています。
最初の囚人時代の「人を憎み切ったギラギラの奥目」と
最後の老人時代の「神に誠実であったかの自責に怯える奥目」との間には
実に何十年もの年齢層を感じさせます。
深みが、愛情や苦しみが、本当に丁寧に滲み出ていて
皺の一本一本までが演技をしているかの様に感じました。
そして次に歌声。
これにはもう本当に頭が下がりました。
トム・クルーズのトロトロなロックも凄いって思いましたが
彼の奥行きを感じさせる深い美声は何!?
凄すぎるよヒュー・ジャックマン、本当に痺れました。
本当カッコ良かったです!
さて、レ・ミゼラブルにおいて忘れてはいけない
主要キャラたちの押さえもしっかりしてました。
ラッセル・クロウの描く宿敵・ジャンベールもまた素晴らしい!
歌声ももとバンドのヴォーカルをやっていただけあって「星よ」とか、かなりのもの。
アン・ハサウェイ演じるファンティーヌの切ない「夢破れて」も良かったです。
コゼットを思う青年マリウスに片思いして歌うエポニーヌの「オン・マイ・オウン」も。
しかし、この映画、レビューを見る限り賛否両論の模様ですね。
ミュージカルの「歌って進むストーリー」に違和感を感じる人は
確かに全然感情移入できないだろうし、話の唐突感とか違和感や嫌悪感を感じるかも。
逆に舞台が好き過ぎて2Dの映画に浅薄さを感じてしまう人も
「これは舞台だから映えるもの」「いっそ普通の物語展開にしてほしかった」と
思うのかもですが、私は舞台の肉感をイメージして3Dに重ねて見てたので
心から楽しめました。
さて。
最後にネタバレなのですが
(といってもあまりに有名すぎる話なので「ネタバレ」もないけど)
ジャンバルジャンを負い続ける
ジャヴェールについて書きたいことを。
一応少し段を落とします。
最後、死んだ者たちが一堂に(天国で?)歌うの「民衆の歌」のシーン。
当たり前かもしれないけどジャヴェール警部はそこにいません。
あくまで価値観が違うから、あの場にいなかったのでしょうか
それともやはり「自死」というのは「殺人」よりも
キリスト教的観点において罪深いことなのでしょうか。
(衛兵を殺したであろう革命を目指した若者たちもいた気がするので)
あれだけ敬虔に神を信じ、パン一つの「盗み」をも背徳とするジャベール、
その彼が、
(おそらく不幸な生い立ちから這い上がってきたであろう)自分よりも
ジャン・バルジャンのそばに神が寄り添っている様に感じた時、
彼は「神に裏切られた」絶望を感じたのではないか、と。
そう考えると無性にジャヴェールが不憫に思えて来ました。
神に熱心に寄り添うべく正義を順守して来た彼よりも
神は罪を犯したジャンバルジャンに
やすやすと地位や名誉を与え、美しい娘を与え、仲間を与え、
「優しい心」を与えるのだから。
ジャヴェールが24601号を追いかけに追いかけ、奪いに奪っても
彼のもとに光は当たり、最後、そんな彼から命の施しを受ける。
ジャヴェールはいっそ、革命家の若者達に殺された方が
よほど魂が救われたのかもしれない、と。
主題のレミゼラブル「Les Misérables」(悲惨な人たち≒ああ無情)における
一番のミゼラブルな人はひょっとしてジャヴェールかもしれない…なんて
そんな風に感じてしまいました。
とにかくもう一回、見に行きたいと思いました。
特に音響の良い映画館で、もう一回見てみたいです。
歌劇ですね
とにかくずーっと歌でおお〜って感じでした。
いろいろやらかすけど過去もたくさんあるけど
思いも伴って希望も願いも伴って
明日はくるっていう感じでしたかね…
強かったはずなのに生きていたはずなのに
ずっと信じてきたものを覆されそうになって
わからなくなっていくところはなかなかきました。
号泣。
古典文学の代表的作品のミュージカル映画化。
本物のミュージカルは未見で、一度は見たいと思っています。
しかし、映画、よかったーー!!!
最初っから泣きっぱなし。
セリフよりも歌は直接に感情に訴えてくるなと改めて思いました。
ジャン・バルジャンが神父の思いやりに触れて、
生き方を変える決意をする場面から、
もー泣けて泣けて。
レ・ミゼラブルは悲劇といわれているらしいのですが、
ジャン・バルジャンは迷いながらも、
自分自身を犠牲にして
他者を救っていき、
娘と娘婿に見送られながら最期を迎えます。
その姿に、
私はジャン・バルジャンはそれまでの自己犠牲が報われる最期を迎えられたんじゃないか、
この話はハッピーエンドなんじゃないかと思ってしまうのです。
中学生くらいで原作を読んで、
コゼットがきてくれてバルジャンが死んでいく最期の部分、
すごく救われた気がして
号泣した記憶がよみがえりました。
原作に触れたときと同じ感動が映画でもよみがえってきて、
ものすごいパワーを持った物語であることをあらためて実感したし、
素晴らしい形での映画化だな、あっぱれー!!
と大興奮でした。
まだ見てない方は本当におすすめです。
結論…普通に喋ったらええやんと思わせた時点で、ミュージカル映画は敗北を意味する。
今年のアカデミー賞作品最有力候補らしい。
しかし、ホラーやバイオレンスよりもミュージカルが最も苦手なジャンルであると痛感した作品で、2時間半にも及ぶ歌の洪水が苦痛で仕方なかった。
『ドリームガールズ』や『ダンサーインザダーク』etc.は歌とドラマとがキッチリ二分化されて、切り替えながら観賞できたので、まだ付いてこれたが、今作は台詞の90%以上を歌で延々と表現していく。
故に、ストーリー展開が全く頭の中に入らなかった。
市民革命で市街戦の真っ只中にもかかわらず、
お互い熱唱しながら撃ち合っている世界は、ミュージカルに馴染みの薄い日本人客には、どう受け止めて良いのか未だに解らない。
「♪オレはお前を許さな〜〜い♪」
って、歌うてる場合か!!
普通に喋ったらええやんと、冷めたツッコミばかり銀幕に投げ返す自分が居る。
感情移入の拒絶は、主人公のジャン(ヒュー・ジャックマン)と、彼を執拗に追い続ける刑事(ラッセル・クロウ)との関係性に顕著に現れていった。
冒頭でボロボロの前科者やったのに、次の章では、なぜか威厳ある市長に転身している。
彼がなぜ、どのような手段で出世したのかは一切説明してくれない。
疑う刑事も呑気に歌いながらやから、すぐに逃げられ、漂着先でも飄々と娘とセレブな暮らしをしている。
歌ってる暇あるなら、どう持ち直したのかも歌って欲しい。
刑事もパン1個盗んだだけの彼をなぜあそこまで執念深く追跡する必要性に疑問が絶えず付きまとう。
悪徳刑事というワケでもないし、正義の鬼刑事というワケでもない。
じゃあ、後半のルパン&銭形みたいな妙な友情は一体何なんだ?
第一、いつ芽生えたというのだろう?!
さっぱり理解不能。
キャラクターが掴めなければ、如何に心強く熱唱されても胸には響かない。
唯一の楽しみやったアン・ハサウェイ嬢も早々に坊主頭で死んでしまうし…。
ヘレナ・ボナム・カーター夫婦演ずるコソドロぶりも笑えず、ギャグが鬱陶しいだけだった。
ラッセル・クロウが意外と歌が上手かったのが驚きで、それが唯一に近い収穫かな。
では、最後に短歌を一首
『どん底の 夜明けを叫ぶ 天高く 熱き歌声 愛の痛みよ』
by全竜
良い映画を見た。
すごく小さいころに[あぁ無情]を学校図書で読んでいたけど、その頃の自分の理解力はかなり乏しかったし、そのためか内容も忘れていた。なので、難しい作品というイメージが強かった。
だけど、この映画はしっかりまとめてあって、分かりやすかった。この映画をきっかけに書籍を読んでみようかと思います。
とりあえず、キャストの方の歌がすごい。
特に、ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイこの3人。めちゃ声が通るなぁって。
正直ヒュー・ジャックマンってX-MENのイメージしかなくて、あまり好きじゃなかったけど(X-MEN見ていないのに)、これまたこの映画をきっかけにこの人の作品を見たくなった。
ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)を中心に話は進んでいく流れ。いつの間にか映画に引き込まれて、最後の天に召されていく感じはジーンとした。観客さんは、女性が多かったけど、すすり泣く声けっこう聞こえてきた気がする。
上映時間158分と長かったけど、良い映画見たなぁって思った。ミュージカル映画が好きな方は、オススメです。
原作は1800年代というかなり昔に書かれていると聞いたけど(映画用に脚色した部分はあると思うけど)、心が広い大司教とか、貧富の中で起こる人間模様とかは、今を生きる私にもズシっとグッときたものがあった。
舞台に忠実でした。
初演から舞台を見てましたが、演出が変わるということで、それを楽しみ/慄き半々で待っております。舞台では、司教様のお慈悲あたりで、すでに涙ぐむ者の感想ですので、そこは差っ引いてください。
さて、ミュージカル自体が苦手な方は別として、本作はお薦め致します。
(ミュージカルが苦手な方は、ジャン・ギャバン主演の方をご家庭で見られてはいかがかと)。
全編、歌で綴られたミュージカルでダンスなどは出てきませんが、それぞれのメロディが美しく、本来の言語で歌われているので、違和感も少ないと思われます。旧演出の舞台に相当忠実に作られているなと、感心致しました。映画の方が表現しやすいシーンもあるけれど、ここは難しいのではという点(例えば「One day more」の中締め)も、うまく作られていると思います。
舞台ではどうしても省かれてしまっている説明的シーンやつなぎのシーンも、映画では挿入されているので、?感は舞台よりも少ないのでは(バルジャンが最後なぜそこにとか、いきなりの贅沢結婚式は誰が主催とか)。
かつての文庫版で全5冊の大作ですし、あらすじ的になってしまいますが、その分展開が早くて飽きさせず、歌が好きな方ならそれぞれのソロでもグッとくると思います。エピローグは、もちろんの号泣です。
それにしても、日本語版では(おそらく語呂の関係で)、囚人番号が違っているってこと、映画を見て初めて知りました。
鳥肌が立つほど感動!
フランス革命期の激動の時代を描いた作品。
台詞はほとんどが歌口調で、ミュージカル映画となっている。
貧しさに苦しむ市民たちの姿、革命を起こそうとする若者たち、そんな現状とは無関係の役人、いろいろな人々の心情を思い描くととっても奥深い気がします。立場を変えてみれば、正義も変わるということの難しさや矛盾を感じました。そのなかで自分ならどんな判断を下すだろうか、下すことが出来るだろうかといろんな考えを巡らせてみたりしました。
歌うことで特に役者一人一人の個性が際立って感じられ、本当に素晴らしい。
アンハサウェイの目にはとっても心に響くものがありました。
貧しさって人の心を歪めたり寂しくさせるなぁとしみじみと考えさせられました。でもそんな中でも愛を忘れないことってすごく難しいけど、とっても大切なことだと思います。
生きることに必死で、なんとか生活にしがみついているという市民の姿に衝撃を受けました。
ああ無情
ミュージカル風であることに抵抗を感じずに観ることができました。
とても良かったです。
ヴァルジャンに対する司教の慈悲愛が映画を通して作中の各箇所に入っており、
慈悲愛の深さと大事さを教えてくれました。
私の人生にとって、糧になる作品になりました。
しかし、作中で残念だったシーンとしては、ヴァルジャンが最期の時を迎えるシーンで、コゼットとマリウスの二人から去った日の時間経過の描写が無く、ヴァルジャンが去ってからすぐに再開した様に感じて、感動が薄れてしまいました。
エポニーヌ役のサマンサ・バークスの歌声が心に響きました。
エポニーヌが大好きになる映画です(笑)
無常?
前評判の良さで見に行きました。
複数の出演者の報われない無情さというのはあまり伝わってきません。
映画界というのはアメリカに代表される正義は勝つみたいな単純なところが多いのでこのぐらいのストーリーでないと観客がついてこれない・・・ペイできないということでしょう。
日本人の心を揺らす程の無常感はありません。
本来のストーリーと関係ないのですが娘(実の子ではない)を嫁に出すのに客観的に彼氏を観察し手助けし祝福して送り出すところに少しばかり考えさせられました。
私も娘を送り出すときにこんなにすがすがしく出来るだろうか・・・。
音楽は心地良いものが多く全体話の内容がに軽く仕上げられているのでカップルにもお勧めできますが私にはいまいちでした。
全部をミュージカルに仕立てるよりメリハリを付けたほうがインパクトが強かったのではないでしょうか?
キリスト教徒でもなく常に耐えるのに慣れている日本人にはストーリーが軽すぎると感じました。
残念です。
全72件中、41~60件目を表示