「【”21世紀のスキッツォイドマン達。そして、正義感溢れる”感情なき”殺人ロボット。”激烈な数々の爆破シーンと、表情なき生田斗真と、若き二階堂ふみの姿が印象的な作品。】」脳男 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”21世紀のスキッツォイドマン達。そして、正義感溢れる”感情なき”殺人ロボット。”激烈な数々の爆破シーンと、表情なき生田斗真と、若き二階堂ふみの姿が印象的な作品。】
■都内近郊で無差別連続爆破事件が発生する。
刑事の茶屋(江口洋介)は犯人・緑川(二階堂ふみ)のアジトを突き止めたが、 確保できたのは身元不明の男(生田斗真)だけだった。
緑川の共犯者と見なされた男は、精神鑑定を受け、担当の精神科医・鷲谷真梨子(松雪泰子)は、彼の過去を調べ始めるが、そこから衝撃の事実が浮かび上がる。
男は、入陶大威と言う名の富豪(夏八木勲)の孫で、表情は一切出さないが驚異的な頭脳と体力を持つ男だった。
そして、入陶大威の主治医(石橋蓮司)から”脳男”と呼ばれていたのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・映画としては、豪華キャストで構成されている。
特に、余命幾許もない緑川を演じた、当時19歳だった二階堂ふみさんは、もっとスクリーンに出して欲しいとさえ、思った程である。
・今作は、尺が2時間と少しだが、原作の余りにも膨大な内容を無理に押し込んだため、主要登場人物の背景(特に、志村(染谷将太)の様な、サイコキラー)の描き込みが足りない気がする。
脚本の粗さも気になるかな。
・主演の”脳男”を演じた生田斗真さんは魅力的な俳優だが、今作は感情を出さない役なので、苦労したと思う。
<だが、そんな”脳男”が、且つて弟を志村に殺された精神科医・鷲谷真梨子に対してだけは、”貴方だけが、涙を流してくれた。”と言い、彼女が担当していた志村が世に出た後に、再び罪を犯そうとしていた事を察知し殺害した後に、川に架かる二つの橋の上で対峙し、少しだけ、微笑みを浮かべるラストは、ナカナカだった作品である。
突っ込み処満載の映画ではあるが、エンターテインメント作品としては一定レベルに達していると思った作品でもある。>