意志の勝利

劇場公開日:1942年3月7日

解説

ナチ党全国党大会の記録映画。斬新なカメラワークや演出により、1935年のヴェネツィア・ビエンナーレ金メダル、1937年のパリ万博グランプリを獲得するなどその芸術性が称賛されたが、戦後は評価が一転した。監督は、「民族の祭典 オリンピア第1部」「美の祭典 オリンピア第2部」のレニ・リーフェンシュタール。

1934年製作/112分/ドイツ
原題または英題:Triumph des Willens
配給:東和商事
劇場公開日:1942年3月7日

あらすじ

ナチス党歌『ホルスト・ヴェッセルの歌』をバックに、雲の上を飛行機が飛んでいる。大通りでは、ナチスの諸組織による行進の練習が行われている。ヒトラーや党幹部が空港に降り立つと、民衆は大歓声をあげて出迎える。一行はオープンカーでパレードしながらホテルに向かう。途中、赤ん坊を抱いた若い主婦が花束で祝福する。ヒトラーたちは、ホテル・ドイッチャー・ホーフに到着する。ホテル前では歓迎集会が行われ、軍楽隊が演奏を披露する。古都ニュルンベルグの風景や、党大会会場近くに野営するヒトラーユーゲントの朝の情景が映し出される。伝統的民族衣装を身にまとった農民たちが、街中をパレードする。ヒトラーは農民やドイツ労働戦線のメンバーたちと握手を交わし、オープンカーで去っていく。ルイトポルトハレ公会堂で党大会開会式が始まり、ナチス幹部による演説が次々と行われる。ツェッペリンフェルト広場での国家労働奉仕団の集会に続き、突撃隊の夜間屋外集会の模様が紹介される。音楽隊による『国民よ武器をとれ』の演奏の後、新幕僚長ルッツェがヒトラーへの忠誠を誓う。ワールドカップドイツ大会でも使用されたスタジアム、フランケンシュタディオンでは、ヒトラーユーゲントの日の集会が開催される。ヒトラーユーゲントの少年たちが『青年行進曲』を演奏した後、ヒトラーとシーラッハが演説する。ドイツ国防軍は、新兵器パレードを行う。ツェッペリンフェルト広場で、政治指導官の夜間集会が行われる。ルイトポルトアレーナ広場では、親衛隊と突撃隊の政治的殉難者追悼と隊旗の授与の儀式が行われ、ヒトラーが演説する。ニュルンベルグ旧市街パレードの光景が映し出される。カギ十字を見上げながら通過する人々の映像に続き、ヒトラーのオープンカーが中央広場に入場する。そして、ナチス諸組織のパレードが始まる。ルイトポルトハレ公会堂で、党大会終了演説が行われる。ドイツ国歌に続き、『ホルスト・ヴェッセルの歌』斉唱で幕を閉じる。

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映画レビュー

3.5意志という問題

2025年7月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

見る前は、ナチスやヒトラーのことが好きになっちゃったらどうしよう、と思っていたが、無用な心配であった。(誤解を恐れず言うが)現代の視点から見れば、映画としてとにかく退屈なんである。行進のシーン長え〜。一糸乱れぬ行進なのだが、個の見えないものにはコミットしにくい。腕を下げ忘れている人とか旗で顔が隠れそうになって嫌な顔で避けている人とか、たまに現れる“人間”を見つけてなんとかしのいだ次第。しかしこの感覚は忘れないようにしようと思った。/民族やら血やらで煽りつつ、ことあるごとに“みなさんが選んだ道だ”というのがずるいねー、と。責任などはなから取る気ない。「国家が我々を作るのではない、我々が国家を作るのだ」というのも、うまいよねえ、悪い意味で。煽りつつ国家への献身を求め、でもそれは自発的行為であると認めさせようとする言説。このあたりは、例えば國分功一郎が『中動態の世界』や『責任の生成』で指摘しているような事態。カツアゲされてお金を差し出したのは誰の意志?誰に責任がある?というやつ。/しかし映画を見終わって数時間後。今日は参院選の投開票日なのだが、結果を見るに、プロパガンダというのはいつの世も有効であり、むしろプロパガンダのみが世を決めるという分岐点にナチスがいたことを再確認させられる結果となった。退屈とか悠長なことをいつまで言っていられるか。

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ouosou

国や権力者に依頼されて作られた映像に芸術性などあるはずは無い。

2022年5月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

レニ・リーフェンシュタールを凄い才能と『民族の祭典』を見た際に表した。しかし、この映画を見る限りにおいては、ヒトラーの才能の様な気がした。彼女は女優であり、ヒトラーの意思の元、女優として、監督を演じていたのではないかと思う。もっとも、彼女はそれを拒んでいたわけでは無い。そうでなければ、ヒトラーを俯瞰したような映像は取れなかったと思う。国威発揚を促そうとする者に個人の個性などあるはずもなく、必ず、権力者や国の意思があるのである。レニ・リーフェンシュタールは当初才能があったのかもしれないが、ナチス政権に完全にその才能を吸い取られてしまったと言える。どう見ても、薄気味悪い映像である。
国や権力者に依頼されて作られた映像に芸術性などあるはずは無い。

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マサシ

4.0主演=アドルフ・ヒトラー、と言うのが凄い

2022年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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KEO