アフガン零年
劇場公開日:2004年3月13日
解説
日本のNHKが機材などのハード面を中心に全面サポートし、タリバン政権崩壊後の復興アフガニスタンで製作された映画第1作。実話をヒントに、働き手を失った一家を支えるために少年に成りすまして働く少女の姿を通して、アフガニスタンの重い現実を描く。主人公を演じたマリナは実際に内戦で2人の姉を失い、5歳の頃からストリートチルドレンとして生き延びてきた少女である。第61回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞受賞。
2003年製作/82分/アフガニスタン・日本・アイルランド合作
原題または英題:Osama
配給:アップリンク、ムヴィオラ
劇場公開日:2004年3月13日
ストーリー
長年の戦争の末、タリバンが政権の座についたアフガニスタン。イスラムの教えを厳格に守ろうとするタリバン政権下では、女性は身内の男性の同伴なしには外出が許されなかった。そんな中、生計を支えるべき男たちを全員戦争で失い、祖母と母親、そして12歳の少女の3人だけになってしまった一家があった。彼女たちは外出も出来ず生活の糧を失う。母親は仕方なく少女を男の子に変装させて働かせることを決意。バレた時の恐怖に怯える少女をなだめると、そのおさげ髪をバッサリと切り少年の姿にして、亡き父の戦友だったミルク屋に働きに出す。「ばれたら、タリバンに殺される」と泣く少女を、祖母は”虹をくぐると少年は少女に、少女は少年に変わり、悩みが消える”という昔語りの話でなだめる。タリバンに見つかることを怯える少女にとっては、通りを歩くことさえ大きな恐怖の連続だった。そして、男達だけの礼拝でお祈りの仕方を間違えた少女に、一人のタリバン兵は不審の色を隠さなかった。ある日、街のすべての少年がタリバンの宗教学校に召集され、少女もそこへ連行される。コーランの授業、身の清め方。少女は、必死の思いでひとつひとつをやり過ごすが、やがてまわりの少年達に「女だろう」と怪しまれる。「男なら名前は何という?」と少年達に囃し立てられる少女に、お香屋の少年が助け舟をだす。「こいつの名前はオサマだ。」しかし、その騒ぎに気づいたタリバン兵が、少女を井戸に吊るし、罰を加える。そして少女の足下をつたう赤い血。恐怖による衝撃から、少女に初潮が訪れたのだ。ついに少女であることが暴かれ、彼女は強引にブルカを被せられる。牢獄に入れられた少女は、やがて宗教裁判の場に引きずり出され……
スタッフ・キャスト
- 監督
- セディク・バルマク
- 脚本
- セディク・バルマク
- 撮影
- エブラヒム・ガフォリ
- 編集
- セディク・バルマク
-
Osamaマリナ・ゴルバハーリ
-
Motherゾベイダ・サハール
-
Grandmotherハミダ・レファー
受賞歴
第61回 ゴールデングローブ賞(2004年)
受賞
最優秀外国語映画賞 |
---|