劇場公開日 2024年11月29日

「21世紀!日本映画新時代到来!」リターナー 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 21世紀!日本映画新時代到来!

2025年9月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

驚く

ドキドキ

2002年公開作品
2024年再上映
約20年ぶり2回目の鑑賞

監督と脚本は『DESTINY 鎌倉ものがたり』『アルキメデスの大戦』『ルパン三世 THE FIRST』『ゴーストブック おばけずかん』『ゴジラ-1.0』の山崎貴
脚本は他に『SHINOBI』『つみきのいえ』『ボクは坊さん』『22年目の告白 私が殺人犯です』『最後まで行く』の平田研也

粗筋
2084年の地球は地球外生物ダグラの侵略で人類は絶滅寸前
生き残った人類がチベットで最後の抵抗をしていた
チベット基地のリーダーで発明家のブラウンが開発したタイムマシンで侵略戦争の発端となった2002年にタイムスリップした14歳の少女ミリ
闇取引最中のカネを奪い取るヤバい仕事をしているミヤモトと手を組むことにしたミリはなんやかんやで最初の宇宙人と遭遇
殺すつもりで来たがなんか聞いていた話と違う
殺すのはやめて揖宿(いぶすき)山に登り救出にやって来た仲間の宇宙人たちにその子を返すことに
うまいいけば侵略戦争がない未来に変わるわけ
しかし敵対する劉グループの幹部の溝口がその宇宙人のパワーが欲しいらしくいちいち邪魔をしてなかなかうまくいかない

当時邦画では最高のVFX
マトリックスっぽい映画で日本映画もここまで来たか
やっと来たかと大歓迎したものだ
60年代から80年代の日本のSF映画を思えば大変な進歩
しかし日本映画(アニメ以外)にはやたらうるさい典型的な陰湿で神経質で自己中でユーモアのかけらもなく上から目線の説教で面白くもなんともないネット民は山﨑貴がとことん嫌いなようだ
僕は彼らとは全く性に合わない

銃撃戦
爆破
カーチェイス
センスが良い美術関連等
そしてVFX
ノリのいいアクション映画
SFアクション映画として少なくとも及第点
これで星1とかならアホでしょ
昨今のハリウッドのSFだと捻りすぎてポリコレも絡み難解な作品が多いなか比較的わかりやすく気軽に鑑賞できる娯楽作品

サブスクでは観れないTSUTAYAレンタルランキングのベスト10に入っている人気作
だからこそ再上映もされる
アンチがネットでなんと書こうがリアルに対しては全く無力
なぜどのサブスクで見れないのか理由はよくわからない
まだまだTSUTAYAやゲオなどレンタルビデオ店は地元に必要だ

14歳の役の鈴木杏だが実年齢もだいたいそのくらい
とにかくうまい
舞台向けの芝居
のちに蜷川幸雄演出で藤原竜也と『ロミオとジュリエット』でW主演している
蜷川に藤原竜也といえば『ハムレット』では鈴木杏ではなく満島ひかりとW主演
彼女もまた舞台向けの芝居をするな
藤原竜也も鈴木杏も満島ひかりも
嫌いじゃない
舞台がかった芝居がダメな人もいるがそうなると究極は小津安二郎
しかしそれはそれでクレームが出る
クレーマーはなんであれクレームをつける
クレームをつけないと生きている意味がないからだろう
隣人の人はたまったものではなくおそらくそういう人は孤独なんだろう

年上のミヤモトに対して呼び捨てなのは気になるが宇宙人の侵略によって地球人が一致団結することでワールドワイドになり敬称は省略されていくのだろう

金城武のセリフ読みは仕方がないでしょう
日本人と台湾人のハーフで生まれも育ちも台湾なんだから
台湾人が日本語で演じていることを思えば上々だよ

話としては基本的に『大巨獣ガッパ』的なものでよくある設定
そこにタイムマシン的な要素と暴力団紛いな連中が絡んでいる事が加わっている感じ
SFでは子供がらみで戦争になるのにそれに引き換え日本は北朝鮮に攻撃すらしない崇高な平和国家である

チベットの生き残りがミリ以外は白人だとかこんな状況でミリが栄養不足じゃないのはおかしいとかそんなことはどうでもいい
岸谷五朗が何人も束ねるリーダー格の器じゃないとかそれはあくまでお前個人の主観であって客観的視点がない

SFとかホラーにいちいち細かいツッコミをする評論家気取りはマジでバカである
こういうのはとことん楽しもうという姿勢が必要で粗探しなんか意地悪な姑じゃあるまいし誰も歓迎しない老害そのものである
そんな姿勢でどんな映画でも楽しめるわけがなく身近にいなくて良かった

配役
闇取引を妨害してブラックマネーを奪還する裏世界の仕事人「リターナー」のミヤモトに金城武
ミヤモトの幼少期に本郷奏多
ダグラとは戦争を回避するため未来から来た14歳の少女のミリに鈴木杏
劉グループ幹部で残忍な性格の溝口に岸谷五朗
孤児のミヤモトを育てた情報屋の謝に樹木希林
チャイニーズマフィア「劉グループ」のボスの劉老板に高橋昌也
国立宇宙開発研究所第2研究所に所属する科学者で劉グループと繋がりがある八木に岡元夕起子
頭脳派な溝口の部下の唐沢に飯田基祐
肉体派な溝口の部下の村上に清水一哉
人身売買の業者に趙暁群
溝口の手下に村田充
劉の通訳に川合千春
チベット基地の統括者のブラウン博士にディーン・ハリントン
ミヤモトの幼馴染で臓器売買のため溝口に誘拐されそのまま殺されたシーファンに石田法嗣
ニューキャスターにパトリック・ハーラン

野川新栄