クレマスター1

解説

アメリカンフットボール場の飛行船内で、パフォーマンスとダンスが繰り広げられる様を綴った実験映画。監督・製作・脚本・主演はマシュー・バーニー。アメリカの現代美術の若きアーティストで、映像と彫刻を通じて、現代の神話を作り出そうとしている。97年世田谷美術館で展示された「クレマスター1」と称する彫刻と本作は「クレマスター4」に続くクレマスター5部作の一編。96年7月ニューヨークに次ぎ、東京・ユーロスペースで特別公開された。

1995年製作／40分／アメリカ
原題または英題：Cremaster 1
配給：ユーロスペース
劇場公開日：1997年2月22日

ストーリー

マシュー・バーニーの出身地である、アイホダ州ボイシーのアメリカンフットボール競技場。その青いフィールド上に白とオレンジのフープスカートをまとったダンサーが並ぶ。ゴールポスト上空の飛行船ではスチュワーデスたちがテーブルの葡萄をつまむ。テーブルの下には主人公グッドイヤーが狭い空間に押し込めれている。彼女が天井に穴をあけ葡萄を取ると、身体を通過して靴の先から床に落ち、様々な幾何学的なかたちを構成する。その形に従って競技場のダンサーたちは優雅に踊る。やがてグッドイヤーは密室から解放され競技場に降り立ち、ふたつの卵巣＝飛行船を手に楽しげに駆け回る。