虹之助乱れ刃
劇場公開日:1960年2月10日
解説
雑誌明星に連載された南条範夫の時代小説の映画化。「浮かれ三度笠」の松村正温が脚色し、「江戸っ子桜」の西山正輝が監督した。撮影は柴田達矢が担当。
1960年製作/76分/日本
配給:大映
劇場公開日:1960年2月10日
ストーリー
面影虹之介は旗本の次男坊であるが仕官を嫌って兵六と二人で長屋住いを楽しみ、道場破りを生計の道としていた。その虹之介に意外な商売仇が現われた。矢野弓之助と名乗る女武芸者である。矢野弓之助実は惟任真弓は、妹夢路とともに父の仇山部典膳を求めて道場破りを続けていたのだ。これを知った虹之介は、姉妹の力になることを約束した。ある日、夢路は何者かにさらわれた。松平藩の当主伊豆守には男子の後嗣がないので、将軍の甥松平春之助を養子として内定していた。だが、家老・藤代左太夫は娘を春之助にめあわせようと、配下の剣客黒川伝鬼に命じて密かに息女鶴姫を拉致させ、一味の悪旗本春木市蔵の屋敷の地下牢に幽閉してしまった。先代の大法要を目前にひかえて弱り切った子守役清川三蔵は、鶴姫に瓜二つの夢路を身代りにと謀ったのであった。虹之介の許に帰りたがっていた夢路は、姉真弓から鶴姫こそ実の姉と打明けられて驚いた。松平家では双児を忌み嫌って、生れたばかりの夢路を真弓の父に預けたのだった。夢路は姉鶴姫のために身代りとなる決心をした。これを立聞いた虹之介は、彼の腕に惚れ込んでいる春木の屋敷を訪れ陰謀加担を申出る。左太夫は虹之介に清川を斬れと命じる。虹之介は清川を真弓の家にかくし清川を斬ったことを報告した。信用を得た虹之介は偽鶴姫づきを命じられた。虹之介と夢路は巧みに連絡を取りながら鶴姫の居場所を探した。やがて偽鶴姫と春之助の見合いも無事にすみ、婚礼の日は日一日と追って来た。その婚礼の席上、左太夫一味は夢路の右腕にアザがないことから偽と見破る。しかし、その時斬られたと思った清川、虹之助に救われた真の鶴姫が現われるに及んで左太夫一味は今はこれまでと剣を抜いた。真弓は黒川伝鬼こそ父の仇山部典膳と知る。虹之介の神変二刀流が悪人一味の中に蝶のように舞った--。