続思春期

劇場公開日:

解説

「思春期」と同じ田中友幸の製作。「愛情について」の井手俊郎、ラジオ・ドラマの梅田晴夫の共同脚本により「港へ来た男」の本多猪四郎が監督した。「母と娘(1953)」の飯村正、「銀二郎の片腕」の芥川也寸志がそれぞれ撮影、音楽を担当している。「飛びだした日曜日」の青山京子、「怒れ三平」の久保明、「青色革命」の江原達怡等のいわゆる思春期スタアに新しく高校生中より選抜した宮桂子、灰野恵美子、他に「欲望」の小沢栄、「妻」の中北千枝子、「花の中の娘たち」の小林桂樹などが出演。

1953年製作/88分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年7月1日

ストーリー

甲府盆地の夏。--知識欲のさかんな敬太、玲子たち七人の高校生グループは各自の家を、順にまわって読書会をもつ。その番が玉枝の家、バア「シスタア」にきたとき、先生や旧弊な親たちの反対がおこり、これにからむごたごたで読書会は解散した。絆を失ってグループの心はばらばらになった。玉枝は敬太に好意をよせていたが、当の敬太は玲子と懇ろになる。情に激した彼らはとどのつまり、ゆくところまでいったが、さすがに不安と自責の念は抑えがたい。とりわけ玲子は錯乱のあげく、過まってトラックにはねられた。これが桃色遊戯の果ての自殺未遂として新聞に出たため、あわてた双方の親--玲子の父、県議の間宮と敬太の父、家柄を誇る神主の前川は、前後の世間体をとりつくろうため、敬太と玲子との婚約を披露した。世間はそれで一応満足したけれども、当の二人は将来のワクがきまってしまった息苦しさに耐えられなくなる。息苦しさが昂じて敬太は死を想い、ひとり渓流にむかった。玲子の注進でそれと察した谷村先生はすぐ跡をおい、流れの中にたたずむ敬太を引戻した。先生の助言で二人の婚約は解消され、玲子は親戚のもとへ、敬太は東京の高校へと転籍した。若い日の過ちを清算して、彼らはそれぞれの明るい、自由な道を歩むはずであった。

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