獣兵衛忍風帖のレビュー・感想・評価

ー　今作は、申し訳ないが川尻善昭監督と共に全く知らず。
　　だが、観賞すると山田風太郎の「忍法帖シリーズ」のテイストに、ダイナミックなバイオレンスシーンのスピード感溢れる作画が面白い。
　　甲賀のくノ一、陽炎のエロティックで毒が体内にある設定のキャラや、主人公のはぐれ忍び・牙神獣兵衛のどこか、北斗の拳のケンシロウのような風貌とアクションが面白い。
　　そして陽炎が自分を初めて人間として見てくれた獣兵衛に、仄かな恋心を抱く設定や、ラスト、因縁の相手である不死身の弦馬と獣兵衛との戦闘シーンのアクション作画などもナカナカである。
　　今作は、アメリカで人気が有った事が何となく分かる気がするエキゾチックな忍びアニメーション作品である。－

川尻善昭監督、マッドハウス制作作品。
エロとグロ描写が容赦なく、かなりハードな忍の物語。
日本でも後に出る「無限の住人」のようで、その化け物じみた忍者の描写がすごいです。
そして本作は「AKIRA」同様、海外でもフリークが多いことで知られます。
「マトリックス」「ジョンウィック」も影響を受けていると言われ、キアヌやウォシャウスキーがすごく好きみたいなんですね。
また作画の力の入れ方がとんでもなく、本当よく動いてます。
脚本もとても深く、忍の逃れられない運命がしっかりと描かれています。
改めて、監督らしく実に見応えのあるハードボイルド作品でした。

評価が高かったから期待して観たらそうでもなかった

確かに映像や音は素晴らしかったがツッコミどころ多すぎてハードボイルではあるのに、シリアスギャグを観ているようだった

敵も味方もそうはならんやろ、なんでやねん、油断しすぎだろなにやってんねんの場面が多く粗さが目立つ
特に敵はアホが多くて自滅しているようにすら見える

作画が良いのに動きがある場面で同じカットを3回連続で使ったりしてるのも間抜けに見えた

おそらく川尻善昭監督は山田風太郎の「くの一忍法帖」のファンなのでしょう、おやじ向けのエロいアニメを作ったものです、ただ、中身は忍法ではなく黒魔術の妖怪もの、その反面、獣兵衛と、くの一陽炎の悲恋も織り込んでお涙頂戴風でもあります。
作家性の強い映画なのでお好み次第、アクションものとしては面白いのですが不死身の魔王を倒す主人公の素性や強さの理由が謎のまま、続編を臭わす終わり方と思ったらTVで続編（獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇）が放映されたようですね（2003年4～7月WOWOW）、観てはいませんが、TV向けだとこの路線のままは無理でしょうね。

少し昔の感覚のある描き方だが、楽しめます。
相手があまりのも怪人すぎる点は否めません。

カッコいい

もうね、ケチの付けようが無い。
映像
音楽
アクション
編集（テンポ）

唯一ストーリーがちと分かりづらいんだが、それはあくまで背景的な物で、メインとなる見せ場の邪魔には全くなってない。
獣兵衛と陽炎の悲恋には毎回切なくなるし、クライマックスの「弦馬あぁーー！！」には毎回アガる。

川尻善昭アニメは毎回個性豊かな敵と奇想天外な戦いが描かれるんだが（ラスボスは大概不死身（笑））、この作品でもその辺はたっぷり楽しめます。

おかげでで何度観ても見飽きない、最高のアニメ映画であります。
残念ながら続編の話は頓挫してる様だが、なんとか頑張ってほしい。
それともやはり、この作品はこれで終わりがベストなのかなあ。

もし観たこと無いのなら
是非オススメ

あ、忘れてた。PG-15作品なので良い子は大人になるまでちょっとだけ待て。