海外特派員

劇場公開日:

解説

ドイツの台頭で戦争の危機が迫っていた1939年、ニューヨークの新聞記者ジョニーは欧州へ派遣される。戦争回避のキーマンである大物政治家を追いやってきたアムステルダムで、暗殺現場に遭遇。犯人を追跡し、意外な事実を突き止めたことから彼自身も命を狙われるようになる。美術は「風と共に去りぬ」で知られるウィリアム・キャメロン・メンジーズ。150万ドルの製作費を投じ、大掛かりなセットのもと撮影された。飛行機の撃墜シーンなど撮影技術も見事である。

1940年製作/120分/アメリカ
原題:Foreign Correspondent
劇場公開日:1976年

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第13回 アカデミー賞(1941年)

ノミネート

作品賞  
助演男優賞 アルバート・バッサーマン
脚本賞 チャールズ・ベネット ジョーン・ハリソン
撮影賞(白黒) ルドルフ・マテ
美術賞(白黒)  
特殊効果賞  
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オソレゾーン

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Foreign Correspondent : (C) 1940 STUDIOCANAL

映画レビュー

4.0スリルとサスペンス、ユーモアと美女にスペクタル要素、そして米国民へのメッセージ

2021年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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Kazu Ann

3.5ハリウッドのイギリス人

2021年7月25日
PCから投稿

「いいやつだけどパーティーに呼びたくなるやつじゃない」
ハワードヒューズ(ハワードホークスだったかもしれない)が、ハリウッド進出をはたしたアルフレッドヒッチコックをパーティーに招待した際、かれについてそんな感想を残したという逸話が残っている。

映画オタクだったヒッチコックにとっては、ハリウッドのどんちゃん騒ぎに参加して、大きな身体を持て余すより、独りで映画の構想を練っているほうがよっぽど楽しかったに違いない。

この発言は一般にヒッチコックの人嫌いを象徴するエピソードとして、世に知られている。ただし、ヒッチコック当人には願ったりな風聞だった。人々にヒッチコックが「人嫌い」と周知されれば、面倒な交際を回避できるからだ。

言うまでもないが、人付き合いを煩わしいと思っている多くの人々にとって、新型コロナウィルス禍には僥倖の側面がある。
経済的な打撃から免れている職種・稼業ならば、パンデミックが都合のいいことずくめだった可能性さえある。

おそらく「飲みに誘われたくない」は、それを苦手とする庶民のポピュラーな悩みであると思う。その悩みが新型コロナウィルスによってなくなった。

平常時には、なんとか飲み会嫌いのキャラクターを認めさせるような、涙ぐましい小細工をしたこともある。が、飲みには誘われたくはないものの、変な奴とか、排他的な印象は避けたい。仲間はずれは困るわけ。である。

一定の社会性を認知させつつ、飲みにだけは誘われない、そんな人物を目指していた──のである。それは特殊な渡世術だろうか?きっと多数、心当たりがあることに違いない。「パーティーに呼びたくなるやつ」ではなくても「いいやつ」ではありたかったのだ。

ヒッチコックのアメリカ時代はレベッカと本作によって幕をあける。

当時、イギリスからやってきた気鋭の作家、鳴り物入りでデビューしたヒッチコックに、ハリウッドは興味津津だった。とうぜんパーティに招かれるような歓待もあっただろう。だけど、そんなやつじゃなかった──が冒頭で紹介したエピソードである。

パーティーに呼びたくなるやつ──ではなかったが、そのあとヒッチコックの快進撃は知っての通り。である。パーティーの人気者にはなれなくても、映画の歴史に名を残した。

こんにちでは、ヒッチコックが、鷹揚な楽しい太った小父さん──ではなかったことが、知られている。ひねくれた、嫉妬深い天才だった。
海外特派員が、あざといほどのアメリカ賛歌になっているのは、ハリウッドでの活動をスタートさせたヒッチコックの野望──ここ(ハリウッド)で一旗揚げてやるぞというギラギラした野心──を物語っている。
位置的に地味な作だが、手堅くて陽気。教訓的で国策映画のようでもあった。

ところで。
小市民の漠然とした不安だが、禍が収束し平常時に戻ったとき、顔を隠せる(なにかと便利な)マスクをしないで外を歩けるだろうか?
ふたたび社交的な生活をやっていけるのだろうか?

近い将来、多くの人々が「いいやつだけどまだウィルス禍下にいるようなやつ」というストレス障害を抱えてしまうような気がしている。

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津次郎

4.5アメリカの戦争参加を促すプロパガンダ映画

2021年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1940年8月16日にアメリカで公開された。
大雑把な時系列は以下。
1939年9月3日にイギリスがドイツに宣戦布告。
1940年9月7日~1941年5月10日ドイツによるロンドン大空襲が。
1941年12月11日、日本による真珠湾攻撃に伴ってドイツがアメリカに宣戦布告。
イギリスがドイツに押されている状況でイギリス出身のヒッチコックが監督。
ルーズベルト大統領の写真が飾られ、エンディングでは主人公がアメリカの戦争参加の演説を行い、アメリカ国家まで流れる。完全なプロパガンダ映画。
(ドイツが勝っていた場合はヒッチコックは映画界から追放されていたであろう。)
ナチスドイツを悪魔化しておらず、そのスパイも愛国者として扱っている。
上階の窓から飛び降りたジョージ・サンダース(ffで始まる人)がそのまま入り口に入っていくシーン、荒れ狂う海に墜落した飛行機から脱出するシーンはヒッチコック的見どころ。
主人公のジョエル・マクリーをジョージ・サンダースが完全に食ってしまっている。
87点

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neonrg

3.5ヒョット後ろから

2021年2月20日
iPhoneアプリから投稿

楽しい

怖い

知的

1940年の作品なのにと言ってしまえば巨匠ヒチコックに失礼だが、ラストのスペクタクルが素晴らしい。ただ、ヒチコックの怖さはここではなく、なんのこともないショットに潜む“ヒョット後ろから押される恐ろしさ”だ。
さて、この作品のどこに監督が写っているかは見逃したが、きっとあそこだっただろうと密かに一人ニヤついている。

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ezu
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