熱砂の白蘭

劇場公開日:

解説

「愛と憎しみの彼方へ」に次ぐ田中友幸の製作で、モーパッサンの「脂肪の塊」に取材して「偽れる盛装」「阿修羅判官」の新藤兼人と「レ・ミゼラブル」の棚田吾郎とが共同で脚本を書いている。演出は、「処女峰」の木村恵吾が東宝で最初の作品である。配役は「孔雀の園」の木暮実千代、「愛と憎しみの彼方へ」の池部良、「えり子とともに」の山村聡、その他清水将夫、千石規子、汐見洋、沢村貞子、菅井一郎、河津清三郎などの助演陣。

1951年製作/103分/日本
原題:A White Orchid
配給:東宝
劇場公開日:1951年3月24日

ストーリー

日本の敗戦と同時に、この大陸の首都で最後の避難列車が出発したあと、あるバアの支配人永田は、トラックを一台仕立てて逃げおくれた人々から、高い料金を取って同乗者を募った。ホテルの支配人瀬戸とその情婦、高級官吏高木とその妻朝子と娘の由岐子、会社員賀川夫婦、洗濯屋一家、軍属立花、それに永田、元航空隊員で身体の自由を失ってからぐれ出した通称「サブ」という男などが乗り込んで、トラックは出発した。途中夜の女白蘭がトラックを止めた。人々は彼女の同乗をこばんだが、サブの口添えでようやく拾いあげられた。そして白蘭が持ち込んでいた食糧を人々はむさぼり食った。しかし、トラックは敵襲を受けガソリン缶をやられたため途中で立ち往生してしまった。付近に駐在する留守部隊にガソリンを譲り受ける交渉をするが、隊長酒井は白蘭の体を条件に出す。人々は白蘭の犠牲を望むが、彼女はこれを拒絶した。しかし人々の絶望の姿を見ていると堪まらなくなり白蘭は自分の体を投げ出す決心をした。その夜、白蘭の潔い態度に酒井は自分の醜さを悟り無条件でガソリンを与える決心をした。そして、その翌日人々は喜々として出発し、酒井は隊と共に死の前進にかり立てられたあと、人間の醜さをしたたか味わった白蘭とサブとが唯二人広野に残っていた。

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