水戸黄門とあばれ姫
劇場公開日:1959年12月1日
解説
悪家老を相手に活躍する美姫と、これを援ける水戸黄門の奮闘ぶりを描いたおなじみの娯楽時代劇。「日本ロマンス旅行」の岡戸利秋と「大暴れ女侠客陣」の共同執筆者・芝二郎のオリジナル・シナリオを、「怪談鏡ケ淵」の毛利正樹が監督した。撮影は、「まぼろし鷹」の山中晋が担当した。
1959年製作/83分/日本
劇場公開日:1959年12月1日
ストーリー
五代将軍家鋼の頃、江戸の人たちは、“お犬様”のために難儀をしていた。--水戸黄門と手裏剣のお竜は、こんな政治を改めねばと思った。彼女は、孝行者の銀二郎がお犬殺しで死罪になりかけた時、救ったりする。--僧の隆光が将軍家の生母桂昌院をだまし陰謀をたくらんでいた。彼は犬奉行とも結託して、若い娘をさらい放ラツの限りを尽していた。彼はまた大奥づとめの沢の局とも通じていた。お竜は水戸家の天野吉之進の報告を聞くと、その本拠を襲い、娘たちを救いだした。その時使った手裏剣で、一味はお竜の正体を知った。隆光と弟の小弥太が分け前のことで争いを起した頃、水戸黄門は将軍家に意見書を出していた。一味はお竜を消す必要を感じた。隠れ家からお竜をだまして連れだしたが、吉之進が救いだした。彼はお竜が老中の職を追われた本多伊予守の息女・竜姫であることを知って駈けつけたのだ。が、今度は、隠れ家にいた腰元のお新が黒覆面の男にさらわれた。奉行所に忍び入り、拷問で絶えだえの彼女を連れだそうとした時、見張りに発見された。犬の檻を開き、そのスキに逃げようとしたが、路地に追いつめられた。その時、黄門が助さん格さんと現れ、救った。--隆光らは小弥太の情婦お栄にお竜を狙わせた。が、秘密が逆にもれただけだった。一味は黄門を桂昌院が施主の大伽藍建立の勧進によんだ。当日、お竜の手下・平六はお栄から情報を聞きだした。舞台で踊るお竜を屋根の上から銃が狙っているというのだ。合図をお竜は気づかなかった。が、引金が引かれかけた時、お竜の手から手裏剣がひらめいた。--お竜が黄門にこの場を引きとるようにすすめていた時、小弥太が脇から黄門にきめかかった。お竜がはばんだ。一味と乱闘となった。お栄は小弥太にきられた。が、彼はお竜にきられた。--翌日、江戸城評定の間で、黄門は老中酒井讃岐守と対決した。酒井はシラをきった。が、沢の局が自決し、隆光も自白したので、どうしようもなかった。綱吉はすべてを知ると、生類あわれみの布告を取下げるように命じた。黄門は竜姫と吉之進の式の仲人を引き受けたという。