旗本退屈男 謎の大文字

劇場公開日:

解説

佐々木味津三の原作を、「たつまき奉行」の鈴木兵吾が脚色し、「おしどり道中」の佐々木康が監督した、おなじみ旗本退屈男シリーズの一篇。撮影は「ふたり若獅子」の松井鴻。

1959年製作/109分/日本
原題または英題:Mysterious Fire
劇場公開日:1959年6月28日

ストーリー

三日月傷の旗本退屈男、早乙女主水之介は、彼をとりまく木場の彦六、肘鉄おきん、上総生れの武骨侍堺田五郎衛門らとともに謎の解明にのり出した。薩摩藩主島津少将忠恒の屋敷を尋ねて入洛した息女霧姫と侍女小篠が、家中の侍に追われて誠忠の士である家老島津豊後のもとに監禁された謎。島津公が屋敷に姿を見せず、島津家菩提寺紫野の正徳院で、右大臣姉小路通季卿が遭難した謎。しかも島津公は正徳院にひそんでいるとの噂である。正徳院の瓦がすべて鉛で作ってあるのを知り、皇居の天守閣と寺院の僧兵の間に信号がかわされているのを見た退屈男は、事の重大さを悟った。怪人物達に襲われた霧姫を救った退屈男は、姫を侍女とともに農家に隠した。そこにやってきた島津藩士笠貫新八の口から、所司代内藤大和守が島津公を抱きこんで、徳川への謀反をたくらんでいることが解った。密貿易の罪をおかして幕府よりの処罰を恐れた大和守が、島津家先祖による軍備のためのたくわえをいいがかりに、自分の謀反への加担を島津公に迫っていたのである。父を心配する姫と、主君を案ずる笠貫の心にうたれた退屈男は、わざと自分を笠貫に捕えさせて、所司代家敷の座敷牢に虜われの身となった。遂に謀反の日の朝がきた。一味は僧兵を従え、島津の精鋭を先頭にたて、武断派の堂上人を加えて、帝を薩摩に奉じて事を起そうとする挙に出た。この時、かねて座敷牢で様子をうかがっていた退屈男は、たちまち破牢して謀反の一味を追い、進撃しようとする軍勢の前に立ちふさがった。島津公を前にして、早乙女主水介は、所司代内藤大和守のたくらみをあばいた。島津公を説得した退屈男は、帝のお駕籠にかわりにのりこんで、大和守の軍勢と僧兵たちの前に現れ、一味の陰謀をはばみ、大活躍のすえ、これを未然に防ぎとめた。

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